World of Warcraft Wiki
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各固有名詞はこのページの作者の意向に従ってカタカナ表記を心掛けました。英語を強引に日本語読みとしているため、本来の発音とは異なります。日本語版プレイヤーの方、英語発音に詳しく違和感を感じた方は修正をお願いします。

(2020.03.03 追記:「歴史」のページに追加した方が良いような項目も多々記載しました。編集が得意な方は記事の移送等をやっていただけると助かります。また、ネタバレが激しいため、気に障る方は読まない事を強くお勧めします。ネタバレOKという方のみ、追記部分をお読みください。)

Alliance[]

Human[]

Guardian[]

"マグナ"エグウィン

メディブの母、史上最高のガーディアン。

ノースレンドへ侵入していたサーゲラスの化身を倒すが、魔力の解放で弱ったため体内にサーゲラスの精神が密かに入り込む。

世界の平和を維持するための操り人形になる事を嫌い、ストームウィンド王の相談役であるニーラス・アランを誘惑し、自らの後継者とするために子供を儲ける。 生まれた子供にメディブと名付けてニーラスの下へ送る。

メディブがサーゲラスに乗っ取られた際、自らメディブと戦うが力のほとんどをメディブに譲り渡していたため敗北する。 メディブに母だと名乗ると、彼は全ての魔術を奪ったが(老化を抑える魔術を除く)、彼女は知られざる魔法を解放しテレポートしてムルゴアへ逃げる。

その後、メディブが打ち倒される未来を予見する。実際に倒された後にメディブを正当なガーディアンとして呼び戻すが、彼は去った。

エグウィンはジャイナの下に仕えるかどうか迷うが、ズモドローによる襲撃で囚われたジャイナを救う為に、残った最後の力である自らの命を解放して救う。 だが、エグウィンは生き延び、現在は名を変えてジャイナの相談役になっている。


メディヴ  

預言者にして、最後のガーディアン。先代ガーディアンである母エグウィンよりその力を引き継ぎ、世界の守護者となるはずだった人物。

エグウィンの身体に密かに掛けられたサーゲラスの呪詛によって、その心を闇に落とす。  

メディブは邪悪な意志を隠しながら人間社会に溶け込み、グルダンと結託してダークポータルを作り上げることでオークがアゼロスに侵攻する手助けを行う。メディブを支配する邪悪な力を看破したエグウィンの計らいによって、その行動を監視するべく弟子として送り込まれていたカドガーと親友のローサーによって殺された。

彼の精神はサーゲラスの呪詛から逃れ幽界を彷徨うことになるが、再びアゼロスを脅かさんとするバーニングリージョンに対抗するために預言者として現世に復活、強大な力を維持しながらもその身はすでにこの世のものではないため介入せず、Warcraft IIIの世界で互いに対立していた種族の団結を促す仲介者として裏方に徹する。


クル・ティラス(Kul Tiras)[]

ダエリン・プラウドムーア

クル・ティラスの大提督。ジェイナ・プラウドムーアの父親。

二次大戦の英雄。三次大戦終了後にオークの絶滅を主張し、オークとの共存を図る娘のジェイナと対立してしまう。最後は、ジェイナの率いるゴブリンの戦艦によって海軍を制圧され、スロールの率いたホードによって地上部隊も制圧された。戦力を失ったダエリンに対し、ジェイナは投降を呼びかけるが耳を傾けることなく、呪いの言葉を吐きながら戦死した。

ジェイナ・プラウドムーア

クル・ティラスの支配者、ダエリン・プラウドムーアの娘。

子供の時、ジェイナは強大な魔術の才能を現した。彼女は魔術を利用する方法を学ぶために、ダララン(Dalaran)(魔術師の王国)へ送られた。そして、キリン・トア(Kirin Tor)(魔術師の組織)のリーダーである アントニダス(Antonidas) は彼女に大きな可能性を感じて弟子と認めた。幼馴染のジェイナとローデロンの王子である アーサス・メネシル(Arthus Menethil) はダラランでの修行中に再開し、2人は恋に落ちた。しかし、ジェイナの厳しい向上心とアーサスの王子としての責任感から二人は別れ、悲嘆に暮れたジェイナは彼女を癒してくれる魔術の研究に戻った。

そして、ジェイナは第三次大戦の際にアーサスと再会して スコージ(Scourge) の調査に同行したが、アーサスの非人道的な行動を止める事が出来ず離反する。

スロール(Thrall)・ティランダ(Tyrande) 連合軍と共に アーキモンド(Archimonde) を撃退し、ホードとの共存を否定する父との訣別を経る。現在は セラモア(Theramore) に住み、人類の集結と バーニングリージョン(Burning Legion) の撲滅を目指している。

(2020.03.03 追記:

バージョン 8 バトル フォー アゼロス(Battle for Azeroth)(以降「BfA」と記述)では、ジェイナはアライアンス側の主役を務める。

ヴァリアンの項で後述するが、バージョン 7 リージョン(Legion) の冒頭部分、第三次リージョン侵攻(Third invasion of the Burning Legion) にて、ヴァリアン・リン(Varian Wrynn) が戦死する。アライアンス側からは、共闘を誓ったはずのホード側が、あたかもアライアンスを見捨てて独断で撤退したかに見えたため、裏切りに遭ったと怨恨を募らせる者が後を絶たなかった。王の死を悼んだ者たちはホードへの報復を主張し、ヴァリアンを慕っていたジェイナもその一人であった。しかしヴァリアンから遺志と王位を受け継いだ アンドゥイン(Anduin) は、惑星アゼロス全体の危機である バーニング リージョン の撃退が先決であると主張し、あくまでもホードとの共闘路線を維持する。この決断に激しい反感を覚えたジェイナは、この時点でアライアンスの前線から一時的に去っている。

バーニングリージョンの撃退に成功した後、悪魔の軍団を率いていた「堕ちたる創世神」サーゲラス(Sargeras) は、封印される間際に惑星アゼロスにとんでもない「置き土産」を残していった。天をも突き抜けるほど巨大な剣を シリサス(Silithus) に突き刺していったのだった。

スポイラームービー

この直後から、アゼロスの各所には「星の血」とも言うべき特殊な鉱物「アゼライト(Azerite)」が、そこかしこに噴き出すようになった。これはウラニウムやプルトニウムのように類稀なるエネルギーを秘めた鉱物で、兵器転用すれば凄まじい威力を発揮する。ホードは真っ先にこの新しいエネルギー源に着目し、ガリーウィックス(Gallywix) 率いるゴブリンの採掘部隊はシリサスのアゼライト噴出地点にキャンプを展開し、大規模な採掘作業に入った。アゼライトを用いた兵器開発ではホードがイニシアチブを取り、アライアンスは一歩出遅れる事となる。バージョン 8 バトル フォー アゼロス(Battle for Azeroth) は、基本的にこのアゼライトを巡ったアライアンスとホードによる争奪戦となる。

スポイラームービー

ホードの現最高司令官 シルヴァナス・ウィンドランナー(Sylvanas Windrunner) は、アライアンス側がホードに追随する形で新たにアゼライト兵器の開発に着手する事を恐れた。そこで カリムドール(Kalimdor)大陸 から イースタン キングダム(Eastern Kingdoms) へとアゼライトを海上輸送するルートを叩く事を決断。安全港として筆頭候補に挙がった ダーナサス(Darnassus) を攻撃し、焼き討ちにする。ウォー オブ ザ ソーン(War of the Thorns) として知られるこの戦で、アライアンス内で高まっていたホードに対する報復攻撃の機運がついに堰を切る。

アンドウィンはシルヴァナスが本拠地にしている アンダーシティ(Undercity) を攻撃する事を決断。そこはかつて ローデロン(Lordaeron) と呼ばれたヒューマンの王国であり、ジェイナがかつて愛した アーサスの故郷でもあった。と同時に、魔剣フロストモーン(Frostmourne) を引き抜いて リッチキング(Lich King) と化してしまったアーサス自身によって滅ぼされてしまった遺恨の地でもあった。リッチキングの精神支配から独立して自我を取り戻したシルヴァナスは、リッチキングに対抗するアンデッドの軍団 フォーセイクン(Forsaken) を組織し、ローデロンの地下に築いた都市アンダーシティを拠点としていた。アンダーシティの攻略は、アライアンス側にとってはダーナサスで戦没した同胞たちの弔い合戦でもあり、同時に国土の回復という意味もあった。

第三次リージョン侵攻の際に前線を離れていたジェイナは、いずれ来たる復讐の機会に備えて、とある準備をしていた。かつて失意の中で袂を分かってしまった父親ダエリンが指揮し、第三次大戦で海の底に沈んだ巨大戦艦を引き上げ、自身が培った魔術によって改造していたのだった。

スポイラームービー

そして バトル フォー ローデロン(Battle for Lordaeron) の戦いの火蓋が切って落とされた。

スポイラームービー

開戦当初はアライアンスが優勢だったが、ホード側が毒ガスによる敵味方関係ない無差別攻撃を始めると、途端に後退を余儀なくされた。壊走寸前にまで追い込まれるアライアンスだったが、絶体絶命の窮地をジェイナが救う。亡き父の遺産を改造した空中戦艦を駆って、雷雲を割ってジェイナが颯爽と現れる。得意の氷結呪文で疫病を払い除け、艦砲射撃によって城壁を崩して反撃の糸口を産み出した。士気を取り戻したアライアンスは再度の猛攻を仕掛ける。

スポイラームービー

攻城戦の最中に メカトルク(Mekkatorque) と アレリア(Alleria) の参戦もあり、ホードを追い込んでいくアライアンス。シルヴァナスが敢行した毒ガスによる無差別殺戮に心を痛めていた ヴァロック・サウルファング(Varok Saurfang) は単身でアライアンスに挑んでくるが、一行はこれを撃退してヴァロックを捕虜にする。そしてシルヴァナスを追い詰めたアライアンス軍は、玉座に残るシルヴァナスとついに対面する事となる。しかし、アンダーシティを放棄する覚悟で残存する毒ガスの全てを流出させたシルヴァナスの計略により、アライアンスは勝機を逸した。爆発に乗じてシルヴァナスは逃亡し、奪還するはずだったローデロンの楼閣は疫病の海に沈んだ。アライアンスが得たものといえば、ホードの精神的指導者であるヴァロックを捕虜にした事ぐらいであった。

スポイラームービー

バトル フォー ローデロン から帰還して間もなく、ホード側では捕虜となったヴァロックの奪還作戦が計画され実行に移された。ホード側はストームウィンド城の牢獄に侵入し、ヴァロックと直に対面しているが、「シルヴァナスが率いる今のホードには戻れない」とヴァロックは同行を拒否している。代わりに紆余曲折があって タランジ王女(Talanji) と 予言者ズール(Zul) を脱獄させる事になったホード一行は、そのままタランジ王女の本拠地である ザンダラ(Zandalar) へと逃亡する。(ホード側のプレイヤーのみこのシーンを見られる)

タランジ王女を乗せた船を追撃するアライアンス艦隊だったが、あと一歩というところで取り逃してしまう。海霧の向こうに待ち構えていたザンダラの艦隊から猛烈な反撃を受け、追撃にあたっていたアライアンス艦隊は壊滅的被害を被った。ザンダラ海軍は既にアゼライトを用いた兵器で武装していたのだった。

この事態を重く受け止めたアライアンスは、海軍力増強のためにジェイナの故郷であるクル・ティラスへと援助を求める事にした。その際、ジェイナはクル・ティラスとアライアンスの同盟再締結のための大使役を買って出た。しかし事実上父親を裏切るような決断をしてしまい、結果として父を死に追いやってしまったジェイナにとって、故郷への帰還はむしろ恐怖すべき出来事であった。父親の亡霊は悪夢となってジェイナを苛んだ。事実、故郷ボラルス(Boralus) の地を踏んだジェイナは、地元住民はおろか実母である キャスリン・プラウドムーア(Katherine Proudmoore) にさえも拒絶される。キャスリンの摂政をしていた プリシラ・アッシュベイン(Priscilla Ashvane) からは死刑まで宣告され、ジェイナは流刑に処された。

ところが。調査を進めるうちにプリシラは海賊と締結している事が発覚し、海賊を雇ってわざとボラルスを攻撃させ、自らこれを撃退する芝居を打つことでキャスリンの信頼を得て、プラウドムーア政権内での自らの地位と影響力の確保を狙っている事が判明した。キャスリンがまさにプリシラを大提督に任命せんとするそのタイミングで、プリシラの隠された計略は白日の下に晒された。結果としてプリシラの目論見を阻止する事には成功したが、しかしプリシラは逃亡し、これ以降ボラルスやアライアンスを幾度となく攻撃するようになる。

この事件はキャスリンの心に大きな打撃を与えた。夫のダエリンが他界し、長男の デレック(Derek) も第二次大戦で戦没。娘のジェイナが故郷を裏切って父親を殺したとの報を耳にし、挙句に 末子の タンドレッド(Tandred) までもが嵐に巻き込まれて行方不明になっていた。プリシラしか頼る相手がいなかったキャスリンにとって、プリシラの裏切りは自身の信条や一国の王女としての尊厳や責任感さえも打ち砕くほどの衝撃となった。最早何を信じればいいのか分からなくなっていたキャスリンに、故国を失った苦しみを知る ゲン・グレイメイン(Genn Greymane) が声をかける。ジェイナが何故父親を選ばず怨敵と手を組んだのか、その真意も知らぬままジェイナを一方的に断罪してしまった自らの過去を悔いたキャスリンは、ジェイナ救出に向けて動き出す。死刑を宣告していたプリシラだったが、実際にはジェイナはまだ生きており、クル・ティラスの最果ての島に流刑に処されていた。最果ての島で調査をするうち、ジェイナはクル・ティラスに古くから眠る怨霊 ゴラクトゥール(Gorak Tul) に囚われている事が判明する。ゴラクトゥールの本拠地である ドラストヴァール(Drustvar) へと赴き、悪夢の檻からジェイナを解放する事に成功するキャスリン。ここに家族の真の再開が果たされた。

スポイラームービー

ジェイナ帰還の朗報から休む暇もなく、プリシラが海賊を率いてボラルスを攻撃しているという報を聞く。ジェイナはボラルスに駆けつけ、海賊を退治する。しかしボラルスの沖合にはプリシラ率いる海賊船団が現れ、ボラルスは艦砲射撃の危機に晒される。しかしそんな時、ジェイナはキャスリンから亡き父の形見であるペンダントを返された。それはジェイナが帰還した際に初めて母に面会した時に、キャスリンに強引に毟り取られたものだった。キャスリン自身の手によってジェイナに返還され、ジェイナは母の想いを受け取った。ジェイナがペンダントに祈りを捧げると、弟のタンドレッドが率いるクル・ティラスの主力艦隊が嵐を破って現れた。艦隊はプリシラ率いる海賊船団の背後から急襲する形になり、予想外の敵襲に対処出来なかったプリシラは降伏する。

その後ジェイナは正式に大提督に任命され、クル・ティラス海軍はアライアンスの指揮下に入った。就任から間もなくして アンガーポイント(Anglepoint) を襲撃したホードの揚陸部隊はジェイナの活躍によって撃退され、クル・ティラスの民はジェイナが研鑽し培ってきた魔術がいかに強力であるかをまざまざと見せつけられた。「海の娘(Daughter of the Sea)」と呼ばれて恐れられ、民謡にまで歌われ忌み嫌われた戦の申し子は、今では故郷クル・ティラスとアライアンスを守護する強大な力となった。

その後、秀逸な海軍力を手に入れたアライアンスは、ホードとザンダラに対して攻勢に出る。ダザーラーの戦い(Battle of Dazar'alor) では、ジェイナは自ら前線で戦闘支援を行った。ダザーラー防衛軍本隊を ナズミア(Nazmir) 北端の海岸にまで引き付ける細工をした後、ダザーラー(Dazar'alor) 南の港湾施設に強襲揚陸する作戦を展開。敵の防御が手薄になったところで敵本陣を直接叩いた。結果、この戦いでダザーラーの君主である ラスタカン王(Rastakhan) を討ち取った。ただ、これがホードの怒りの炎に油を注ぐ事となった。

とはいえ、この直後にシルヴァナスの腹心である ナサノス(Nathanos) はザンダラから撤退する事を決めた。形勢不利になったため尻尾を巻いて逃げるかのように脱兎の勢いで船を駆るナサノス。これを ゲン 率いる 第七師団(7th Legion) と クル・ティラス海軍(Kul Tiran fleet) の混成部隊が追いかけるが、しかしアライアンスはナサノスの罠にはまっていたのだった。艦隊がナーガの女王 クイーン・アジャーラ(Queen Azshara) の居城の真上に到達した時、ナーガの女王は強大な力を持つアーティファクト タイドストーン(Tidestone) を用いて海を割り、海底の地面を露出させた。この天変地異に巻き込まれたホードの艦船は海底に叩き付けられて大破。それ以上に大挙して押し寄せていたアライアンス海軍には尋常ならざる被害が出た。もとの海面から「降ってきた」戦艦が地表に激突して砕け散る度におびただしい数の人命が失われた。

スポイラームービー

この危機を生き延びた ジェイナ は、ゲン や シャンドリス(Shandris) と共にアジャーラの支配するナージャター(Nazjatar) から逃れる方法を探す。最終的にはホード側と協力して共通の敵であるアジャーラを討つ事になり、タイドストーンを手中に収めてから サリスラ(Thalyssra) と共にアジャーラの居城 エターナル パレス(Eternal Palace) の入り口を閉ざすバリアを破壊し、アジャーラを倒すため共闘する。

スポイラームービー

結果、見事アジャーラを倒す事には成功したが、アジャーラが破れた事で 旧神 ン=ゾス(N'Zoth) の封印が解かれてしまった。

スポイラームービー

この騒動の後、ホード側で内乱が起こり、シルヴァナスがヴァロックとの決闘の後にホードを去る。シルヴァナスの後任は ベイン・ブラッドフーフ(Baine Bloodhoof) が務める事となった。ジェイナは他の面々と共に決闘の行く末を見守った。ホードの総責任者がアライアンスに対して比較的友好的なベインになり、アライアンスの指揮官も穏健派のアンドゥインになったため、アライアンスとホードの間の戦争はここで一旦休戦となった。

バトル フォー ローデロン、或いはその引き金となった ウォー オブ ザ ソーン からここまでの戦役が「第四次大戦(Fourth War)」と呼ばれる事となる。ジェイナは間違いなく、この第四次大戦の中核を担った英雄の一人である。


バージョン 9 シャドウランズ (Shadowlands) では、ジェイナ は「ジェイラー(The Jailer)」こと ゾヴァール(Zovaal) の手先により、アンドゥイン、スロール、ベイン共々 モー(Maw) に拉致されている。

ヴァロックとの決闘の後、行方をくらましていたシルヴァナスは、「3代目リッチキング」こと ボルヴァー・フォードラゴン(Bolvar Fordragon) が治める アイスクラウン(Icecrown) を単身で強襲していた。たった一人で世界に死と絶望と混乱を振り撒いたリッチキング、その力を継承した ボルヴァーを、シルヴァナスはなんと単独で下してしまった。ボルヴァーを倒したシルヴァナスは「リッチキングの象徴」とも言うべき兜 ヘルム オブ ドミネーション(Helm of Domination) を破壊して、兜に秘められたエネルギーを用いて文字通り天を割くような巨大なポータルを開いた。ポータルの先は「あの世」とも言うべきシャドウランズだった。

スポイラームービー

アライアンス・ホード両軍は、それぞれの指導者兼最高責任者が拉致されるという未曽有の危機に際して一時停戦状態となり、要人の救出作戦を共同で行う事になった。救出部隊総司令官は ボルヴァー が務めたが、先遣隊隊長はプレイヤーキャラと ダリオン・モーグレン(Darion Mograine) が着任し、エボンブレード(Ebon Blade) の デスナイト(Death Knight) 部隊が随伴する運びとなった。リッチキングの兜 ヘルム オブ ドミネーション の破片に残るエネルギーを用いてポータルを生成したプレイヤーキャラ一行は、アンドゥイン、ジェイナ、ベイン、スロールの4名を奪還する為に、シャドウランズでも最も危険な地域「モー」へと突入するのだった。出立直前になって、シルヴァナス打倒に並みならぬ執念を燃やす ティランダ・ウィスパーウィンド(Tyrande Whisperwind) がポータルに乱入するというアクシデントが起こる。ゲン の制止を振り切ってポータルに飛び込んだティランダはそのまま行方知れずとなってしまった。 そのため ゲン から ティランダ の回収も託される事となった。

モー に到着したプレイヤーキャラ一行は、ジェイラー 率いる モースウォーン(Mawsworn) の軍勢の猛攻に苦戦を強いられる。ジェイナ たちの足跡を辿って モー を探索するうち、奮闘する ジェイナ と負傷した スロール を発見する。発見された直後は「もう諦めかけていた」と語る ジェイナ だったが、増援の到着に戦意を取り戻した ジェイナ は得意の魔術を駆使して ジェイラー の追撃を回避し、洞窟に逃げ込んで形成を立て直した。ジェイナ はそこで自分が見聞きした事、特に ジェイラー が強大な軍事力を抱えている事や、シルヴァナス と ジェイラー が結託して何かを目論んでいるらしい事をプレイヤーキャラ一行に話した。救出部隊に突如飛び入りして独断先行した ティランダ の行方を尋ねた ダリオン だったが、ジェイナ は見ていないと語った。

作戦会議の後、今後の方針を決定した一行は次の行動に移った。アンドゥイン と ベイン の救出、そして モー からの脱出手段の確保である。一行が アンドゥイン の救出に向かう傍ら、ダリオン は洞窟に残って モー に徘徊する悪霊を捕らえて尋問し、脱出手段を聞き出す作業に着手した。無事にアンドゥイン を救出し、かつ悪霊から モー から脱出する手段のヒントを得た一行は、道中で ジェイラー に捕まって酷い拷問を受けていた ベイン を救出し死の淵から救い出すと、脱出手段である「ウェイストーン(Waystone)」を目指して進んだ。「宇宙を創世せし存在」、「ファースト・ワン(First Ones)」の遺産と目されるウェイストーンは長らく機能停止しており、そのためジェイラーから一顧だにされていなかったのだが、ウェイストーンに一行が近付くと、遺跡がプレイヤーキャラに反応している事が分かった。プレイヤーキャラを逃がすため、ジェイナ、スロール、ベイン、アンドゥイン は死力を尽くして時間を稼いだ。その甲斐あってプレイヤーキャラは モー から脱出して オリボス(Oribos) へと辿り着いたが、遺された4人は再び ジェイラー に捕まってしまう。4人は ジェイラー の本拠地である トーガスト(Torghast) へと連れていかれ、そこで苛烈な拷問を受ける事となった。

後に オリボス にて形成を立て直したプレイヤーキャラ一行によって、ジェイナ は ベイン や スロール と共に トーガスト から救出されている。しかし アンドゥイン の奪還は叶わず、後にこれが大きな禍根を残す事になる。

救出された ジェイナ は オリボス の警護に当たり、ジェイラー の襲撃に備えている。

キャスリン・プラウドムーア

ジェイナの母。夫のダエリンや長男のデレックを相次いで亡くした上、娘のジェイナがダエリンを裏切り、結果としてダエリンが命を落とす事となったと耳にしていたキャスリンは、ジェイナに対して並みならぬ憎悪を抱くようになっていた。そのためジェイナが初めて帰国した際、キャスリンはジェイナが身に着けていたダエリンの形見のペンダントを毟り取り、「貴女はもう私の娘ではない」と冷たく言い放っていた。

しかしプリシラの裏切りに遭い、末子のタンドレッドも行方不明。ジェイナには死刑を宣告してしまい、キャスリンは独りになってしまった。孤独を噛みしめながら、ジェイナが何故あの時にダエリンと反目する羽目になったのかを徐々に知っていくキャスリン。そしてゲンに諭されて過去の自分の行いを悔いたキャスリンは、ジェイナを自らの手で取り戻すため行動を起こす。

ジェイナがゴラクトゥールに囚われていると知ったキャスリンは、ドラストヴァールが魔女と呪いの巣窟だと知りつつも、果敢にも自らジェイナの捜索に加わった。やっとの思いでジェイナを発見するが、ジェイナはゴラクトゥールが産み出す悪夢の牢獄に閉ざされ、過去の忌まわしい記憶に延々と苛まれ続ける拷問に苦しんでいた。同じ悪夢の檻の中でジェイナの過去をまざまざと見せつけられ、どれほどの痛みを過去に味わってきたかを理解したキャスリンは、ジェイナとダエリンの間に何があったのかを深く理解した。「貴女はもう私の娘ではない」と言い放った過去の自分がどれほど深い傷をジェイナに与えたか悟ったキャスリンは、過去の自分の幻像を自らの手で打ち払いジェイナを抱きとめた。キャスリンの娘を想う気持ちはようやくジェイナへと届き、ジェイナは現世への帰還を果たす事が出来た。

タンドレッド・プラウドムーア

ジェイナの弟。ジェイナがクル・ティラスに戻るまで提督を務めていた。しかし嵐に巻き込まれて艦隊が行方不明になったとの報があり、それ以降長らく音信不通であったため死亡したものと思われていた。しかし実際には ロード・ストームソング(Lord Stormsong) 率いる タイドセージ(Tidesage) が意図的に引き起こした魔術の嵐に囚われていて、嵐の渦中で脱出の機会を探っていた。ジェイナが亡き父のペンダントに祈りを捧げると嵐をコントロールする魔術が解除され、ボラルスに帰還した。以後、ジェイナとの関係は良好で、アライアンスに協力して対ホード戦役の一翼を担っている。

デレック・プラウドムーア

ジェイナの兄。第二次大戦で戦没。しかしボラルス攻略を画策していたホードにより、海底から遺体を引き揚げられた上、シルヴァナスの蘇生魔法でアンデッドにされてしまった。本来ならばシルヴァナスの意のままに動く操り人形になるはずであり、プラウドムーア政権を混乱の渦中に陥れるはずだったのだが、シルヴァナスの卑劣な作戦に異を唱える ベイン・ブラッドフーフ(Baine Bloodhoof) の計らいにより、ジェイナのもとに身柄を引き渡される。以後、アーサスの姉である カリア・メネシル(Calia Menethil) に習い、アンデッドになってしまった自分の「生き方」を模索している。

スポイラームービー

ちなみに、ベインのこの裏切り行為がシルヴァナスに発覚し、ベインは囚われの身となってしまう。ベインが処刑されんとするその間際に、ジェイナは恩義に報いるために救出作戦に参加している。ベイン救出作戦では、目的を同じくするスロールと、アライアンスの牢獄から自力で脱獄したヴァロックも参戦。シルヴァナスの罠をかいくぐるために共闘する事になる。

スポイラームービー

第四次大戦が終幕を迎えた後、デレック は カリア と共に リリアン(Lilian) を訪ねた。「忘れ去られたもの」を意味する フォーセイクン は、組織の名付け親であり創設者であり頭目でもあったシルヴァナスからも忘れ去られてしまった。その境遇を不憫に思った カリア は、フォーセイクン を取りまとめる新たな指導者となるべく、かつての故郷 ローデロン にも程近い カルストン邸(Calston Estate) へと赴いた。スコージ という災厄に襲われ、かつて忠誠を誓った国王は アーサス 自身によって滅ぼされ、死の安らぎすらも奪われ、自我を取り戻したかと思えば シルヴァナス の旗印さえも失われた。拠り所を完全に失ってしまったアンデッドたちは、しかし元は無辜のローデロンの民であった。アーサスの姉として、あるいは不死者の先達として、故国ローデロンに戻る義務を感じた カリア は ジェイナ と クル・ティラス に別れを告げた。デレック は そんな カリア の新たな門出に同伴し、ローデロン へと旅立った。(アライアンスのキャラクターは ジェイナ と カリア の別れのシーンを見られる。ホードのキャラクターは ローデロン に到着した カリア と デレック が リリアン と会話するシーンを見られる。このシーンで リリアン は デレック に対して、自らが デレック の蘇生に関与して シルヴァナス の企みの片棒を担いでいた事を正直に打ち明けている。それに対して デレック は怒りを露わにしていたが、和解は出来た様子である。)

サイラス・クレストフォール

ジェイナの父ダエリンの近衛騎士を務めた男。第二次大戦と第三次大戦を経験している老練の兵士。ボラルスの現責任者。

アライアンスが初めてクル・ティラスに訪れた時、ジェイナとその同伴者であったプレイヤーキャラは即座に捕らえられ、監獄島 トール・ダゴール(Tol Dagor) に送られてしまう。しかしプレイヤーキャラを救出するために フリン・フェアウィンド(Flynn Fairwind) と テイリア(Taelia) を派遣し、監獄島のから脱出を手引きしたのはサイラスだった。また、プリシラは来航したアライアンスの軍勢を全て捕らえるように兵に命令しており、ゲンならびに ハルフォード(Halford) が率いる 第七師団(7th Legion) が ボラルスに到着した際には、ボラルス警備兵とアライアンスとの間で緊張が高まった。しかしプリシラの命令を無視してアライアンス一行を市長室に迎え入れるように指示したサイラスは、ジェイナに代わって責任者となったゲンにクル・ティラスが抱える問題を話した。

摂政をしているプリシラの周りではキナ臭い噂が後を絶たず、西のドラストヴァールでは魔女だ呪いだと不穏な話ばかりが飛び交い、北のストームソング・バレイから出向したクル・ティラスの主力艦隊が行方不明になったまま戻ってこない。裏切者のジェイナとその一派のアライアンスがクル・ティラスを戦争に巻き込みに来たのだと吹聴する輩もいるが、元々アライアンスが訪ねてくる前からクル・ティラスには問題が山積していた。アライアンスがクル・ティラスの海軍力をアテにしているのと同じように、クル・ティラスもアライアンスの力を必要としている。現状をそう説明したサイラスは、アライアンスに助力を求めた。以後、プレイヤーキャラはBfAではこれらの問題の解決に挑むことになる。

テイリア・フォードラゴン

第三次大戦の英雄として知られる ボルヴァー・フォードラゴン(Bolvar Fordragon) の愛娘。父の計らいで第三次大戦からは疎開させられ、サイラスのもとに送られていた。サイラスの右腕として様々な実務をこなし、アライアンス側では バージョン 8 BfA のストーリーの各所でプレイヤーキャラをサポートしてくれる非常に重要なポジションのキャラクター。しっかり者で面倒見がいい。フリンとは凸凹コンビ。

( 2021.10.23 追記:バージョン 9 シャドウランズ では、テイリア は 拉致されたジェイナ の身を案じて オリボス(Oribos) に赴いている。そこで救出作戦総司令官である ボルヴァー と親子の再会を果たした。また、ジェイナ が トーガスト から救出された後は、ジェイナ と共に オリボス 警護の任に当たっている。)

フリン・フェアウィンド

元海賊の何でも屋。サイラスに雇われており、荒事や厄介ごとの始末を補佐している。お調子者だが腕は立つ。また、そのスジの事に明るい情報通でもある。ジェイナの消息を辿る時に持ち前の知識とコネと行動力で大きく貢献した。テイリアと並んで バージョン 8 BfA ではアライアンス側プレイヤーキャラがお世話になる(或いはフリンをお世話する)事になる重要キャラの一人。アイランド・エクスペディションに用いられる舟艇ミッデンウェイク号の船長も務める。

プリシラ・アッシュベイン

ジェイナが不在の頃にキャスリンの摂政をしており、キャスリンから絶対的な信頼を得ていた。しかしアッシュベイン商事(Ashvane Trading Company) の首領という肩書が彼女の本性であり、ビジネスの拡大の為ならどんな汚い事にでも節操なく手を出す。海賊と癒着していた上、アゼライトを用いた兵器開発もキャスリンに無断で独自に行っていた。それを海賊に供与してボラルスを攻撃させ、海賊の撃退には海軍力の増強が必要であるとキャスリンに進言していた。全ては大提督という肩書を手に入れるための芝居であり、クル・ティラスの全権を握った暁には一体何を始めるつもりだったのか、彼女の野望の大きさは計り知れない。

前述のとおりプリシラのこの目論見は阻止され、プリシラは監獄島トール・ダゴールに収監される事となった。しかしホードのボラルス攻略戦の一環でプリシラはホードの手引きで脱獄しており、シルヴァナス本人に連れられてボラルスを後にする。その後、クイーン・アジャーラ(Queen Azshara) の隆盛の際にはナーガの軍門にくだり、ナーガにアゼライト製の武器を供与していた。

金と権力の為なら何でもやるような、絵に描いたような悪人である。

ルーシー・ウェイクレスト

クル・ティラスの西側の地域、ドラストヴァールを治めるウェイクレスト一族の現当主。しかしドラストヴァールの各所で魔女の呪いによる被害が相次ぎ、ルーシーは魔女ではないかと疑われて裁判にかけられていた。疑いを晴らす事に成功した彼女は、かつて対魔女専門の戦闘機関として存在していた オーダー オブ エンバーズ(Order of Embers) を再結成する事を決意。精鋭を集めて魔女事件の解決を図る。

メレディス・ウェイクレスト

ルーシーの母親であり、ウェイクレスト一族の前当主。病で夫を亡くし、悲嘆に暮れた彼女は禁断の呪法に手を出した。ドラストヴァールに古くから伝わる怨霊ゴラクトゥールと取引し、亡くなった夫を蘇らせようとした。それがドラストヴァールの各地で起こる魔女騒動の元凶であった。

メレディスは万事自分の思い通りになるよう裏で手引きしたがる性格をしており、ルーシーの婚約者がただの商人であることに不満を覚えた彼女は、暗殺者を雇って結婚式の当日に婚約者を殺害するという非常に強引な方法で成婚を阻止した過去がある。禁断の呪法で自らが魔女になった後は、夫を傀儡として蘇らせ、自身は魔女の王としてウェイクレスト邸に君臨している。

ブラザー・パイク

クル・ティラスの北の地、ストームソングバレイを治めるタイドセージの一人。独自の教義を持つタイドセージの中でも厳格に教えを守る敬虔な信徒。しかしタイドセージたちの中で邪法に手出しした者が現れ、問題を解決する機会を窺っていた。

ロード・ストームソング

ブラザー・パイクの師に当たる人物。邪法に手出しし、自分の影響力を駆使して独自の勢力を作っていた。彼は旧神の影響に囚われ、クイーン・アジャーラとその主たる ン=ゾス(N'Zoth) の下僕と化していた。)


ストームウィンド(Stormwind Kingdom)[]

ヴァリアン・リン 

アライアンスの主、アンドゥイン・リン(Anduin Wrynn) の父、そしてヒューマンに遺された最後の王国であるストームウィンドの王。

オークに剣闘士として扱われた過去を持つため、ジェイナの仲裁でスロールとの一時協定を結んだ際に全く信用していなかった。

臣下は強大なカリスマを持つ彼を支えつつも、その思い込みと極度の偏見による暴走をおさえきれず常に頭を悩ませている。

Patch 1.9.0までは髭面の男性で、Theramoreの北にあるAlcaz Islandに囚われていたが、Patch 1.9.1で一度消去された。拡張第3弾前後のアップデート時、サイドストーリーとして出版されたアメコミのキャラクターデザインであるイケメンな黒髪ポニーテール姿にリニューアルされた。なお、アメコミでは記憶を失いオークの剣闘士に身を落としてから、過去の記憶を取り戻しストームウィンドに凱旋するまでの出来事が描かれている。

(2020.03.03 追記:

バージョン 7 リージョン(Legion) の冒頭部分、第三次リージョン侵攻(Third invasion of the Burning Legion) にて、ブロークン ショア(Broken Shore) で戦死した。

スポイラームービー

ブロークン ショア(Broken Shore) を襲った悪魔の軍勢はあまりにも多勢で、対策部隊は苦戦に次ぐ苦戦を強いられていた。グルダン(Gul'dan) が待ち受ける サーゲラスの墓(Tomb of Sargeras) に至る道のりはあまりに長く険しく、道中では先行していた ティリオン(Tirion) が悪魔の手にかかり虐殺される様をまざまざと見せつけられる。多くの仲間たちが一人また一人と命を散らしていく中、ようやくティリオンの仇である悪魔を退け、いよいよグルダンを追い詰めたかに思えた。ヴァリアンは メカトルク(Mekkatorque) にガンシップを呼び寄せるよう要請。航空支援も用いて一気にカタを付ける準備をする。しかしグルダンはポータルを開いて無尽蔵に悪魔を呼び出し、アライアンス一行は逆に数の暴力に追い詰められる事となる。しかも崖の上から火力支援を担当し、グルダンを挟撃する手はずだったホードが撤退。増殖し続ける悪魔の数に圧倒され、アライアンスは撤退を余儀なくされた。呼び寄せたガンシップに生存者を乗せたヴァリアンは、断腸の思いでグルダンに背を向け退却を決断。もちろん、ヴァリアンの胸の内には「これではティリオンや他の散っていった仲間たちに顔向け出来ないと」いう葛藤があったであろうが、ヴァリアンは生還して形勢を立て直す事を優先した。

ところが。グルダンが呼び出した フェル リーヴァ―(Fel reaver) がアライアンスのガンシップ スカイブレーカー(Skybreaker) に掴みかかり、ガンシップはあわや墜落寸前の状態にまで陥った。大勢を乗せたガンシップが沈めば、形成の立て直しはおろか、多大なる犠牲を払ってようやく手にしたグルダンの戦力や戦術といった情報でさえ本国に持ち帰れなくなる。ヴァリアンはゲンに自らの遺志を託すと、果敢にも単身で フェル リーヴァ― に挑みかかり、剣で フェル リーヴァ― の頭蓋を突き刺した。この攻撃に怯んだ フェル リーヴァ― はガンシップから手を放し、ヴァリアンの決死の突撃はガンシップが絶体絶命の危機を脱する僅かなスキを作りだした。

フェル リーヴァ― は倒したヴァリアンだったが、悪魔の大群ばかりがひしめくサーゲラスの墓前にたった独りで取り残される事となった。それでも圧倒的不利をものともせずに果敢に独りで挑みかかるヴァリアンだったが、さすがに多勢に無勢だった。善戦していたヴァリアンだったが、やがて数の暴力に押され、背後から襲い掛かった悪魔の凶刃に貫かれる。数々の敵を屠り、数々の偉業を成し遂げてきたアライアンスの王の誇り高き刃 シャラメイン(Shalamayne) は、彼の手から零れ落ちた。

ヴァリアンの今わの際を見届けるため、自らが呼び出した軍勢の後ろに控えていたグルダンは、わざわざヴァリアンの目の前にまで歩み寄る。

「無意味に命を散らした王として、お主の名は後世に語り継がれるであろう…(You will be rememberd the king who sacrificed his life For Nothing...)」

まるでピンに刺された昆虫の標本を眺めるように愉快げに囁くグルダンの嘲笑に、それでもヴァリアンは気丈に応じた。

「無意味なものか…アライアンスのためだ…!(For the Aliance...!)」

万に一つの可能性すらも失い、刃すら持てなくなった満身創痍の体であっても、それでも戦う気力だけは最後の最期まで持ち続けたヴァリアン。その態度が癪に障ったグルダンは、自らの手でヴァリアンを葬った。グルダンの魔術でフェルエナジーを身体に撃ち込まれたヴァリアンは、無残にも爆発四散した。その凄惨たる最期をガンシップの上から見届けたゲンは、誰にも届く事のない悲しみの遠吠えを上げた。去り行くアライアンスの船をヴァリアンの剣 シャラメイン が静かに見届ける。しかし持ち主の命の炎が尽きた今、剣に宿った光さえも消え失せた。

スポイラームービー

余談だが、第三次リージョン侵攻の発生当初、アゼロスの未曽有の危機に対してアライアンスはホードとの共闘路線を図っていた。しかしアライアンス側が苦境に立たされた頃、時同じくしてホードも危機に陥っていた。一度は狙撃位置を確保したシルヴァナスだったが、グルダンが開いたポータルを通じてホード側の陣にも尋常ではない数の悪魔が襲い掛かっていた。数に押されてスロールが負傷。ホードの最高司令官 ヴォルジン(Vol'jin) も瀕死の重傷を負ってしまう。ヴォルジンの意志を受けてシルヴァナスは撤退を決断するが、これがアライアンスから見ればあたかもホードが裏切ったかのように見えてしまった。この些細な、しかし決定的な認識の差が、後に大きな禍根を残す事になった。また、この時の傷が祟り、ヴォルジンは他界。シルヴァナスが ウォーチーフ(War Chief) の任を継ぐ事になる。(ホード側のプレイヤーのみ、このシーンを見られる。)

ヴァリアン亡き後、王位を継いだアンドゥインはリージョンというアゼロス共通の敵に対抗するため、ホードとの共闘路線を維持する決断をした。しかしこれがジェイナの戦線離脱を招き、ゲンに至ってはアンドウィンの命令を完全に無視して独断でシルヴァナスに対する報復攻撃を敢行してしまう。このせいでアライアンスとホードの仲は決定的に悪化した。おそらくこれが原因でシルヴァナスは ウォー オブ ザ ソーン(War of the Thorns) を引き起こし、後に続く バトル フォー ローデロン(Battle for Lordaeron) へと発展する。

アンドゥイン・リン

ヴァリアンの息子。勇猛果敢で猪突猛進な父とは違って冷静沈着で博愛主義であり、父親とはまるで正反対の性格だと評される事もしばしば。父を亡くした後は王位を継承し、ストームウィンドの君主とアライアンスの総司令官という重責を背負っている。良くも悪くもホードに対して友好路線を取りがちで、重要な決断を迫られた際には慎重に構えるあまり腰が重くなりがち。そんな彼の態度がジェイナ、ゲン、ティランダなどから疎まれる事もあった。また、王位を継承して間もない頃は迷いも多く、亡き父の幻影に向かって決して答えの得られぬ問いかけをする事もしばしばであった。問題が山積した場合や、今までのロジックや経験が全く通用しない状況に直面した際には冷静さを欠いてしまう一面も見受けられる。宿敵であるシルヴァナスからは、そんな様子を揶揄されて「若獅子(Little Lion)」や「お子様王(Boy King)」などと蔑称されている。

バージョン 5 ミスト オブ パンダリア 時代には、単身でパンダリア中を旅して見分を広めていた。

この時はまだパンダリア大陸は「発見された」ばかりで、アライアンスもホードも新大陸の探索に我先にと乗り出していた。そんな矢先、未開の地で息子が消息を絶ったと聞いたヴァリアンは激昂し、何としても必ず無事に連れ帰るようにと諜報機関 SI:7 に厳命していた。ところが。船が難破したり、その後ホード側の捕虜になったりと、数々の苦難を経験した後でさえも、SI:7 のエージェントが苦難の末にやっとの思いで救出したにもかかわらず、アンドゥインは祖国に帰るようにという SI:7 エージェントならびに父からの勧告を完全に無視してパンダリアの探検を続けた。若かりし日にはこういった強情な面も見受けられたが、結果として彼の冒険がパンダリアの住民やホードからの信頼を獲得する事に大きく貢献したのも紛れもない事実である。白虎寺院(Temple of the White Tiger) では、四聖獣の一柱である シュエン(Xuen) の説得に成功し、アライアンスとホード双方がパンダリアに滞在する事の「正式な」許可を得ている。

(余談だが、この「正式な許可」を得る前から、アライアンスとホード双方が勝手にパンダリアに入植し、挙句に現地住民に強制労働をさせたり、子供を拉致してウォーロックの呪術の実験台にしていたりと散々な事をしでかしていた事を記しておく。パンダリアに宿営地を築いていたホード海軍はアライアンス空挺部隊の強襲により壊滅。ホードのガンシップはアライアンス駐屯軍との戦闘により墜落したが、パラシュート降下したホードの残存部隊によりアライアンス駐屯軍は掃討されている。これらの戦闘で多くの被害が出たため、パンダリア自警組織 シャドーパン(Shado-pan) の頭目である タラン(Taran) からは、アライアンスもホードも酷く嫌われていた。そのためタランはシュエンの決断に苦言を呈している。)

バージョン 7 リージョンでは、前述のとおり王位を継承している。

ブロークン ショア から兵たちが満身創痍で帰ってきた直後、突然もたらされた父の訃報にアンドゥインはただただ戸惑うばかりだった。特に父の形見であるコンパスが返還されてからは父の死をより一層意識するようになってしまい、食事も喉を通らず寝付く事すら叶わない状態が続いた。心配したヴェレン(Velen) とゲンは、アンドゥインを立ち直らせる方法を模索していた。

アンドウィンは今一度父の墓に参り、散策の道中で弱音を漏らした。父ヴァリアンはあまりに偉大な存在であり、自分では到底その背中に追いつく事は出来ないだろう事。そしてゲンやジェイナのような父の戦友たちは、自分を信頼してはくれないだろう事も。事実、ジェイナは戦線を離れ、ゲンに至っては命令を無視した独断行動を取っていた。二人の行動は言葉よりもよほど多くを語っていた。さらに、ヴェレンとゲンの会話を盗み聞きしていたアンドゥインは、「王たる者、兵に命じるならばその命令の重さを王自身の肝に銘じなければならんのだ。実際に戦場に立たぬ者には責任の重さは分かるまい」というゲンの苦言を耳にする。「王たる者、その王冠の重みを全身で受け止め、民の期待に応えねばならない」という父の言葉を思い出すアンドゥイン。これを契機に ブロークン ショア に自ら赴き、自らの目で確かめる決意をする。

ブロークン ショア に足を踏み入れたアンドゥインは、あまりの惨状に言葉をなくす。砕けた大地、跋扈する悪魔、草木も満足に残らないほど焼け爛れた地表、僅かに残った自然でさえも汚染され侵食されて今にも朽ち果てそうだった。何より、おびただしい数の骸。大地を覆い尽くす人骨、墓標のように突き立つ無数の剣、砕け散った盾や鎧の残骸。どれほど多くの命が戦って散っていったか、アンドゥインは他ならぬ自分の肌で感じた。そして自分に言い聞かせるように語り出す。

「リージョンとの戦いで命を落としたのは、なにも父が最初ではなかった…。祖父も、曾祖父も、アゼロスの平和を願ってその命を捧げた…。生前父は私にストームウィンドに残るように厳命していました。誰かがストームウィンドの政務をしなければならない――父の言い分は事実ですが…恐らく父は私を失いたくはなかったのでしょう…」

いまだ現世を彷徨う戦没者の魂に安息を与えると、いよいよ父が逝った災厄の地へと足を踏み入れるアンドゥイン。一足先に到着していたゲンには「何故こんな危ない真似を!」と咎められたが、アンドゥインは返事もそぞろに父の足跡を辿った。あの日の光景がアンドゥインの脳裏に舞い込んでくる。撤退するホード。今は動かぬ骸と化したフェルリーヴァ―の唸り声。そして背後から串刺しにされる父の痛み。アンドゥインはヴァリアンが辿った運命をなぞるように、思わずその場に膝をついた。

「父さん…(Father...)」

地面に降り積もった遺灰を払い除けると、ヴァリアンが最後の最期まで手放さなかった愛刀 シャラメイン(Shalamayne) が現れた。父の亡骸と同義のそれを、しかしアンドゥインは自ら手に取る事は出来なかった。悪魔との壮絶な戦いで無数の傷を負った刀身には、父によく似たアンドゥインの目元が映り込んだ。

「こんな...この世の終わりのような場所でさえも、貴方は最後の最期まで降伏しなかった…(You never surrendered... Even here, the very end...)」

アンドゥインが見上げたその先には、まさにこの世の終わりの象徴のような大悪魔の墳墓が天を突き刺す邪悪な槍のように高く高く聳え立っていた。

「私には出来ません…私は貴方ほどの英雄にはなれません…貴方ほどの王にはなれません…(I can not do this, father... I can't be the hero you were... I can't be the king you were...)」

ティリオンやボルヴァー、そして父の犠牲によって自分は守られていたに過ぎない。そう強く強く自覚したアンドゥインは、父が背負っていたものを受け継ぐという事がどのような意味を持つのか深く理解し、その重圧に畏怖した。自ら剣を握り、自ら先陣を切って戦った父。その意志の象徴たる刃を、自分は持つ資格があるのか。責任の重さに苦しむアンドゥインに、ゲンは静かに声をかける。

「父君の行為はまさに英雄的だった(Your father's actions were indeed heroic)」

ゲンは厳かにアンドゥインの前に跪いた。

「これは我々、アライアンスの民に託された試練であり――そして彼からの、ある種の挑戦状だ(They were his challenge to us, his people)」

刀身を優しく撫でて遺灰を取り除いたゲンは、アライアンス王の剣を恭しく取り上げる。

「たとえこのような地獄の門の前であっても、恐怖に支配される事がないように…(To never let fear prevail... Even, at the very gates of hell...)」

戴冠式のように丁重に差し出された父の形見を受け取るアンドゥインは、見上げたゲンの姿に重ねるように、光の中で亡き父を幻視する。しかしアンドゥインは父の視線から思わず目を背けた。「私は今、何をすべきなのでしょうか…?(What do I supposed to do now...?)」アンドゥインのそんな弱弱しい問いかけに対し、ヴァリアンは息子の肩に手をやって諭す。

「王として、やらねばならない事をしろ(What the King must do)」

父のその言葉を受け、目を閉じて熟考するアンドゥイン。その目が再び見開かれた時、そこには父と同じ意志の光が宿っていた。ヴァリアンが戦死した時に失われていた剣の輝きも再び灯り、ここに真の王位継承が為された。

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そして バーニング リージョン を退けた時、アンドゥインは父の墓前で演説を行い、悪魔の脅威が完全に消え去った事を宣言した。しかしそれは、同時にアゼライトを巡る新たな戦いの幕開けでもあった。

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バージョン 8 BfA では、冒頭の バトル フォー ローデロン では自ら先陣を切って戦った。苦戦を強いられた際に彼が放った「共に立ち上がれ! アライアンスの為に!(Stand as one! For the alliance!)」という鬨の声は多くのプレイヤーの記憶に残る名言として知られている。

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しかし戦いの舞台がクル・ティラスとザンダラに移った後は、ストームウィンド城に戻って政務をこなしている。とはいえ、重要な局面では前線に赴く事もしばしばで、前線部隊の首脳会談等ではボラルスに停泊中の7thリージョンの駆逐艦 ウィンド リデンプション や プラウドムーア城での会合に出席している。

穏健派の彼は ベイン・ブラッドフーフ が処刑されそうになった際、「兄を救ってくれた恩義に報いたい」というジェイナの申し出に許可を出し、救出作戦を ジェイナ と SI:7 指揮官の ショー(Shaw) に任せている。「ベインの生還はこの戦争を平和的に終わらせるためには必要不可欠」と判断した結果であり、少し時代が前後するが、実際ベインが救出されてホード最高責任者に就任してからは、彼とは良好な関係を保っている。

半面、ウォー オブ ザ ソーン の報復のため、ホードに占領された ダークショア(Darkshore) の奪還作戦の決行を求めた ティランダ(Tyrande) には待ったをかけている。戦火が クル・ティラス、ザンダラだけでなく アラシ高原(Arathi Highlands) にまで及んでいる戦況下で、無暗に戦闘区域を広げれば補給線に支障が出るとティランダには説明している。しかしティランダはアンドゥインの制止を振り切って独断でダークショアを強襲してしまう。結果、これが バトル フォー ダークショア(Battle for Darkshore) に発展する。

(余談だが、ティランダが消息を絶った直後、ゲンがティランダの支援を申し出ている。「我々が故国ギルニーアスを喪った際、ナイトエルフには随分と世話になった。今度は我々ギルニーアスの民が彼らに報いる番だ。私自身はクル・ティラスの戦線を離れるわけにはいかないが、我が陣営の精鋭をティランダにつける事は許可してほしい」というゲンの采配には許可を出している。そのため バトル フォー ダークショア には ゲン の娘である テス・グレイメイン(Tess Graymane ) や ローナ・クロウリー(Lorna Crowley)、豊穣のセレスティン(Celestine of the Harvest)、アイヴァー・ブラッドファング(Ivar Bloodfang) など、ギルニーアス出身の面々が参加している。)

ジェイナ 一行が ナージャター から戻った時、ほぼ間を置かずして シルヴァナス の謀反が起こった。彼女の計略がことごとく身内の裏切りによって失敗していたため、シルヴァナス は最早ホードを信用しなくなっていたのだった。

事の発端は バトル フォー ローデロン、延いてはその原因となった ウォー オブ ザ ソーン にまで遡る。ホードの精神的指導者である ヴァロック・サウルファング(Varok Saurfang) は、シルヴァナス が ダーナサス を焼き討ちにした事を全く良しとしていなかった。こんな事をすればアライアンスは必ず報復に乗り出すだろうという彼の予測どおり、バトル フォー ローデロン ではアライアンスの主力部隊が大挙してアンダーシティを攻めた。

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シルヴァナス があらかじめこれを予見していたかは定かではないが、少なくとも シルヴァナス には毒ガスという必殺兵器があった。しかもこの時点で既に最新鋭のアゼライトを用いた戦車を開発しており、実戦でどの程度有効か検証する必要もあったのだろう。戦車が開発者の思惑通りに動けば一騎当千の戦力になるはずだし、仮に試作機が上手く機能しなかったとしても毒ガスの有効性はこれまでの戦果で実証されていた。そのため仮に大規模な城攻めに遭ったとしても、相手が地上部隊だけならば戦力差をものともせずに毒ガスで如何様にも対処できるとシルヴァナスが目算していた可能性は高い。実際、味方を犠牲にしつつ毒ガスの散布を始めた直後から、ホードの劣勢は見る間に覆った。もしもジェイナの援護がなければ、アライアンス攻城部隊はあの場で壊滅し、獅子の戦旗は決定的な敗北を喫し壊走を余儀なくされていただろう。

とはいえ。ジェイナの登場によりシルヴァナスの目算の一つは崩れた。味方を犠牲にしてまで敷いた毒ガスの防衛ラインはジェイナの凍結魔法により無力化され、挙句に艦砲射撃で城壁を突破されたため、シルヴァナスの防衛戦略は大きく狂った。ヴァロック は シルヴァナス に対して「こんな誇りの欠片もないような戦いがウォーチーフのする事なのか?」と苦言を呈したが、対してシルヴァナスは「あなたは死に対して幻想を抱きすぎているわ、サウルファング。そして死を甘く見ている。実際に死を潜り抜けた私の方がよほど死に親しい。名誉の戦死は誰の命も助けはしない。逆にたとえ不名誉であろうと敵を道連れにすれば、それだけ助かる味方は増えるのよ。けれど、あなたがもしも戦士の誇りとやらに命を捧げたいというのなら、どうぞご自由に。あなたが望む劇的な死を迎えた後で、あなたの死体をわたしが有効活用してあげるわ。あの世で先に逝った息子さんに会えるといいわね」と至って冷酷な返事を返していた。ヴァロックはこれを聞いて単独でアライアンスの軍勢に挑む決心をした。本来ならばヴァロックはここで討ち死にするはずだったであろう。そしておそらくシルヴァナスは自分で述べた事をそのまま実行し、実際にヴァロックの骸を操り人形にしてホードという軍団を意のままに動かしたに違いない。(上記の会話はホード側のキャラクターのみ見る事ができる。また、この時点でベインも既に「お前はサウルファングを見殺しにして何とも思わないのか!」とシルヴァナスに罵声を浴びせていた。対して シルヴァナス は「一緒に死にたければご自由にどうぞ? 自分で決めなさい」とまたしても冷酷な返事をしている。ベイン はこの場では生きて ヴァロック の志を継ぐ決断をしたが、後にシルヴァナス が デレック の死体を使った工作をする段階で シルヴァナス の意思を完全に裏切る行動に出ている。裏切りの兆候は既にこの頃からあったため、シルヴァナスにとっては彼らのような不穏分子は戦死してくれた方がむしろコントロールしやすくなるため好都合だったのであろう。)

スポイラームービー

ところが。実際には アンドゥイン は ヴァロック を殺さず捕虜にする決断をした。これはおそらく シルヴァナス にとって第二の大きな誤算だったのであろう。バトル フォー ローデロン が終結した直後に シルヴァナス が ヴァロック奪還作戦を発令している事からも、彼女の隠された焦りを窺い知ることが出来る。ホード内に数多くの熱烈な「信者」を持つカリスマ的存在が自ら捕虜になり、敵のコントロール下にある事は シルヴァナス にとって非常に大きな脅威となった。事実、後に ヴァロック こそが シルヴァナス がホードを離れる直接的原因となる。しかし奪還作戦が失敗に終わった事でシルヴァナスの計画はまたしても変更を余儀なくされた。ゲン や ティランダ からはしばしば「甘い」と評される アンドゥイン の采配は、しかし本人が全く意図しない場所で幸運にもシルヴァナスの隠された計略を間接的に、そして完膚なきまでに潰していた。アンドゥイン の人道を主眼に置いた戦略は、シルヴァナス の戦果のみを第一に考える合理的な戦術と否応なしに比較された。しかも ヴァロック が シルヴァナスのもとから去ったため、シルヴァナスのあらゆる戦術行動からは結果として「ホードのために!(For the Horde!)」という大義名分が失われていたのだった。いかに合理的であろうと卑怯な戦い方を良しとしない ヴァロック の姿勢は、シルヴァナスを最高責任者とするホード内部に大きな亀裂を産んでいたのだった。

タランジ王女とズールの脱獄騒動の後、アンドゥイン は敢えて自らの意思で牢獄に残った ヴァロック と語り合った。

「ローデロンでは私の命を奪うチャンスがいくらでもあったはず。そうすればこの戦争を終わらせる事さえ出来たかもしれないというのに。何故殺さなかったのですか?」

そう問いかけながら、わざわざ牢に入ってきて、挙句に二人きりの状況を作りだしたアンドゥインに対し、ヴァロックは苛立たしげに「今なら簡単に殺せるぞ」と答えた。屈強なオークの、それも幾多もの戦場をくぐり抜けてきた本物の強者と、相対するのは貧弱なヒューマンの箱入りの王子様。二人が本気で戦えば、たとえヴァロックが非武装とはいえ、勝敗は火を見るよりも明らかだった。ヴァロック の返事には「貴様、自分の立場を本当に分かっているのか? それとも自殺願望でもあるのか?」という言外のニュアンスが含まれていたのであろう。

しかしアンドゥインは「貴方は誇り高き戦士だと信じていましたから、捕虜にしました。私の見立ては間違っているのでしょうか?」という先手を打つような言い回しで返した。機先を制されたように黙り込む ヴァロック だったが、しかし「貴方はこれ以上無辜の民が傷つく事を望むのですか? あなたの軍の、ホードの兵が」という アンドゥイン の次の言葉には途端に激昂した。

「俺は全てをホードに捧げてきた! ホードの為に血を流し、ホードの為に殺した! だがシルヴァナスがその全てをぶち壊にしている! 全てをだ!」

アンドゥインに詰め寄ったヴァロックは、アンドゥインの代わりに物言わぬ牢獄の壁を殴りつけた。しかし巨漢の拳を受けた地下牢の壁は、あまりの衝撃に悲鳴を上げて砂埃を舞い上がらせた。この一撃がまともにアンドゥインの顔面を捕らえていたなら、彼の頭蓋は熟れた果実のように易々と飛散しただろう。

「俺が望むのは、俺が知ってるかつてのホードが戻ってくる事、ただそれだけだ」

荒い息を吐き出した ヴァロック は、アンドゥイン に付き合うのはもう沢山だと言わんばかりに背を向けた。どんな苦境に立たされても決して燃え尽きる事が無かった戦意でさえももう枯れ果てたと言わんばかりのその背中は、先ほどの剣幕とは打って変わって随分と小さく見えた。しかしアンドゥインはその傷付きくたびれた背中にさらに問いかけた。

「何故私の命を助けたのか、聞かせていただけますか?」

その穏やかな、しかし頑なな態度。言外に「このとおり今も殺せたのに殺さなかった。何故ですか?」と念押しのようにアンドゥインが詰め寄ってきているのは明らかだった。ヴァロック は観念したようについに本音を漏らした。

「お前になら…彼女を止められると…そう思ったのだ…」

幾多もの死線を乗り越え、幾多もの屍を築き、しかし彼自身も幾多もの血を流し、同時に幾多もの命を救いもしたホードの真の英雄 ヴァロック は、アンドゥインを縋るような眼で見ていた。ガロッシュの蛮勇を制し、不死者の軍団を相手に巧みな戦術で生き延び、多くの仲間の窮地を救い、多くの味方から絶大な信頼を集めるホードの精神的指導者 ヴァロック・サウルファング。そんな彼が敵の総大将に、しかもつい最近王位を世襲したばかりの若造に、身内の不始末の尻拭いを願うのは、確かにあまりにも惨めだった。

しかしそんなヴァロックの切実な願いに対して、アンドゥインは悲しくも「…出来ません」という返事を返した。別れの言葉にしてはあまりにもそっけない、そしてヴァロックが辿った経歴と、それをふいにしてまで恥を忍んで願った故国を想う一途な想いに対してはあまりにも残酷な一言だけを残して、アンドゥインは踵を返した。

しかし、アンドゥインが牢を出る時に、彼は一言加えた。

「独りでは、出来ません(Not alone)」と。

そして去り際に、アンドゥインは牢の扉を閉めなかった。それはあたかも、ヴァロックに外に出る事を促すような仕草だった。

スポイラームービー

この後、ヴァロックはストームウィンドの牢を抜け出し、単身で東の果てまで逃避行をしている。シルヴァナスのスパイがこの情報をいち早く察知し、ヴァロックの追跡を開始。ホード側のキャラクターはシルヴァナスの命令でこの山狩りに参加する事となる。ホード側のキャラクターのみこのイベントに立ち会える。しかしシルヴァナスの腹心はあくまでも「ヴァロックを殺して死体を持ち帰る」事を目的としていたため、ヴァロック追跡隊の面々とは ヴァロック 本人を見つけた段階で敵対する事となった。デレック の身柄引き渡しの時点で既に ベイン に協力していたプレイヤーキャラは、ヴァロック本人と出会ってからは当然のようにヴァロックに味方した。そしてシルヴァナスの腹心を一人残らず始末すると、ヴァロック本人からは「俺を見つけて捕らえようとしたが逃げられてしまった。反撃されて自分は気絶してしまった。他の仲間たちはみんな殺された」とでも言い訳しておけ、と言われ、ヴァロックから死なない程度の一撃をもらって帰還する事となる。シルヴァナスは捕物の失敗の理由を問い質したが、プレイヤーキャラの言い訳は最初から信用していないようだった。

そしてこの逃避行の後、ヴァロック は スロール(Thrall) と再会する。第三次リージョン侵攻の後、スロール はホードを離れていたが、ヴァロックと再会した事で戦線に復帰する事を決意した。

スポイラームービー

この後 ヴァロック と スロール は ジェイナ や ショー と共に ベイン救出作戦で共闘し、ベインを奪還する事に成功する。

スポイラームービー

ベインを救出した後にテレポートで去っていくジェイナに対し、ヴァロックはこう声をかけている。

「王に、「貴方は独りではない」と伝えてくれ(Tell your king... He is not alone)」

これを聞いたジェイナは頷いてテレポート呪文を完遂させ、アライアンス領に戻っていった。ヴァロックの言葉は明らかに、牢を抜け出す際にアンドゥインが口にした「独りでは、出来ません(Not alone)」という言葉に対する返答だった。

ベイン救出作戦の成功、そして アジャーラ を倒して ナージャター から帰還してから間もなくして、相次ぐ裏切りに対する報復措置として シルヴァナス は トーレン の首都である サンダーブラフ(Thunder Bluff) を攻撃した。この「味方に対する攻撃」はホードの分裂を決定づけた。ホードは親シルヴァナス派と反シルヴァナス派に二分され、親シルヴァナス派は シルヴァナス の意に背く者全てを陣営を問わず攻撃した。またオーグリマーを乗っ取って多くの一般人を人質にして立てこもった。反シルヴァナス派はアライアンスと共闘してシルヴァナスの治世を終わらせるための共同軍事作戦を展開した。この作戦にはアライアンスとホードの名だたる勇士たちが結集し、アンドゥインも総責任者として立ち会った。

スポイラームービー

そして緊張状態が極限まで高まり、いよいよ戦端が開かれるかというところで、ヴァロック は シルヴァナス に対して一対一の決闘を申し込んだ。もしも本格的に戦争が始まれば、ホード同士での殺し合いが発生するのみならず、多くの非戦闘員までもが戦いに巻き込まれて命を落とすだろう。これを良しとしなかったヴァロックは果敢にも シルヴァナス に戦いを挑んだ。アンドゥイン は ヴァロック に同伴し、父の形見である剣を彼に託した。そして彼をこの勝ち目のない戦いへと誘った者の責務として、その最期を見届けた。

スポイラームービー

ヴァロック は決闘で敗北し命を落としたが、シルヴァナスはこの直後にホードを見限って行方をくらませる。結果として彼の死はオーグリマーを無血開城させ、味方同士の不毛な争いを回避させた。

彼の死後、アンドゥインはヴァロックの葬儀にアライアンス代表者として参列し弔辞を述べた。

スポイラームービー

その後、アジャーラ が敗退してから沈黙を決め込んでいた ン=ゾス が本格的な活動を始める。アライアンス対ホードという絶対的な対立構造が崩れ、世界は一見すると平和になったかのように思えた。しかし旧神の見えざる侵略は着実に進んでいたのだった。SI:7 を総動員して情報収集に当たっていた アンドゥイン だったが、ン=ゾス について何の手掛かりもつかめない事に対して ショー を叱責した。彼にしては珍しい態度だった。

そこに マグニ(Magni) が新たな情報提供者を連れて現れる。その情報提供者とは、人の姿を借りて現れた ラシオン(Wrathion) だった。彼の本性はブラックドラゴンであり、祖父には「世界の破壊者(World Breaker)」として恐れられる デスウィング(Deathwing) を持つ。

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バージョン8.3 では、アンドゥイン は ラシオン を専門家として認め、マグニと共に ン=ゾス に対する対策を任せた。そして ン=ゾス を打ち破る事に成功した。

バージョン 9 シャドウランズでは、物語冒頭部にて父の墓参りをしている最中に ジェイラー こと ゾヴァール(Zovaal) の手先によって拉致されている。

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拉致されたアンドゥインが最初に監禁された場所は モー(Maw) だった。落ちた者は二度と出られぬ地獄と称される場所だったが、そのような苛烈な場所にプレイヤーキャラ一行は果敢に挑みかかり、救出作戦を敢行した。モー から脱出するおそらく唯一の方法である ウェイストーン(Waystone) を発見したプレイヤーキャラ一行。ウェイストーンがプレイヤーキャラ本人に反応している事を悟ったアンドゥインらは、自分たちが犠牲になってでも何としてもプレイヤーキャラを生還させようと身を挺して時間を稼いだ。その甲斐あってプレイヤーキャラは モー を脱して オリボス(Oribos) へと辿り着いたが、代償としてアンドゥインらは再び囚われの身となってしまった。

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その後、プレイヤーキャラ一行により、幾度となく救出作戦が実行された。しかし、アンドゥイン 共々誘拐されていた ジェイナ、スロール、ベイン の3名は無事救出に成功したものの、アンドゥインだけはどうしても救出が叶わなかった。囚われの身となった アンドゥイン は幾度となく シルヴァナス と会話し、彼女から「諦めてその身をゾヴァールに捧げなさい。さもなくば、あなたの意志に関係なく、あなたはゾヴァールの操り人形にされるわ」と説得を受けていた。頑なに服従を拒んだ アンドゥイン は、しかし次第に シルヴァナス の真意に気付き始める。一思いに殺して自分を操り人形にしてしまえばいいのに、何故そうしないのか。そこにはシルヴァナスがリッチキングの下僕に成り果てる前の、彼女の生前の記憶が大きく関与しているのではないか、と。

ジェイラー と シルヴァナス は アンドゥイン の事を「我々の計画に必要な兵器に仕立て上げる」と言って身柄を丁重に扱っていた。しかし アンドゥイン が父 ヴァリアン から受け継いだ愛刀 シャラメイン(Shalamayne) が ジェイラー の手によって ルーンブレイド に再鍛され、魔剣 キングスモーン(Kingsmourne) へと姿を変えた事により状況が変わる。「我々の計画に加担しなさい。さもなくば無理矢理加担させる」という シルヴァナス の宣言どおり、アンドゥインは ジェイラー の手によって事実上の「4代目リッチキング」に仕立て上げられてしまった。最早ジェイラーの操り人形と化してしまった アンドゥイン は、しかしその事実を秘匿したまま バスティオン(Bastion) の エリシアン ホールド(Elysian Hold) を訪れ、キリアン(Kyrian) の指導者である アルコン(Archon) に面会する。プレイヤーキャラの多大なる貢献で定命の者を信頼していた アルコン は、代表者であり王であるという アンドゥイン の身分から謁見を許すが、アンドゥイン は アルコン の御前に通されるなり、ジェイラーの傀儡という本性を現して アルコン に襲い掛かった。その様は魔剣 フロストモーン(Frostmourne) の力で二代目リッチキングとなってしまった アーサス・メネシル(Arthas Menethil) が、父テレナスをその手にかけた時の様子と瓜二つだった。

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この襲撃により アルコン は深手を負ったが一命は取り留めた。しかし「盟約者の証(Covenant Sigil)」という強大な力を秘めた印は アンドゥイン に奪われてしまった。ジェイラー の手先となってしまった アンドゥイン は、その後も度々盟約者の証を狙って方々に出没しては強襲をかけ、盟約者の証を強奪している。5つの盟約者の証のうち4つが ジェイラー の手に渡り、ジェイラー がシャドウランズの監督者 アービター(Arbiter) を強襲した時、警護についていた誰もが最早 アンドゥイン と ジェイラー を止める事が出来なくなっていた。ジェイラー が圧倒的な力を行使して 最後の証を アービター から奪い去ると、ジェイラー は失っていた力を取り戻し真の姿を現した。誰もがその比類なき力にただただ平伏するより他なかった状況で、唯一 ジェイラー に歯向かったのは、なんと シルヴァナス であった。「我々はもう必要なものを手に入れた、計画を次の段階へ進めるべきだ」と主張したシルヴァナスの言葉を無視し、ジェイラー は取り戻した力を弄んで愉悦に浸っていた。全能にも迫る究極の力を誇示して万人に服従を迫る ジェイラー の態度に仇敵 リッチキング こと アーサス の影を見た シルヴァナス は、反旗を翻して決意の一矢を ジェイラー に向けて放った。

しかし全盛期の力を取り戻した ジェイラー に取っては シルヴァナス の必殺の一矢も赤子の遊技同然であった。シルヴァナス の矢を難なく掴み取り握り潰したジェイラーは、貴様は最早用済みだと言わんばかりに シルヴァナス を切り捨てた。ジェイラーは亜空間からクリスタルを取り出して砕くと、その中に封じてあった シルヴァナス の魂の片鱗を本人へと返した。このショックでシルヴァナスは気を失って倒れてしまう。

手にした比類なき力を見せつけた ジェイラー は、しかし裏切者である シルヴァナス も含め、あらゆる敵対者に「慈悲である」と告げて攻撃を行わなかった。その圧倒的な力でポータルを開いた ジェイラー は、アンドゥイン を伴って姿を消した。その際、アンドゥイン は父の形見であるコンパスを落としていった。

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アンドゥイン が故意にコンパスを落としていった事を見抜いた ジェイナ は、コンパスに秘められた魔術を解析して、アンドゥイン が残したメッセージを聞いた。そこには ジェイラー の精神支配を受けた状態では アンドゥイン はただの操り人形に過ぎない事、自分の意志で出来る行動など何一つとしてなさそうな事、その虚無に全身を支配されるような感覚は得も言われぬ恐怖であり、そしてリッチキングの支配を受けていた頃の シルヴァナス がどのような気持ちだったのかをようやく理解したとの旨が記されていた。シルヴァナスとの会話を記録したその映像は、今となっては シルヴァナス が敵対者ではない事を明確に示していた。

しかし、魂の片鱗を取り戻して昏睡状態に陥った シルヴァナス の扱いについて、代表者らの間で意見が分かれた。自らも シルヴァナス と同様に リッチキング の凶刃に斃れ ジェイラー の傀儡にされていた ウーサー が、彼女の看護を担当し、その魂に触れた。文字通り魂を真っ二つに引き裂かれた シルヴァナス の中では、かつて故国 シルバームーン を守る為に リッチキング と戦ったレンジャー部隊指揮官としての在りし日の シルヴァナス が、バンシークイーン と化してしまった自分が仕出かした重すぎる罪に何度も何度も繰り返し苛まれていた。もとは同郷の民である ナイトエルフ を虐殺し、ダーナサス を焼き討ちにした重すぎる戦災の爪痕は、シルバームーン防衛隊指揮官としてのシルヴァナスには重すぎる罪だった。そんなシルヴァナスの心の内の葛藤を言葉でしか聞いていない ベイン や ジェイナ は、シルヴァナスを回復させて目覚めさせる事に大いに難色を示した。第四次大戦の最中に故郷のクル・ティラスを攻撃された ジェイナ や、裏切者として処刑されそうになった ベイン が シルヴァナス を快く思わないのは当然の成り行きと言えた。

しかし、シルヴァナス が ジェイラー の計画の全容を知っている唯一の人物である事実は揺るぎなく、ジェイラー を止める事が出来なければ シャドウランズ のみならず全宇宙の運命さえ揺るがす事になりかねない危機的状況であると ボルヴァー が面々を説得した。運命や痛みを共にする ウーサー が シルヴァナス との交渉役を買って出て、シルヴァナス の心の内の葛藤を解消しようと試みた。そして ウーサー の説得が功を奏し、シルヴァナスは目を覚ました。

シルヴァナスによると、ジェイラー の最終目的は「宇宙を創り給うた神々」である ファーストワン(First Ones) の遺産を用いて、宇宙を根本から作り変えてしまう事だという。ジェイラー は厳重に守られた「神の遺産」を強奪するために ゼレス モーティス(Zereth Mortis) の中核にある セプレカー(Sepulcher) を強襲しており、アンドゥインもそこに同行しているとの事だった。ジェイラーの計画を阻止するには アンドゥイン の存在が鍵になる、助け出せればまだチャンスがあると説明する シルヴァナス だったが、「あなたこそ アンドゥイン をあんな目に遭わせた張本人のくせに、どの口でそんな事を言うの!」と ジェイナ は激しい剣幕で詰め寄った。しかしここは自分に免じて シルヴァナス を信じてやってほしいと説得した ウーサー の言葉で ジェイナ は矛を収め、共にアンドゥイン救出作戦を実行する事になった。そして シルヴァナス、ウーサー、ジェイナ の活躍により、アンドゥイン はついに ジェイラー の支配から解き放たれた。モーンブレイドから発せられる強力なジェイラーのエネルギーに常に晒され続けており、これにより強力な精神支配を受けていた アンドゥイン だったが、父 ヴァリアン と戦友 サウルファング の魂の助太刀により、モーンブレイドの呪いを解いてシャラメインの真の姿を取り戻す事に成功した。

シャラメインが真の姿を取り戻した時、刀身に憑りついていた呪いの正体が アーサス の魂である事が判明した。シルヴァナス、ウーサー、ジェイナの三者に対し、それぞれ違う形で忘れ得ぬ傷跡を残した アーサス だったが、その魂の残滓もこの件を経てようやく消えて散った。

スポイラームービー

そして長い長い戦いの末、ジェイラーは打ち破られ、 シャドウランズ に平和が戻った。

スポイラームービー

長きにわたる戦いの後、在りし日の平穏を取り戻したオリボスにて シルヴァナス に対する裁判が行われる運びとなった。シルヴァナス が ジェイラー の騒動を治めた功労者の一人である事は明白であり、そもそも シルヴァナス がバンシーと化してしまった原因を遡れば リッチキング の動乱にまで行き着く。本人が望まずに引き起こした災禍は大きかったが、しかし シルヴァナス は自らの為した事を ジェイラー に責任転嫁する事はせず、判決を受け容れる覚悟を告げた。そして判事に ティランダ を指名した。指名を受けた ティランダ は シルヴァナス を即座に斬首刑に処すかと思いきや、魂の片割れを取り戻した シルヴァナス が最早かつて自分が討ち取ると誓った怪物と同一人物ではない事を悟ると、判決としてモー への幽閉と、自らが殺し貶めてしまった魂を救済する労役への従事を言い渡した。

スポイラームービー

第四次大戦から、或いはさらに遡ることリッチキング戦役たる第三次大戦から、連綿と続いてきた長きにわたる戦いが、「あの世」ともいうべき シャドウランズ にてようやくの決着を見た。しかし、ジェイラー の呪縛から完全に自由になった アンドゥイン だったが、シャドウランズにまで駆け付けた ゲン に対し、ストームウィンド 国王に復権する事は少なくともしばらくは出来ないとの胸中の想いを告げた。ジェイラー に操られていたとはいえ、自分が仕出かした事に自責の念を覚える アンドゥイン は、今の状態では国王は務まらないと語った。自らの留守中の執務に関しては テュラリオン(Turalyon) に任せ、今は自分の心に整理をつけたいという アンドゥイン の申し出を受諾した ゲン は、回復に必要なだけ時間をかけてくれと アンドゥイン を激励した。

二つの大戦を経て数え切れない犠牲者を出した戦いが、ここでようやく幕引きとなった。)

ボルヴァー・フォードラゴン卿

拡張第3弾までの間、国王不在のストームウィンドを代理で統治していた摂政。拡張第3弾ではAlliance軍の指揮官としてインスタンス「ラースゲートの戦い(Battle of Angrathar the Wrathgate) 」に登場する。

ジェイナとスロールのはからいで合流したホードと共同戦線をはり リッチキング(Lich King) に挑むが、フォーセイクン(Forsaken) の裏切り(実際にはForsaken内部の造反)で両軍伝染病ウイルスに感染し全滅。皮肉にも、この伝染病ウイルスはプレイヤー達冒険者がUndead陣営のクエストで関わった「バイオ兵器」研究から開発されたものであった。

いまわの際にドラゴン達の飛来を見て彼が残した言葉は、「終わりだ…我々にはもう、逃げ道はない」。 果たしてそれは自分たちの最後を悲観してか、あるいはAllyとHordeの関係悪化の先にある悲劇か…。

スポイラームービー

ストームウィンド王ヴァリアン・リンの戦友・そして長年の友人(二つ名は「ストームウィンドの二大バーバリアン」)であったボルヴァー公爵の死と事件の真相が両軍正確に伝わらなかった事で、Hordeへの不信感を抱えていたWrynnの怒りは頂点に達し、Jainaの諌言に聞く耳も持たずHordeの殲滅を宣言してしまう(3.1パッチ「Ulduar」トレーラーを見よ)。

Varian: Wrath GateでHordeの「協力」とやらはScourgeよりも多く我々の仲間を殺した。
Varian: Hordeとの関係は終わりだ
Varian: 死神の前に皆、死に絶えるが良い!

(2020.05.04 追記:

その後、ティリオン(Tirion) とプレイヤーキャラ一行が苦難の末に リッチキング を倒す事に成功する。ティリオン の活躍により 魔剣フロストモーン(Frostmourne) が破壊され、フロストモーン に魂を囚われていた アーサス(Arthas) は、皮肉にも死ぬ間際になって自我を取り戻した。長らく リッチキング として終わらぬ十字軍を繰り返していた アーサス だったが、自らが手にかけた父 テレナス(Terenas) の導きによって、ようやく永久の眠りにつく事が出来た。

しかし テレナス は去り際に一つ重大な「預言」を残していった。たとえフロストモーン が破壊されたとしても、リッチキング の兜が残っている限り、或いはたとえ兜という象徴が破壊出来たとしても、誰かが リッチキング の役目を背負わない限り、この世界の誰もが次の新たなる リッチキング になり得ると。力に溺れぬ強き心を持った者だけが、不死者の災厄を広めぬようにコントロール出来る。これを聞いた ティリオン は、一度は次のリッチキングになる事を決意する。

しかし。ティリオン がまさに リッチキング の責務をその双肩に背負わんとしたところで、ラースゲートの戦い で戦死したと思われていた ボルヴァー は 凍てつく玉座(Frozen Throne ) から ティリオン を呼び止めた。フォーセイクン の疫病と、アレクストラーザ(Alexstraza) の命の炎を同時に浴びた ボルヴァー は、アンデッドとはまた違った形の「死ねない体」になっていた。ボルヴァーは「自分こそが次のリッチキングに相応しい」とティリオンを説得し、リッチキングの兜を被り「三代目リッチキング」となった。かつてはアライアンスの英雄として活躍した ボルヴァー は、戦役で溶岩の魔人のような体になってしまった。その彼の身体を今度は凍てつく血が流れていき、かつての彼の声色は不死者の王のものへと変貌していく。彼が完全にリッチキングとなり果てる前に、ボルヴァーは「俺の事は忘れろ。ここを離れろ。そして二度と戻ってくるな」と ティリオン に厳命している。

スポイラームービー

そして時が流れ、バージョン 7 リージョン時代。フロストデスナイトのプレイヤーキャラが強力なアーティファクトを求めて 凍てつく玉座 を訪れた際、リッチキング となった ボルヴァー はプレイヤーキャラに対して城の主として幾度か声をかけている。プレイヤーキャラが ブレード オブ ザ フォールン プリンス(Blades of the Fallen Prince) を手にした後は「用事が済んだならとっとと帰れ」と警告している。(ちなみに、ブレード オブ ザ フォールン プリンス は「フロストモーンの生まれ変わり」とも言うべきアーティファクトで、強力な力を秘めていた。しかし バージョン 7 のエピローグで サーゲラス が 惑星アゼロス に「置き土産」を残していった際に、星の傷を癒すためにその力を使い果たして機能停止している。)

さらに時は流れ、バージョン 8 のエピローグ。謀反を起こして ヴァロック を殺害した シルヴァナス は ホード から去っていた。彼女が訪れた先は意外な事に凍てつく玉座であり、彼女は世界を席巻するほどの力を秘めた リッチキング を信じられない事に単身で下してしまう。シルヴァナス は ボルヴァー から リッチキング の象徴でもあり力の源でもある兜を剥ぎ取ると、真っ二つに引き裂いて破壊してしまった。その直後、凍てつく玉座の真上には異世界に通じる巨大なポータルが現れた。これが「シャドウランズ(Shadowlands)」と呼ばれる「死後の世界」であった。

スポイラームービー

バージョン9シャドウランズでは、一貫してプレイヤーキャラ一行をサポートする案内役となっている。シルヴァナスに敗れた雪辱を果たすため、また死者の軍団の長としての責務を果たすため、要所要所で最前線で戦闘指揮を執っている。

バージョン9冒頭部分では 凍てつく玉座 で開催された首脳会談の司会を務め、破壊されたリッチキングの兜を触媒にしてシャドウランズへと通じるポータルを完成させた。そしてプレイヤーキャラ率いる拉致被害者奪還チームをアゼロス側から見送った。

程なくしてプレイヤーキャラが モー(Maw) からの脱出を果たし、オリボス(Oribos) へと到着すると、ボルヴァーも後を追ってプレイヤーキャラに合流した。ボルヴァーはその後 オリボス に逗留する事となり、アゼロスとシャドウランズを結ぶポータルを形成して生者であっても「死後の世界」であるシャドウランズに足を踏み入れる事を可能にするなど、オリボスを管理する アテンダント(Attendant) たちとの交渉役を担うようになった。

バージョン9.1 では、秘められた財宝の眠る地 コーティア(Korthia) が モー の盟主 ジェイラー(Jailer) に発見されてしまう。コーティアにはジェイラーが求める何らかの財宝が眠っている可能性が高いようで、ジェイラーは探索部隊を差し向けて執拗に捜索していた。プレイヤーキャラ一行は ジェイラー の目論見を阻止しつつ、囚われの身である アンドゥイン を解放する手掛かりを探すため、コーティアで遺跡の探索と並行して遺物の回収と保護に協力する事になった。ボルヴァー は コーティア に駐留するようになり、最前線で防衛任務の指揮を執っている。)

  • Nielas Aran

ニーラス・アラン  

メディブの父、ストームウィンドの相談役、優れた魔術師 。

エグウィンより息子メディブを預かるが、メディブが14歳の時に両親から引き継いだ強烈な魔力とそれを狙って体内に潜んでいたサーゲラスの精神の葛藤により強烈な魔力の放射が起きる。メディブは父を求め彷徨い、この魔力の放射を抑えるのにニーラスと100人の僧侶達が魔力を集結しなければならなかった。  

メディブは数年に渡る昏睡状態に陥り、ニーラスは事切れていた。


  • Aedelas Blackmoore

エイドリアス・ブラックムーア

ストームウインド王国の軍人。

スロールを剣奴そしてAlly Orc軍の礎として「養子」に迎えたが「殺戮」「服従」以外の感情を与えようとはしなかった。


ローデロン(Lorderon Kingdom)[]

(2020.05.02 追記:

アーサス メネシル

ローデロン王子。シルバーハンド騎士団(Knights of the Silver Hand) 名誉騎士。そしてアライアンス 第一師団(1st Legion) 団長という大役を背負った若き勇者。本来ならばローデロン王国を継ぐはずだった王族だったが、魔剣 フロストモーン(Frostmourn) を引き抜いて リッチキング(Lich King) と化してしまった彼は、皮肉にも人間だった頃に愛してやまなかった故国を滅ぼす直接的原因になってしまった。

不死者の軍団 スコージ(Scourge) の隆盛により故国ローデロンが危機に瀕した際、アーサス は ジェイナ(Jaina) や ウーサー(Uther) と共にこの危機の調査に乗り出した。疫病の原因が分からぬまま、村々が醜悪なアンデッドの巣窟と化していく様をまざまざと見せつけられた アーサス は、人々を救えなかったという悔恨の念を募らせていき、次第に心を病んでいってしまう。

疫病の原因は ネクロマンサー ケルスザード(Kel'Thuzad) が穀物に疫病を混ぜ込んで拡散した事だった。感染した穀物を摂取した人々は不死者に変えられ、感染者を拠点に被害地域や被害者が自動拡散していく。そのためバイオテロは最も効率的な攻撃方法の一つと言えた。アーサス は ケルスザード を仕留める事には成功したが、しかし疫病に感染した穀物は既に拡散されており、穀物を摂取していた ストラトホルム(Stratholm) の住人はもう手の施しようがなかった。

アーサスは ドレッドロード マルガニス(Mal'Ganis) に出会い、全ては マルガニス の計画の内であったと本人から聞かされた。数日後には町中が不死者で溢れ返ると宣告された アーサス は、罪なき人々が醜悪な悪魔の手先となって隣人や愛する家族を襲う悪夢を座視するか、それとも自らの手で彼らを殺める事で疫病の拡散を食い止めるかという究極の選択を迫られた。そして アーサス は ストラトホルム の住民にまだ人間の尊厳が残っているうちに葬ってやる事を決意。そして住民の虐殺が行われた。この事件に心を痛めた ジェイナ と ウーサー は アーサス のもとから離れてしまう。また、この事件がきっかけで アーサス は マルガニス 打倒に妄執する事となる。全ては マルガニス の策の内だった。

この後、アーサス は 第一師団 を率いて マルガニス の待つ北の大地 ノースレンド(Northrend) にまで海を渡って遠征した。ノースレンド に到着した アーサス は、偶然にもかつての師である ムラディン ブロンズビアード(Muradin Bronzebeard) に再会した。ムラディンは強力なルーンブレード フロストモーン を探しており、これを探し当てることが不死者の疫病の解決になると目算していた。アーサス は フロストモーン が マルガニス 捜索への手がかりになるだろうと考え、以後 ムラディン と行動を共にする。

しばらくの後、父 テレナス(Terenas) や ウーサー から帰還要請の報が舞い込んだ。アーサス の心理状態を慮った ウーサー の采配だったが、既に マルガニス の殺害しか眼中になかった アーサス は 第一師団 の撤退を非情な手段で阻止した。駐屯地から兵站を抱えて移動する足の鈍い 第一師団 に先回りして、現地住民の傭兵を雇った アーサス は、なんと第一師団 の船艇を焼き討ちにさせた。第一師団が到着するなり、アーサスは傭兵を裏切って濡れ衣を着せた。船艇の焼失に激昂した第一師団によって傭兵の旅団は攻撃され、即座に全滅した。アーサスは マルガニス を倒す以外に帰国する方法は無いと宣誓した。この時点で既にアーサスの心は救いようがないほど復讐心で淀んでいた。

この後、アーサス は ムラディン と共に氷の台座に安置された フロストモーン を発見する。ムラディン はすぐに フロストモーン が呪われている事を悟り アーサス に警告するが、アーサスは「故国を救う為ならば、いかな呪いであっても喜んでこの身に受けようぞ」と忠告を無視して剣を引き抜いてしまう。アーサス が引き抜いた途端に氷の台座は砕け散り、破片が ムラディン の頭を直撃した。アーサス は ムラディン が死んでしまったものと勘違いして、亡骸を放置してフロストモーンを持ち帰った。しかし ムラディン はアーサスが去った後で息を吹き返し、記憶障害を患いつつも祠を去った。

フロストモーン を手にした アーサス は マルガニス の居城を突き止め、念願の復讐を果たした。アーサス が フロストモーン を引き抜くところまでは マルガニス が描いたシナリオどおりであり、本来ならば フロストモーン を引き抜いた瞬間に アーサス は精神支配を受け マルガニス のしもべとなるはずだった。だが一つだけ誤算があった。フロストモーンにあらかじめ封じられていた「先代の」リッチキングである ネルズール(Ner'zhul) は、自らの肉体と魂を引き裂いてルーンブレードに幽閉した憎き悪魔に復讐する機会を窺っていたのだった。そしてアーサスがフロストモーンを引き抜いた時、ネルズールは魂だけの状態であるにもかかわらず、マルガニス 精神支配を跳ね除けて、アーサスがただの操り人形と化すのを阻止していた。慢心したマルガニスは自分の描いたシナリオの完遂に酔っている最中、自らの采配でアーサスの手中に収まったフロストモーンで体を貫かれ、その魂をフロストモーンに喰われて散った。

この劇的な勝利を手に、アーサスは英雄として祖国ローデロンに凱旋した。だが、父テレナスの前に跪き帰還報告をしたアーサスからは、並ならぬ邪悪なオーラが溢れ出た。アーサスの心は既にフロストモーンの闇に喰われていたのだった。アーサスはフロストモーンを召喚しその手に握ると、父テレナスの胸に刃を突き立てた。それは勝利の喚起に沸いた王国が絶望の底へと叩き落された瞬間でもあり、同時にメネシルの血が身内の謀反によって途絶えた瞬間でもあった。

こうしてローデロンは滅び、リッチキングの脅威が世界を席巻する事となる。

バージョン3 WoLK 時代では、アンデッド の軍団 スコージ(Scourge) を率いる リッチキング として アゼロス に住まう人類の大半を苦しめた。「リッチキングの戦い」と称されるこの戦役で、アーサスは ウーサー(Uther) と シルヴァナス(Sylvanas) を手にかけている。

フロストモーンで貫かれ息絶えたはずの シルヴァナス は、しかしリッチキングの采配により バンシー クイーン として蘇生させられてしまい、スコージ の尖兵として戦わされた。しかし リッチキング の精神支配が弱まったスキに自我を取り戻したシルヴァナスは、同じくリッチキングの支配から自由になったアンデッドたちを引き連れて「フォーセイクン(Forsaken)」という軍団を結成し、ローデロン の地下を占拠して アンダーシティ(Undercity) と改名し、本拠地とした。そして ホード と同盟を結んで リッチキング に対し反旗を翻した。

(余談だが、毒ガス攻撃を中心とする シルヴァナス の冷徹かつ残虐な無差別大量破壊戦術は ホード 側にも多大な被害をもたらす事がままあったが、しかし敵を殲滅するという目的に於いては一定以上の戦績を残していたため、シルヴァナス は ホード 内に一定の地位を築く事になった。時代は前後するが、後の世で シルヴァナス は リッチキング 本人にも勝るとも劣らない脅威として君臨し、ホードを二分する内戦を引き起こす事になるのだが、リッチキングの脅威を排除するために世界中の力を結集していたこの頃は誰も未来の顛末など知る由もなかった。)

同じく バージョン3 WoLK 時代、デスナイト のプレイヤーキャラは戦没した後で リッチキング により甦らされ精神支配を受けており、スコージ の尖兵としてアライアンス・ホード両陣営を攻撃していた。しかし ティリオン(Tirion) と ダリオン(Darion) の活躍により自我を取り戻した デスナイト のプレイヤーキャラは、フォーセイクン と同じく リッチキング に対して敵対する組織 ナイツ オブ エボンブレード(Knights of the Ebon Blade) を結成する事になる。

そして生き残った人類は アージェント クルセイド(Argent Crusade) を結成し、アライアンス 対 ホード という対立の枠を踏み越えて アゼロス の脅威となる共通の敵を撃破するという目標を掲げた。ナイツ オブ エボンブレード はこれに賛同し、アライアンス と ホード に所属するプレイヤーキャラもこれに参戦。多くの組織の活躍によりリッチキングはついに打倒された。


時は流れ、バージョン9 SL 時代。アーサス に 殺害され魂となって バスティオン(Bastion) に招致された ウーサー は、死してもなお アーサス に対する悔恨を忘れられずにいた。ウーサー を見出しバスティオンに連れてきた デヴォス(Devos) は、ウーサー の胸に残る傷跡から彼の記憶を読み取り、フロストモーン が モー(Maw) の技術で鍛造された事を知った。何人たりとも モー から抜け出すことなど出来ないとされていた定説が覆り、実際に モー の脅威があろうことか現世で猛威を振るっている事実を知った デヴォス は、すぐさま キリアン(Kyrian) の 最高指導者(Archon) である キレスティア(Kyrestia) に報告した。しかし我々のやり方が間違っているのではないかと疑問を呈し警鐘を鳴らす デヴォス の意見に対し、 キレスティア はまるで聞く耳を持たないどころか デヴォス を解任してしまった。 キレスティア の態度に酷く失望し憎悪した デヴォス は、ウーサー を連れて アーサス の没後に彼の魂を拉致しにいった。そして魂を裁定する裁判官である アービター(Arbiter) の判定手続きを省略して アーサス の魂を有無を言わさず モー に叩き落してしまった。

[ スポイラームービー ]

アーサス の魂を回収した ジェイラー(Jailer) こと ゾヴァール(Zovaal) は、アンドゥイン が父 ヴァリアン から受け継いだ剣 シャラメイン に組み入れ、魔剣 キングスモーン(Kingsmourn) へと鍛え直してしまった。これにより ゾヴァール の精神支配を受けた アンドゥイン は、かつての アーサス と瓜二つの凶悪な デスナイト となってしまい、数々の凶行に及んだ。

[ スポイラームービー ]

数々の尽力の果てについに アンドゥイン を ジェイラー の精神支配から解放する事に成功した時、キングスモーン に封じられていた アーサス の魂は、かつて自らが手にかけた ウーサー と シルヴァナス の眼前でようやく塵と消えた。アーサス の苦難は時代を超えてようやく終わりを迎えた。

[ スポイラームービー ])

ウーサー・ライトブリンガー

ローデロン1のパラディンにしてアーサスの養育係。

WoWの世界から5年前、Warcarft IIIにおいてLorderon王国(現Plaguelands)の城塞都市ストラトホルムの粛清の現場に立ち会うもののアーサスの暴挙(彼は彼なりにスコージ化しようとする民の「人としての尊厳」を守る為の行動であったが、説明足らずで周囲に誤解されるケースが多いのはWarcraft世界の常である)を止められず「貴様は私にとってすでに「坊や(聡明だった頃の王子そして仕えるべき主)」ではない」と言い捨て帰国してしまう。

その後Death Knightとなったアーサスと再会。せめて師である己の手で引導を渡そうと刃を交えるも、彼の鉄槌がアーサスの魂に届く事はなかった。

(2021.10.02 追記:

バージョン9SL時代では、「死後の世界」である シャドウランズ(Shadowlands) の バスティオン(Bastion) にて キリアン(Kyrian) として登場し、ストーリー上重要な役目を担う。

キリアンは基本的に魂の世界で修行を積み、生前の記憶を放棄して罪や穢れから自由になって魂を浄化する事で昇天する事を目的としている。しかし中には生前の記憶をどうしても忘れられない者たちもおり、彼らは フォースウォーン(Forsworn) と呼ばれている。フォースウォーンは魂の浄化の儀式に失敗し脱落した者たちであり、青い肌や白い翼を持つ普通のキリアンとは異なり、肌も翼も黒く染まってしまっている。

ウーサーの魂はキリアンの デヴォス(Devos) に見出され、バスティオンに招致された。しかし、「自分がアーサスの言葉にしっかりと耳を傾けなかったせいでアーサスをリッチキングにしてしまった」と後悔するウーサーは、罪の意識から逃れる事が出来なかった。ウーサーの様子を見たデヴォスは「何もかも忘れ去る事が本当に良い事なのだろうか?」と、キリアンの浄化の儀式、特に記憶の抹消に対して疑問を抱くようになる。やがてデヴォスのこの考えはキリアンの指導者 アルコン(Archon) との決定的な対立を生んでしまい、キリアン対フォースウォーンの内戦へと発展してしまう。

[ スポイラームービー ]

しかし ジェイラー(Jailer) の計略によりアルコンが深手を負い、力の源である印象が奪われてしまった。ジェイラーという強大な敵に立ち向かうために内戦を終結させ団結する必要が生じた事で、ウーサーはフォースウォーン代表とも言える立場になり、キリアンとフォースウォーンの懸け橋となった。ウーサーの働きにより、アルコンは記憶の消却という浄化の儀式の在り方を見直し、フォースウォーンの在り方もキリアンの在り方の一つであると認めた。かつて一つであったキリアンが二つに分かれて争った内戦は終結し、白と黒の翼はシャドウランズを守るために共に戦う事を宣誓した。)

ティリオン・フォードリング卿 

Argent Crusadeを指揮するパラディン。

かつてはローデロンにおける シルバーハンド騎士団(Knights of Silver Hands) の発足メンバーの1人で、現在は リッチキング(Lich King) と スコージ(Scourge) に対抗するための複合組織である アージェント クルセイド(Argent Crusade) と The Ashen Verdict の最高司令官を務める。アージェント クルセイド の発足と彼の携える聖剣 アッシュブリンガー(Ashbringer) については デスナイト(Death Knight)(プレイヤー)の初期クエストラインで描写されている。

(2020.03.04 追記:

バージョン 3 WoLK 時代には、前述のとおり デスナイト のプレイヤーキャラを リッチキング の精神支配から解放して正気に戻す手伝いをしている。デスナイト のキャラクターは、このイベントの後でそれぞれの陣営の首都へと赴き、指導者に謁見して正式にアライアンスないしホードに加わる事となる。(この時には住民から罵声を浴びせられたり卵を投げつけられたりと酷い扱いを受けるが、リッチキングの尖兵として ローデロン の大地を荒らしまわった過去があるため無理もないと言える。)

その後長らく対スコージ戦役を指揮していた ティリオン は、アージェント クルセイド を率いてリッチキングの居城を攻める。そしてついに 凍てつく玉座(Frozen Throne) に君臨する「現リッチキング」であるアーサスと相対し、この戦闘で魔剣フロストモーンを破壊した。これによってフロストモーンに閉ざされていたアーサス自身の魂も、そしてアーサスの父テレナスの魂も自由になった。アーサスの長い長い十字軍は、ここでようやく終わりを迎えた。

スポイラームービー

アーサスはようやく永久の眠りについたが、しかしテレナスは去り際に一つ重大な「預言」を残していった。たとえフロストモーンが破壊されたとしても、リッチキングの兜が残っている限り、或いはたとえ兜という象徴が破壊出来たとしても、誰かがリッチキングの役目を背負わない限り、この世界の誰もが次の新たなるリッチキングになり得ると。力に溺れぬ強き心を持った者だけが、不死者の災厄を広めぬようにコントロール出来る。これを聞いた ティリオン は、一度は次のリッチキングになる事を決意する。しかし ラースゲートの戦い(Battle of Angrathar the Wrathgate) で戦死したと思われていた ボルヴァー(Bolvar) がティリオンを止める。フォーセイクンの 新たなバイオ兵器 と、アレクストラーザ(Alexstraza) の命の炎を同時に浴びた ボルヴァー は、アンデッドとはまた違った形の「死ねない体」になっていた。ボルヴァーは「自分こそが次のリッチキングに相応しい」とティリオンを説得し、リッチキングの兜を被り「三代目リッチキング」となった。

そして時が流れ、バージョン 7 リージョンのプロローグ。第三次リージョン侵攻の際に、ヴァリアンに少し先んずる形で悪魔の手にかかかって戦死している。)

Famous NPC[]

  • Old Man Heming

ヘミング老人

現在はBooty Bayに所属する、元 Grand fising trainer。

かつてはExpert Fishing - The Bass and You(Expert 教本)を販売していたが、Patch 3.1のシステム変更に伴い弟子のMyizz LuckycatchにTrainerの道を譲り釣り道具販売に専念している。

モデルは言わずと知れたアーネスト・ヘミングウェイ(The Bass and Youも「老人と海」のパロディである)。


Dwarf[]

ドワーフ。ファンタジーでおなじみ、小柄で筋肉質、そして大の酒好き。
Ally陣営ではもっともHuman(=Stormwind王国)との絆が深く、武具の開発からグリフォンの提供まで協力を惜しまない。
Warcraftの世界ではEarthen(アーセン人・岩から生まれたもの)と呼ばれ、Bronze Beard・Wildhammer・Dark Ironの
三氏族が確認されている。

Bronzbeard Clan[]

ブロンズベアード族。
プレイヤーが操作できるドワーフは基本、Bronze Beard族に属するものとなる。
山岳地帯に住み、雪に溶け込む純白の肌とその名が示す通り赤銅色の毛髪と鼻毛…失礼、ヒゲがが特徴。

Ironforge入り口にある「両手にハンマーを掲げた巨大像」は、彼の生前の姿を都市の守護神として鋳造したものである。



  • IconSmall Magni Magni Bronzebeard - 現在Ironforgeを支配するBronzbeard Clanの王。
  • IconSmall Muradin Muradin Bronzebeard (Yorg Stormheartとしても知られる) - Magniの弟で、the Explorer's Leagueの創始者の一人。Frostborn(Frost Dwarf)の王。
  • IconSmall Brann Brann Bronzebeard - Magniの一番下の弟。冒険家。


  • Dwarf female Moira Bronzebeard - Ironforgeの姫。Dagran Thaurissanの子を宿したままDark Iron Clanに囚われている。


  • Dwarf male Thargas Anvilmar - Varian Wrynnと共に戦ったMagniの部下。(Graphic novelsにて登場)
  • Dwarf male Baelgun Flamebeard - Doorwardの監視人、 元Muradin遠征隊の副官。


Wildhammer Clan[]

ヒンターランド Hinterlandを主なテリトリーとする中立勢力。
グリフォンの扱いは三氏族中最も長けており、Warcraft IIIではAlly勢としては貴重な航空兵ユニットとして活躍していた。

現在ハイエルフ(WoWではブラッドエルフ)以外との交流は殆ど行っていないためRepを上げる事は出来ないが、
ヒンターランドの国境沿いにある山地を経由するルートをグリフォンで飛行すると見えるグリフォン飛行基地など
天空の覇者としての勢力に衰えを感じさせない。
  • Kurdran of Wildhammer 

ワイルドハマーのカードラン

Warcraft II拡張 Beyond the Darkportalよりヒーローユニットのひとつとして登場。

愛馬(グリフォン)Sky'reeを駆るその姿は空の支配者として今日まで讃えられている(例えばWoW公式サウンドトラック第一弾のアートカバーを飾っている)。


Dark Iron Clan[]

鉄(くろがね)色の肌に紅の頭髪がトレードマークの氏族。
ドワーフ族首長の座を争う「三鎚戦争」をおこしたものの、敗北。
時の指導者ThaurissanとMudgud夫妻はOld GodS 古き神の眷属Fire Elementalの長・ラグナロス Ragnaros召喚に
形勢逆転のチャンスを賭けたものの、ラグナロスの強大な力を制御できず逆にその隷属として支配されてしまう。

現在WoWの世界に存在するダークアイアン族の大半はスコージ同様の自我なきラグナロスの手駒として襲いかかってくるが、
(Brew Festに「サケヨコセ サケ ノマセロ」と乗り込んでくるのはドワーフの本能によるものか??)
自我を取り戻した「Thorium Brotherhood」たちは自立と共存の道を模索している。 

Dagran ThaurissanはWar of the Three Hammers時におけるSorcerer-thane Thaurissanとその妻Modgudの末裔で、現在のDark Iron Clanの支配者である。

とはいえ、全てのDark Iron Dwarvesと同じく、Fire Load Ragnarosの支配下に置かれている。Dagran Thaurissanは先祖が統治していた場所ではなく、Blackrock Mountainの深遠、主人であるRagnarosの支配域Molten Coreの入り口付近にてDark Iron Clanを統治している。


彼は魔力によりMagni Bronzbeardの娘、Moira Bronzbeardを誘惑し子を身篭らせた。いまだ生れぬその子供はBronzbeard ClanとDark Iron Clan 両クランの正当な後継者たる血筋となる。


Gnome[]

ノーム。それは最後のストレンジャー。
ゴブリンとならびファンタジー世界・WoWの常識をことごとく覆す、脅威の種族である。

-首都奪還に伴いキャラクリエイト画面もGnomereganに変更される。
-またIronforgeと共有していたRep(尊敬度)も、ドワーフ・ノーム別々にあげなくてはならなくなった。

(公式設定翻訳中につき、少々お待ち下さい)
  • High Tinker Gelbin Mekkatorque

ゲルビン・メッカトルク 王様。"High Tinker"の称号が示すとおり卓越したエンジニアでもある。

Famous NPC[]

  • McGoyver

 マックガイバー

 ノースレンド・Valgarde の飛行艇dockで整備作業を行っている、<Pro>の称号を持つ漢。

 彼の手にかかればたとえそこらの石ころと棒切れからでもゴ○ゴ13を倒す秘密兵器を造り出せることだろう。

 元ネタはもちろんアメリカTVドラマ「冒険野郎マクガイバー」。最近Aチームに続いて映画化の話が出ているらしい。  


Night Elf[]

  • Fandral Staghelm

ファンドラル・スタグヘルム

  • Mulfurion Stormrage

マルフュリオン・ストームレイジ

ナイトエルフたちの言葉で"Shan'do"(誉れ高き師)と尊称される。


  • Illidan Stormrage

イリダン・ストームレイジ

 魔法に魅了されてしまったナイトエルフの一人。推定二万歳。ドルイド・マスター マルフュリオン・ストームレイジは双子の兄。  インスタンスBlack Templeでメイーヴと冒険者達により倒された…筈である(同じインスタンスで死亡したケイルサス王子がSun Well Isleで復活?しているため)。


  • Tyrande Whisperwind

ティランデ・ウィスパーウィンド


  • Maiev Shadowsong(Warden)

メイーヴ・シャドウソング イリダンの牢の監視を受け持った若きワーデン。

第三次大戦の際、イリダンの力を必要としたティランデによりイリダンは脱走、 面目と部下を失ったメイーヴは復讐を誓い執拗にイリダンを追跡する。 ついにはアウトランドへ逃げ込んだイリダンを捕らえるが、遅れてアウトランドに到着したナーガとブラッドエルフによってイリダンを奪還され、自身も囚われの身となる(ドラエナイのAkamaが看守に付いていた)。


Draenei[]

かつてはEredarという古代魔法種族であったが魔力に魅せられたものの中からバーニング・リージョンが生まれる事を
恐れ異次元を放浪する道を選んだ。一時はオーク達の故郷である異世界(現在のOutland)で共存していた事もある。

が、バーニング・リージョンの尖兵と化したオーク達の攻撃により異世界は崩壊、と同時に安易なDark Portalの
開放がOutland崩壊のみならずあらゆる次元世界・なにより同胞たちに変質と歪みが生じる現状を憂い、多元世界
Azerothへ片道切符でわたったもの…the Exiled Ones「失われた者たち」が現在我々の知る「ドラエナイ」である。

聖なるもの・光の象徴であり具現体でもあるNaaruを信奉する。
Dark Portalからもたらされた瘴気と魔力に汚染されたAzeroshの世界に耐性がないものの中には、姿形ばかりか
知性まで魔の闇に落ちる「先祖返り」が出てきている。
  • Akama

アカマ アウトランドに住むドラエネイのリーダー。種族の保護を条件にイリダンに付き従うが、自身を含め戦乱に種族を巻き込む彼の行動に絶望し冒険者達に語りかけてくる。かつてはドラエネイを束ねるものとしてふさわしい風貌を備えていたが妻はBurning Regionの尖兵として操られていたOrcに殺され、一族を守るための戦乱と狂気・魔力汚染に先祖返りを起こし妖怪のような姿に変わり果てた。

なお彼の過去と往年の姿は公式アップデートBlack Templeのトレーラーで確認できる。

 http://www.youtube.com/watch?v=WKFkUi7ceQM

( 2020.05.03 追記:

ウォーゲン (Worgen)[]

( 種族のページにも記してありますが、ウォーゲン は正確には「種族」ではありません。約9300年前の「サテュールの戦い(War of the Satyr)」の際、ナイト エルフ(Night Elf) のドルイド(Druid) の ララー ファングファイア(Ralaar Fangfire) 率いる 群のドルイド(Druids of the Pack) は 巨狼ゴルドリン(Goldrinn) の力を借りて パック フォーム(Pack form) に変身して戦いました。しかし パック フォーム に変身した者は ゴルドリン の 野獣の怒り(Feral Rage) の影響を受け正気を失ってしまうという厄介な副作用があり、マルフュリオン ストームレイジ(Malfurion Stormrage) はかつて パック フォーム に変身した際に怒りに飲み込まれて師である セナリウス(Cenarius) を攻撃してしまった経験がありました。サテュール(Satyr) と戦う祭に パックフォーム は非常に有効に機能したにも関わらず、マルフュリオン は自らの苦い経験を踏まえて パック フォーム の使用を禁じました。ララー は パック フォーム 中でも正気を保っていられる稀有な「才能」の持ち主で、野獣の怒り を制御するコツなら伝授できると訴えましたが、マルフュリオン はまるで聞く耳を持ちませんでした。ララー の戦友 アーベル(Arvell) は マルフュリオン の布告に従って パック フォーム を封印した状態で戦ったため戦死し、ララー と アーベル の妻 ベリスラ スターブリーズ(Belysra Starbreeze) は マルフュリオン を敵視しました。二人はこれ以上戦争の犠牲者を増やさないように ゴルドリン の牙と エルーン(Elune) の杖を材料に エルーンの大鎌(Scythe of Erune) を作り上げ、大鎌の力で味方を パック フォーム に変身させました。しかし ゴルドリン の力に エルーン の力が加わった事で パックフォーム は想定外の変化を遂げ、動物と人の中間の ウォーゲン の姿になりました。ウォーゲン になった者たちは正気を失う副作用を強く受け、サテュール も エルフ も見境なく襲い始めました。ベリスラ は自らの過ちを認めて大鎌を マルフュリオン に差し出し、マルフュリオン は大鎌を使って ウォーゲン たちを エメラルド ドリーム(Emerald Dream) に幽閉しました。事態が収束し戦争も終結した後、大鎌は メルサンドリス スターソング(Mel'Thandris Starsong) の手により密かに封印されました。

ウォーゲンの呪い(Worgen Curse) は前述のとおり ゴルドリン の力と エルーン の力が混ざった結果生じた突然変異のようなもので、元来の パック フォーム とは異なる性質を持ちます。変身中に咬んだ エルフ と ヒューマン(Human) を ウォーゲン に変えてしまうという「伝染する」性質は パック フォーム にはなさそうです。ウォーゲン とは厳密には「ウォーゲンの呪いに感染した者」を指し、「感染前のもとの種族」は エルフ か ヒューマン のどちらかという事になります。エルフ でも ヒューマン でもない生物には呪いは感染しないようです。

時が流れ 第三次大戦(Third War) が勃発した折、ヒューマン の王国の一つである ギルニーアス(Gilneas) は他の北方諸国と同様に アンデッド(Undead) の軍団 スコージ(Scourge) の侵攻を受けました。これに対抗するため ギルニーアス国王 ゲン グレイメイン(Genn Greymane) の命を受けた 大魔導士アルガル(Arugal) は、エメラルドドリーム から ウォーゲン を召喚し野に放ちました。召喚された ララー たち ウォーゲン は サテュールの戦い の時と同様に 対スコージ戦 で素晴らしい戦果を挙げました。しかし アンデッド を撃退すると ギルニーアス の住民をも襲い始めたため、アルガル は自らの行いを悔いて ウォーゲン たちを引き連れて シャドウファング砦(Shadowfang Keep) に閉じこもりました。後に ララー 率いる ウォーゲン たち ウルフ カルト(Wolf Cult) は ギルニーアス へと攻め入り、国内を大混乱に陥れる事になります。

この項では ララー たち 群のドルイド ではなく、ギルニーアス の ウォーゲン たちの事を記します。プレイアブルキャラクターの ウォーゲン も ギルニーアス 出身で、種族固有のイントロクエストでは ギルニーアス で起きた ウォーゲンの呪い の大流行と故国喪失を経験できます。ギルニーアス の民は元々ヒューマンであり、呪いによって人狼の姿になりました。国王の ゲン を含む大多数の ギルニーアス の民は呪いに感染しましたが、少数ですが呪いに感染しなかった者もいます。本稿ではあくまでも「ギルニーアス国民」というくくりでまとめるため、呪いに感染せず人狼にはならなかった ギルニーアス の民についても触れます。)

ゲン・グレイメイン

ギルニーアス(Gilneas) の王。ウォーゲンの指導者。リアム王子(Liam) と テス(Tess) の父親。妻は ミア(Mia)。故国 ギルニーアス が喪われてからは アライアンス(Alliance) 陣営に加わり、バージョン 7 Legion 時代までは ヴァリアン リン(Varian Wrynn) と共闘し数々の苦難を潜り抜けた。ヴァリアン 亡き後は息子の アンドゥイン リン(Anduin Wrynn) のアドバイザーとなり、アンドゥイン が苦手とする部分を補う役目を果たしている。バージョン 8 BfA では 第七師団(7th Legion) と行動を共にし、クル ティラス(Kul Tiras) の ボラルス(Boralus) に駐留している。前線で対 ホード(Horde) 戦役の指揮を執っており、その勇猛さはアライアンスを奮い立たせる強力な旗印となっている。半面、おそらくホードからは相当な恨みを買っている人物でもあるだろう。

ギルニーアス 陥落ならびに リアム の戦死が理由で、ゲン は ホード、特に シルヴァナス ウィンドランナー(Sylvanas Windrunner) に対して並ならぬ怨恨を持っている。彼の恨みは時として要らぬ戦の火種を産むため、敵陣営である ホード は無論だが、アライアンス 内部からも彼の暴走を危険視する声も上がっている。しかし バージョン 10 DF にて テス に正式に王位を譲ったため、今後は表舞台から姿を消す事が予想される。仇敵たる フォーセイクン(Forsaken) とさえ手を携えて共闘する巧みな外交手腕を持つ テス の事を「自分の千倍も上手くやる自慢の娘」と賞し全幅の信頼を寄せている。彼女ならば、ホード との間に無暗に対立を煽るような事もないだろう。

バージョン 7 Legion 時代、ヴァリアン の没後間もなくは、父の死を受け入れられなかった アンドゥイン を ゲン がサポートする姿がしばしば見受けられた。しかし アンドゥイン が真の王位継承を果たしてからは立場が逆転し、バージョン 8 BfA 時代では頭に血が上りやすい ゲン の手綱を アンドゥイン が握る事が多くなった。良くも悪くも直情的な性格をしている上に行動力もあるため、思い立ってから感情に任せて後先考えずに即座に実行してしまう事もしばしば。そんな自分の欠点を最近では素直に認めたのか、バージョン 7 時代では アンドゥイン を若造扱いしていた態度が打って変わって バージョン 8 では アンドゥイン を「我が主 (My Lord)」と呼び、アンドゥイン の命令に良く従っている。

バージョン 9 SL の終幕では、長きにわたる アライアンス 対 ホード の戦役に一端の決着がついた上、故国 ギルニーアス の地を取り戻す契機を見たため、かつての猪突猛進な性格はかなり落ち着いた。

バージョン 10 DF の終幕では、念願の故国奪還を果たした後、自らの為政者としての資質のなさに対する失意か、或いは老齢により潮時と悟ったか、引退宣言に等しい発言をしている。リアム の墓前で国土回復を報告した際には、勇猛果敢な狼王の面影はなりをひそめ、老いさらばえ悔恨に打ちひしがれるただの一人の老人の佇まいとなっていた。正式な世代交代が為されたため、アライアンスの代表者が一堂に会する首脳会談には以後 ギルニーアス 代表として テス が出席するものと思われる。しかし同時期に ヴァルドラケン(Valdrakken) では スパイマスター ショー(Spymaster Shaw) と アンドゥイン の行方について話しており、「我々に何も言わずに出かけたのならば何か事情があるのだろう、陰から見守る事にしよう」と発言していたため、目立たぬところで引き続き アンドゥイン や ショー の補佐を継続する可能性も高い。

ちなみに、バージョン 8 では狼化の呪いについて比較的肯定的に受け止めている様子である。「我らの呪いは同時に素晴らしい天からの贈り物だ(Our curse is also our greatest gift)」という発言を聞く事ができる。一方、娘の テス が「大多数の ギルニーアス 国民が狼化しているにもかかわらず、自分だけ人間のままでは指導者として不適格だと思うから、自分も ウォーゲン にして欲しい」と頼むと、ゲン は激怒して テス の嘆願を一蹴している。どうやら「ギルニーアス 国王の ゲン」と「テス の父親の ゲン」との間には、何らかの葛藤があるようである。

【歴史】

第二次大戦(Second War) 以前、ゲン は テレナス メネシル二世(Terenas Menethil II) の緊急招集に応じ、ローデロン(Lordaeron) で行われた 旧ホード(Old Horde) 対策会議に ロード ゴッドフリー(Lord Godfrey) と ダリアス クロウリー(Darius Crowley) を伴って出席した。ストームウィンド(Stormwind) が 旧ホード から攻撃を受けたため、ヒューマン(Human) の国家間で同盟を結び安全保障条約を締結する事により、旧ホード の脅威に対して一丸となって対抗できるような体制を作りたいというのが議題であった。ゲン は ギルニーアス の国防力を誇りに思っており、同盟など不要であると難色を示した。しかし ダリアス と ゴッドフリー 両者からの説得を受け、ローデロン時代のアライアンス(Alliance of Lordaeron) への加盟を渋々決断する。

しかし 第二次大戦 が激化すると、旧アライアンス の中で最も国力の低かった アルタラック(Alterac) が反旗を翻し、自らの身の安全を守るため 旧ホード と不可侵条約を結んだ。これは ホード が ローデロン に侵攻する際に アルタラック は ホード に敵対しないという条約だが、事実上の ホード との同盟である。地政学上 ローデロン も ギルニーアス も アルタラック の背後に隠れる形になっているため、いざ戦争になれば アルタラック が防波堤にされ真っ先に被害を被る事は火を見るより明らかだった。アルタラック国王 エイデン ペレノード(Aiden Perenolde) は非常に難しい決断を迫られ、結局誰の味方もしない事により誰からも味方してもらえない状況に陥った。アルタラックはいずれにせよ主戦場になり、王国は滅亡した。この件は後に ゲン が アライアンス 脱退を決意する大きな要因の一つとなった。

バージョン4 Cataclysm 時代、またそれに先んじる 第二次大戦 後、国土と国民を守るために ゲンは王国の北部に「グレイメイン ウォール(Graymane Wall)」と呼ばれる巨大な壁を建造し、鎖国体制を敷いた。これは ゴッドフリー による入れ知恵だった。第三次大戦(Third War) では、ギルニーアスのすぐ北東に位置する ローデロン(Lordaeron) と、さらにその北東に位置する クエルサラス(Quel'Thalas) が主戦場になった。不安定な世界情勢を慮った ゲン は、大戦中に軍事支援を要請してきた アライアンス とは手を切り、鎖国する事こそが国民と国土を守る最良の手であると判断した。ギルニーアス は半島の南端に位置しており、北部さえ塞いでしまえば陸からの脅威をほぼ凌ぐことが出来ると ゲン は考えた。

この直後、不死者の軍団 スコージ(Scourge) の隆盛があり、世界情勢は混乱を極めた。ローデロン は 魔剣フロストモーン(Frostmourne) を引き抜いて リッチキング(Lich King) となってしまった 王子アーサス メネシル(Arthas Menethil) 自身の手によって滅亡。クエルサラス も国土の大半を失い、もとは ブラッド エルフ(Blood Elf) のレンジャー部隊将校だった シルヴァナス も リッチキング の凶刃に倒れ バンシー と化した。

リッチキング の脅威が大陸北部の大半を脅かしている頃、グレイメイン ウォール は防衛線として非常に良く機能した。しかし パイアウッド ビレッジ(Pyrewood Village) に代表される国土の一部を壁の外に放置し、壁の内側しか防衛しなかった ゲン に対して ダリアス は反感を露わにした。しかも ゲン は 大魔導士アルガル(Archmage Arugal) に命じて エメラルド ドリーム(Emerald Dream) から ウォーゲン を召喚し野に放った。召喚に応じて現れた アルファ プライム(Alpha Prime) こと ララー ファングファイア(Ralaar Fangfire) 率いる ウォーゲン たちは、対スコージ戦 でかなりの戦果を挙げた。しかし アンデッド たちを粗方始末すると、ウォーゲン たちは ギルニーアス の兵士にまで牙を剥いた。ゲン は自らの命令で解き放ってしまった ウォーゲンの呪い を恐れ、兵士には撤退を命令した。そして呪いが壁の内側にまで侵入する事を防ぐために グレイメイン ウォール の門扉を硬く閉ざした上、帰還した兵の中から出た感染者を処刑した。結果として壁の外に放置された パイアウッド ビレッジ の住民は スコージ と ウォーゲン の両方の餌食になる事となった。この状況を見かねた ダリアス は武装蜂起し、「ノースゲートの反乱(Northgate Rebellion)」と呼ばれる謀反を起こした。ダリアス はこの結果投獄され内乱は終結したが、国内の混乱は後々 シルヴァナス に付け入るスキを与えてしまった。

ゲン に命じられたからとはいえ、取り返しのつかない事をしてしまったと後悔した アルガル は、ゲン に対する忠誠心を完全に失い ララー たち ウォーゲン を引き連れて シャドウファング砦(Shadowfang Keep) に籠城した。ララー はあくまでも強制召喚され強制的に スコージ と戦わされた身であるため、ギルニーアス に対する忠誠心など全く持っていなかった。ララー を戦争に巻き込んでしまった事に対する贖罪からか、アルガル は ララー に協力するようになった。

ララー 自身の目的は、かつて自らが作り上げた エルーンの大鎌(Scythe of Elune) を自らの手に取り戻し、ウォーゲン になっても正気を保っていられる者を増やすこと、そして エメラルド ドリーム(Emerald Dream) に幽閉されたままの同胞たちを救出し、自分たちを封じた マルフュリオン ストームレイジ(Malfurion Stormrage) に報復する事だった。ララー は手始めに ウォーゲンの呪い を拡散して ウルフ カルト(Wolf Cult) を形成し、アルガル の魔法で彼らをコントロールし人海戦術で大鎌の所在地を突き止める事にした。そのために パイアウッド ビレッジ に代表される シルバーパイン フォレスト(Silverpine Forest) の住民に呪いを広めたり、グレイメイン ウォール の地下に秘密裏に掘られたトンネルを通じて ギルニーアス 市内に侵入し、無法者を勧誘したりして勢力を拡大していった。ララー の「パック フォーム 中でも正気を保っていられる才能」は ウォーゲン になった後でも健在で、正気を保っていられるコツを『本質の純化(Purity of Essence)』という書にまとめ、ギルニーアス 市内に作った「協力者」に依頼して印刷し仲間内で普及させた。こうして「正気を保ったまま活動できるウォーゲン」は着々と増えていき、ウルフ カルト は強大化していった。また、ダーナサス(Darnassus) への侵攻と マルフュリオン への報復という目的が ホード(Horde) と利害一致したため、ウルフ カルト は シルヴァナス 率いる フォーセイクン と手を組む事となり、非情に強力な後ろ盾を得た。

その頃、大洋の向こうの カリムドール(Kalimdor) では 悪魔(Demon) の隆盛があり、アッシェンヴェール(Ashenvale) と フェルウッド(Felwood) が危機に晒されていた。警備隊隊員だった ヴェリンダ スターソング(Velinde Starsong) は、刻一刻と悪化していく状況を絶望視し、救いを求めて エルーン に祈りを捧げていた。ヴェリンダ の痛切な祈りが通じ、 エルーン から啓示を受けた ヴェリンダ は、ダーナサス(Darnassus) の図書館に眠る書物に出会う。そこには サテュールの戦い の経緯と エルーンの大鎌 の情報が記されており、大鎌は ヴェリンダ の叔母にあたる メルサンドリス スターソング(Mel'Thandris Starsong) によって封印されたとあった。ヴェリンダ は記録を辿って メルサンドリスの寺院(Shrine of Mel'Thandris) を発見し、大鎌を手に入れる。そして大鎌の能力を使って時空を歪め、ウォーゲンを召喚する事に成功した。大鎌の能力で ヴェリンダ は ウォーゲン と意思疎通できたため、ウォーゲン たちは ヴェリンダ に良く従ったという。

ヴェリンダ は召喚した ウォーゲン の力を用いて フェルウッド の悪魔を掃討した。ウォーゲン たちは統率の取れた狼の群のように機敏に動き、サテュールの戦い の時と同様に的確に悪魔を葬り去っていった。しかし ウォーゲン たちも無傷とはいかず、戦場に送り出した者たちの中で無事に戻ってこれた者は僅かだったという。大鎌の能力を使えばさらに多くの ウォーゲン を召喚し、失った戦力を補充する事も出来たが、ヴェリンダ はそうしなかった。自分が召喚するまでもなく、ウォーゲン の数が勝手に増えていたからである。ヴェリンダ は自分が呼び出してしまったものたちが一体何者なのかまるで理解していない事にこの時になって初めて焦燥感を覚えたのか、ウォーゲン たちに メルサンドリスの寺院 に残るように命じ、自分は ダーナサス の図書館で ウォーゲン についての書物を漁ったり 古老樹オヌ(Onu) に聞いたりして必死に情報を集めようとした。しかし自分が既に知っている以上の情報はまるで得られず、代わりに イースタン キングダム(Eastern Kingdoms) で アルガル という魔術師が ウォーゲン を召喚したとの噂を耳にした。ウォーゲン たちを故郷に残し、ヴェリンダ は藁にも縋るような思いで独り イースタン キングダム へと旅立った。

ギルニーアス が当時鎖国していたためか、或いは大陸北部が 対スコージ戦役 の主戦場になっていたため海路が安全でなくなったのが原因か、いずれにせよ直行便に乗れなかった ヴェリンダ は イースタン キングダム 大陸南端の ブーティ ベイ(Booty Bay) に降り立った。そこからは陸路で北上し遥か彼方にあるギルニーアスまで長旅を覚悟しなければならなかった。道中、ヴェリンダ は何者かに後をつけられている事を悟る。追跡者の正体は ウルフ カルト の一員の ヴァルカス(Varkas) で、彼は大鎌を手に入れて ララー の地位を奪おうと目論んでいた。ヴェリンダ は ダスクウッド(Duskwood) で身を隠す場所を探して ローランド ドゥーム(Roland's Doom) という鉱山に逃げ込んだが、入り口で ヴァルカス の襲撃を受けた。飛びかかられた時に ヴェリンダ は松明を取り落とし、炎が掘削用ダイナマイトに引火して爆発し坑道が崩落した。崩落は ヴェリンダ、ヴァルカス、そして大鎌の全てを飲み込み、下敷きになった ヴェリンダ と ヴァルカス と彼の手下たちは帰らぬ人となった。

崩落の後、大鎌を見つけたのは ディファイアス盗賊団(Defias Brotherhood) 一味の ジッターズ(Jitters) だった。鉱山を漁っていた ジッターズ は大鎌の真価も知らないまま無暗に触って ウォーゲン を召喚してしまい、ダークシャイア(Darkshire) 周辺で解き放たれた ウォーゲンの呪い は瞬く間に広がりパンデミックを引き起こした。自分が召喚してしまった ウォーゲン たちから命からがら逃げ出した ジッターズ は、ヨーゲン農園(Yorgen Farmstead) の傍に大鎌を遺棄した。しかしこれが原因で大鎌を求めて襲来した ダーク ライダー(Dark Riders) により無関係な ヨーゲン 一家が惨殺される事件が発生。ジッターズ は大鎌を放棄して レイヴン ヒル(Raven Hill) に逃げ延びた。

遺棄されたままだった大鎌は、ダーク ライダー よりも先に ウルフ カルト によって回収された。しかし SI:7 のエージェント ブリンク(Brink) により大鎌は奪取され、アライアンス の手に渡る。そして本来の持ち主である ナイト エルフ のもとに返還される事となり、ヴァローン スティルボーグ(Valorn Stillbough) に託された。ヴァローン は大鎌の制作者である ベリスラ スターブリーズ(Belysra Starbreeze) に届ける事にした。しかしこの時既に ベリスラ は ゲン を助けるために ギルニーアス に逗留しており、大鎌を ギルニーアス に持ち込む事は火災現場に爆弾を投げ込むのと同じぐらい危険極まる行為になっていた。

時は少し遡り、ヴェリンダ が大鎌を携えて イースタン キングダム を旅していたと思しき頃、ゲン は国内で増加の一途を辿る殺人事件や行方不明事件に頭を悩ませていた。名探偵 ハルフォード ラムジー(Halford Ramsey) が事件の捜査に当たっており、事件の犯人は ウォーゲン ではないかと目星をつけていた。ゲン は彼の推理が正しい事を知っていたが、政治的理由から犯人は ダリアス のシンパであるとの虚偽の発表をし、既に獄中にあった ダリアス にさらに濡れ衣を着せた。そして警備をより厳重にすると市民を説得するかたわらで、夜な夜な ゴッドフリー と共に密かに狩りに出かけては壁の内側に出没するウォーゲンを射殺していた。

しかし単独で狩りをしている最中に ウォーゲン から不意打ちを受け、ゲンは咬まれて呪いに感染してしまう。自分の咬傷を ゴッドフリー に見つかれば自分も射殺されると焦った ゲン は、傷跡を実の家族にすらもひた隠しにし、解決策を探した。そして アルガル の一件を聞いて ウォーゲンの呪い を封じ込める目的で ギルニーアス を訪れていた ベリスラ を頼り、呪いの症状を何とかコントロールしようと試みた。ベリスラ は簡易版の リチュアル オブ バランス(Ritual of Balance) を行い、ゲン の呪いの症状を何とか抑え込む事に成功した。また、サテュールの戦い の経緯や自分が ウォーゲンの呪い を産み出す一因となってしまった事も説明し、呪いを終息させる事は自分の責務であると考えている事も語った。それと同時に、ベリスラ はかつて共に エルーンの大鎌 を作成し、ウォーゲンの呪い を産み出してしまった ララー とも因縁の決着をつけるつもりだった。ララー は ウォーゲンの呪い をむしろ祝福ととらえ歓迎していたが、自分の意に反する者を虐殺する彼の態度そのものが獣性の証明だと ベリスラ は真っ向から対立していた。正体不明の殺人事件や行方不明事件の背後には必ず ララー がいると ベリスラ は確信しており、後に彼女の予想は正しかったと証明される事となる。ベリスラ の協力によって何とか呪いを制御した ゲン は、国家錬金術師の クレナン アラナス(Krennan Aranas) に命じて リチュアル オブ バランス の効果を再現するポーションの開発も試みていた。しかし夜の ウォーゲン狩り に参加しなくなった ゲン に対して ゴッドフリー は疑いの目を向けるようになっていった。

時を同じくして、名探偵ラムジー も手掛かりを集めて真実へと迫っていた。骨董品屋で怪しい儀式をしていた ウルフ カルト の一味と思しき不審人物を見つけた ラムジー は、逃亡した不審者を追って ブラックワルド(Blackwald) にまで辿りついた。そこで ウォーゲン に変身した不審者に噛み付かれ、ラムジー は呪いをうつされてしまう。気を失った ラムジー は ララー の手によって拉致されていたが、ララー は ラムジー の事を「保護した」と主張し、賓客として扱った。自分の言葉を証明するように ラムジー にはいつでも立ち去ってよいと告げたが、同時に『本質の純化』も与えた。恐らくこれが ララー が ウルフ カルト に新人を「勧誘」する手口なのだろう。ラムジー は痛みで動けなくなっていた上、真相を究明したいという探偵の本能から数日間その場にとどまり、ララー の口から語られる サテュールの戦い や パック フォーム についての情報を一語一句逃すまいと聞き耳を立てていた。しかし巷では ラムジー は事件の捜査中に突如失踪した扱いになっていたため、ゲン は ラムジー が死亡したものと考えて王国一の名探偵の死を悼んだ。

ラムジー は ララー のもとで数日間呪いと格闘したが、呪いは日を追うごとに ラムジー の身も心も蝕んでいった。やがて 呪いは ラムジー を完全に飲み込み、山野を駆け回る血に飢えた野獣へと変えてしまう。信じられないほど強靭になった肉体に歓喜する ラムジー だったが、巨木 タルドレン(Tal'doren) の近くに咲く花の匂いを嗅ぐと正気を取り戻した。ラムジー はそこで ナイト エルフ の姿を目撃している。これはおそらく ベリスラ で、ゲン の治療や クレナン のポーションの素材として花を摘みにきていたものと思われる。ベリスラ は タルドレン が太古の昔には 群のドルイド の根城だった事を知っており、花の薬効も知っていたのだった。

変身後に正気を取り戻して帰ってきた ラムジー を見て、ララー は ラムジー の「呪いに対する耐性」や自己制御能力の高さに驚いた。そして 大鎌のドルイド(Druids of the Scythe) と名を変えた 群のドルイド(Druids of the Pack) の起源を語り、正式に ウルフ カルト へ勧誘した。ラムジー はこの誘いを断ったが、ララー は教団に加わらなければ殺すと脅迫した。ララー から翌日の正午までに答えを出せと猶予を与えられ、ラムジーは『本質の純化』を今一度読み直してから決断しようと考えた。しかし呪いの影響で思考がまとまらなかったため、再び タルドレン へと赴いて心を落ち着ける事にした。今回は エルフ の姿は見当たらなかったが、花の薬効によって名探偵の推理力が戻ってきた。

ラムジー は『本質の純化』が ギルニーアス の新聞社で印刷された事に気付き、マスコミには既に教団の息がかかっていた事を知る。そして今までは正気を失った ウォーゲン によって偶発的に引き起こされていたと思われていた数々の殺人事件や行方不明事件が、実は ララー によって意図的に引き起こされていた可能性に行き当たった。もしも ララー が「服従か死か」の選択を自分以外の被害者にも迫っていたのだとしたら、行方不明者とは即ち服従を選んで教団関係者となった者たちなのではないか。そうなれば教団関係者は既に相当な数にまで膨れ上がっており、マスコミさえも取り込んだ教団が本格的にギルニーアスに牙を剥く日は間近に迫っているのではないかという推理にまで至った。ラムジー の推理は見事に的中しており、間を置かずして証明される事になるのだが、最悪の事態を未然に防ぐべく ラムジー はギルニーアス市街地へと向かった。

そんなタイミングで エルーンの大鎌 は、あろうことか ララー たちが使っていた秘密の地下通路を通って ギルニーアス へともたらされたのだった。

ラムジー の推理どおり ギルニーアス に総攻撃を仕掛ける予定だった ララーは、手を組んでいた フォーセイクン に先んじて攻撃し、市内に呪いを広めて陽動する手はずになっていた。先遣隊は アイヴァー ブラッドファング(Ivar Bloodfang) 率いる ブラッドファング パック(Bloodfang Pack) が務め、いざ攻撃が始まって市内に侵入した彼らは市民に噛み付いて瞬く間に呪いを拡散した。噛み付かれたものが狼化して住民を襲ってはさらに感染が拡大するという スコージ さながらのパンデミックを引き起こし、国内は僅かな時間で大混乱に陥った。ウォーゲン のプレイヤーキャラはこの時点からスタートし、国内の騒乱を経験できる。

また、ゲーム本編ではおそらく語られていないが、この頃 ラムジー は既に ウォーゲン になっていたにもかかわらず ギルニーアス 市民の救助活動に当たっていたらしい。人を襲って食い散らかしたくなる衝動を抑えながら必死で人々を守って戦った ラムジー は、偶然にも ウォーゲン に襲われていた ベリスラ の命をも救ったという。しかし ゴッドフリー に発見されてしまった ラムジー は ベリスラ による弁明も虚しく「ウォーゲン だから」という理由で撃たれてしまい、瀕死の重傷を負ってしまう。ベリスラ は ラムジー の命を救うべく彼を タルドレン へと搬送した。

未曽有の国難に直面した ゲン は、ゴッドフリー の反対を押し切ってかつての敵であった ダリアス の釈放を決意する。プレイヤーキャラは ダリアス の救出を依頼され、クエスト 達成後は ダリアス と共に襲い来る ウォーゲン に立ち向かった。ゲン は過去の対立を水に流して共通の敵に対抗するため ダリアス との共闘を誓う。これまでの経緯を鑑みれば虫がいいにも程がある話だが、民の安否を第一に考える ダリアス は異論を挟まなかった。それどころか市民を安全に避難させるために自分が囮になるとまで言い出し、プレイヤーキャラは ダリアス と共に生きては戻れぬであろう最後の戦場へと向かった。ダリアス と共に市内を暴れ回って ウォーゲン を引き付けたプレイヤーキャラは、ライツ ドーン カテドラル(Ligth's Dawn Cathedral) に展開していた砲撃隊の協力を得て大砲でウォーゲンの大群を一網打尽にした。そして教会を最終防衛ラインにし、ゲン が市民を連れて避難するまでの時間稼ぎをしていたが、やがて ウォーゲン の物量に押されて籠城戦は終わりを迎えた。ステンドグラス を割って侵入した ウォーゲン たちに咬まれ、ダリアス が狼化。プレイヤーキャラも礼拝堂に来る前に既に咬まれていたが、呪いがついにコントロール出来なくなり野獣の仲間になり果てた。

その後山野を駆け回って人々に危害を加えていたプレイヤーキャラは、罠にかかっていたところを発見され拘束された。ゴッドフリー は殺処分を進言したが、プレイヤーキャラ の英雄的な働きに免じて クレナン のポーションの実験台になる事となった。プレイヤーキャラは檻に入れられ ダスクヘヴン(Duskhaven) まで連行され、ゲン から投与されたポーションにより正気を取り戻した。

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クレナン のポーションの有効性が立証され普及した結果、ウォーゲンの呪い の感染拡大には歯止めがかかった。しかし一つの国難が去ったと同時に混乱に乗じて フォーセイクンの侵攻が始まり、ギルニーアス の民はすぐさま新たな脅威に立ち向かわなければならなくなった。ダスクヘヴン 近郊の船着き場に上陸した フォーセイクン揚陸部隊 は ダスクヘヴン に避難していた ギルニーアス市民 からなるレジスタンス勢力と交戦となり、プレイヤーキャラもここに参戦し避難民を フォーセイクン の侵略から守る事に貢献した。クレナン が開発したポーションにより、烏合の衆に過ぎないはずの寄せ集めの雑兵が一騎当千の ウォーゲン の集団になっていた事は フォーセイクン にとって大きな誤算となった。さらに絶妙なタイミングで デスウィング(Deathwing) が カタクリズム(Cataclysm) を引き起こし、世界を震撼させる大地震で発生した津波が ダスクヘヴン にまで押し寄せた。これにより津波に飲まれた ダスクヘヴン は建物を地盤ごと打ち砕かれ海中に没してしまったが、フォーセイクン揚陸部隊 も壊滅的被害を被った。プレイヤーキャラ は津波に巻き込まれた人々の救助を手伝った後、津波の第二波を恐れて疎開先を 高台のグレイメイン邸(Greymane Manor) へと移した。ここでようやく一息つけるかと思った矢先、邸宅に設置された望遠鏡で ホード が飛行戦艦まで動員した事を察知した。高台に聳え立つ グレイメイン邸 は飛行戦艦の主砲の格好の標的になる事が予想されたため、避難先を ストームグレン ビレッジ(Stormglen Village) へとさらに移動させる事になった。

新たな避難先の ストームグレン ビレッジ では、ブラッドファング パック の襲撃事件発生以前から既に ウルフ カルト が暗躍しており、行方不明者が出ていた。プレイヤーキャラは住民が残した奇妙な書置きを調査するうち、近郊の ブラックワルド(Blackwald) で ベリスラ に出会い、フォーセイクン の ダーク スカウト(Dark Scout) に尾行されているとの忠告を ベリスラ から受ける。ベリスラ は命の恩人である ラムジー を助けるために タルドレン まで彼を搬送しており、銃弾の摘出を終えたところだったらしい。ベリスラ の協力のお陰で ダーク スカウト を返り討ちにしたプレイヤーキャラは タルドレン へと向かい、そこで ダリアス と再会する。タルドレン の付近に咲く花は ウォーゲン の血に飢えた衝動を抑える働きがあり、ダリアス を初めとする多くのウォーゲンたちが集まっていた。そして示し合わせたかのようなタイミング ヴァローン が エルーンの大鎌 を持ち込むが、大鎌は フォーセイクン によって盗まれてしまう。プレイヤーキャラは トビアス ミストマント(Tobias Mistmantle) と共に奪還作戦に参加し、大鎌を持ち帰った。そして 大鎌を用いた儀式により ヒューマン の姿に戻る方法を習得した。

儀式が済んだ頃、ゲン が ローナ クロウリー(Lorna Crowley) と ゴッドフリー を伴って姿を現した。ローナ は死んだと思われていた父 ダリアス と再会し歓喜したが、ゴッドフリー は政敵でもある ダリアス の復権を快く思わず、ゲン に対して ダリアス の感染を理由に更迭を要求した。ゲン は姿にかかわらず ギルニーアス 国民は団結して フォーセイクン に立ち向かうべきだと主張し、今まで秘匿していた自分の ウォーゲン の姿を衆目の前に晒し、ダリアス との共闘姿勢を強くアピールした。しかし ゴッドフリー は法律を後ろ盾にしてケダモノの国王など認めないと言い放ち、他の貴族と結託して ゲン を投獄した。後に クレナン の依頼でプレイヤーキャラは ゴッドフリー の後援者を暗殺する事になり、ゲン は無事解放された。圧倒的に不利な状況に追い込まれた ゴッドフリー は、ケダモノに従うなど死んでも御免だと言い放って崖から投身自殺を図った。(後にゴッドフリーの遺体はフォーセイクンによって回収され、ゴッドフリーはアンデッドとして蘇る事となる。)

時同じくして、ベリスラ は 大鎌を簒奪せんとする ララー と交戦になっていたらしい。ベリスラ は絶体絶命の窮地に陥り、ララー がとどめを刺そうとした瞬間、ベリスラ の夫 アーベル(Arvell) が狼の精霊となって現れ、ララー の首元を咬み裂いて殺害したという。首謀者の死亡により ウルフ カルト は散り散りになり、自動的に フォーセイクン との同盟も解消。後に ダリアス の計らいで アイヴァー を含む教団団員の一部が アライアンス に併合される事となった。元をただせば ゲン の パイアウッド ビレッジ の失策が原因で本人が望まず ウォーゲン にさせられ ララー に無理矢理従わされていた者も多く、ゲン も自分がしてしまった事に対する後悔の念があったのか、自らの失敗の責任を取る形で身元を引き受けたものと予想される。

こうして フォーセイクン 以外の敵対勢力を片付けて反撃の体制を整えたゲンは、フォーセイクン に支配された ギルニーアス市街 の奪還作戦を決行した。リアム が先陣を切り、閉ざされた城門を内側から開いて ダリアス や ゲン の別動隊を招き入れるという作戦だった。プレイヤーキャラも作戦に参加する事になり、作戦は概ね計画通りに進んだ。

ウォーゲン の感染が広がった際も、フォーセイクン の侵略が始まった際も、リアム は常に自ら最前線に立って人々を奮い立たせ、祖国のために奮闘していた。市街地奪還作戦でも味方を鼓舞し、「たとえ矢尽き弓折れ絶望の中で倒れ汚泥を啜る事になろうと、我々は絶対に降伏などしない! ギルニーアスのため今一度立ち上がれ!」と人々の心を動かすスピーチをしている。父親と違って後ろ暗いところのないリアムは民から絶対的な信頼を獲得していた。だが シルヴァナス と ゲン が死闘を繰り広げた際、リアム は父をかばって シルヴァナス の毒矢を胸に受けて戦死。これ以降 ゲン は シルヴァナス 打倒に並ならぬ執着を見せるようになる。戦況が落ち着いたタイミングでプレイヤーキャラ、ゲン、ダリアス、ローナ が見守る中、リアム の葬儀が慎ましく行われた。この時 ゲン は祖国の奪還を リアム の墓前で誓っている。後述するが、この宣誓は幾年もの月日が流れた後にようやく果たされる事となる。

後に シルヴァナス が ギルニーアス を毒ガス攻撃しようとしている事を察知したプレイヤーキャラは、鹵獲した フォーセイクン の飛行マウントを駆ってカタパルトを空爆し、シルヴァナス の作戦をある程度は阻止する事に成功した。しかし シルヴァナス の作戦失敗を機に ガロッシュ ヘルスクリーム(Garrosh Hellscream) 傘下の オーク部隊 も ギルニーアス 攻略に参戦する事となり、戦況は決定的に不利になった。これに対抗する形で参戦した ナイトエルフ からの支援を得た ギルニーアス の民は、ナイトエルフ の擁する ヒポグリフ 航空戦力を駆って ホード の飛行戦艦を撃沈する事に成功した。しかし フォーセイクン による毒ガス攻撃の再開は不可避であるとの目算が高く、大多数の ギルニーアス 国民が祖国の地を後にして ナイトエルフ の住まう ダーナサス(Darnasus) に疎開する事となった。新天地の指導者 マルフュリオン と ティランダ(Tyrande) に対し、ゲン は国を代表して謝辞を述べた。

以後、国としては半ば以上崩壊してしまった ギルニーアス は、アライアンス 陣営に吸収合併される事となった。不死者の呪いに対抗するために野に放たれた狼化の呪いは、かつては ギルニーアス 自身に牙を剥いた。しかし今や ウォーゲン は アライアンス でも屈指の戦闘力を誇る報国の牙となった。

WoWゲーム本編では語られていないが、ギルニーアス が アライアンス に復帰する際にひと悶着あった事が小説で描かれていたらしい。マルフュリオン は ギルニーアス の アライアンス 復帰を肯定的に考えており、ゲン に対して一貫して協力的だった。ギルニーアス に ウォーゲンの呪い を広めた ララー に関して、マルフュリオン が自分にも一定の責任があると認めたが故の行動だったのかもしれない。マルフュリオン の後援を受けて アライアンス 首脳会談へ出席する機会を得た ゲン は、第三次大戦中に ギルニーアス が アライアンス から脱退し鎖国体制を敷いた事に関して会談にて正式に謝罪したとされる。しかし当時 アライアンス 総責任者だった ヴァリアン は ギルニーアス や ゲン の振舞を卑怯な臆病者の所業と断じ、アライアンスが最も助けを必要としていた瞬間に尻尾を巻いて逃げ出したケダモノ共が今更何食わぬ顔をして現れて アライアンス に加わるなど決して許さぬと同盟申請を否決してしまった。ゲン は怒りと失意を抱えて ストームウィンド を去り、ダーナサス からも民を率いて撤退する事を考えたという。しかし マルフュリオン の計らいで ヴァリアン と ゲン は再び相まみえる事となり、共に狩猟する経験を通じて ゲン は ヴァリアン に 巨狼ゴルドリン の存在を感じた。ゲン と同じく ヴァリアン も一度怒らせると手が付けられなくなる危険人物と目されていたが、そのコントロール不能な怒りは実は ヴァリアン が ゴルドリン に選ばれし勇者であるからこそ生じていた一種の「副作用」のようなものである事が発覚した。ゲン に同伴して ダーナサス まで疎開していた ヴァサンドラ の力を借り、ヴァリアン に対して リチュアル オブ バランス が執り行われた。その結果 ヴァリアン は自らの衝動的な怒りを制御する方法を学び、ゲン とは無二の盟友となったという。

その後、アッシェンヴェール(Ashenvale) へ侵攻してきた ガロッシュ 率いる ホード軍 に対し、ゲン は 私兵を引き連れて ヴァリアン の指揮下に入り共闘し、これを撃退したとされる。この時の武勲を機に ギルニーアス は正式に アライアンス への再加盟を果たしたという。

そして幾許か時が経ち、バージョン 7 Legion 時代。惑星アゼロスが第三次リージョン侵攻に見舞われた際に、ゲン は ジェイナ や ヴァリアン と共闘している。敵の総大将を目前にして撤退するという苦渋の選択を強いられた ヴァリアン から遺志を手渡され、ゲン は飛行戦艦の甲板上からたった独りで悪魔の軍勢に立ち向かった ヴァリアン の最期を見届けた。

ブロークンショア(Broken Shore) から帰還してすぐ、ゲン は アンドゥイン に父の訃報を伝え、今後の対策会議を始めた。しかし、この頃 アンドゥイン は父の死がまだ受け入れられておらず、指導者としても未熟だったため、ゲン は早々に愛想を尽かした。故国を奪われ、息子を目の前で殺され、挙句一番の戦友すらも シルヴァナス の裏切りで失い、それでもなお ホード と共闘すると宣う アンドゥイン に ゲン はどうしても承服できなかった。ストームウィンド城を後にした ゲン は飛行戦艦 スカイファイア(Skyfire) に最新鋭の機銃を搭載し、アンドゥイン の共闘路線維持という決断を完全無視して ストームヘイム(Stormheim) に展開中の シルヴァナス の部隊を急襲した。フォーセイクン海軍 との戦端が開かれ、アライアンス対ホード という幾度も繰り返されてきた血で血を洗う終わりなき戦いが ストームヘイム の地でも再び始まった。

この戦闘で スカイファイア は墜落し、ゲン は負傷した。フォーセイクン海軍 にもかなりの被害が出たが、シルヴァナス は目的を果たす為に既に艦艇を後にしていた。アライアンス側 のプレイヤーは シルヴァナス の足跡を辿るように ストームヘイム を冒険する事となり、文字通り地獄の果てまで行って帰ってくるという修羅場をくぐる。そして シルヴァナス が ヴァルキール(Val'kyr) を隷属させ自軍の増強を企てている事を突き止めると、ゲン は単身で シルヴァナス を急襲し、彼女の計画を潰した。

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この事が直接的原因となったわけではないだろうが、シルヴァナスが ウォー オブ ザ ソーン(War of the Thorn) に踏み切る動機の一因となった可能性は十二分にある。

バージョン 8 と 9 での出来事については ジェイナ や アンドゥイン の項も参照していただきたい。バージョン 8 では基本的に ジェイナ か アンドゥイン のどちらかに同行しており、二人を補佐する役回りをしている。バトル フォー ローデロン では アンドゥイン に従って前線で戦い、後の タランジ王女 と ズール の脱獄騒動の際には ストームウィンド 城下町の捜索に自ら出向いている。(ホード側のプレイヤーキャラにとっては一撃殴られるだけで即死する悪夢として登場する)脱獄騒動の後には ジェイナ や 第七師団 に同行して クル ティラス に駐留している。ボラルス の責任者であり老練の兵である サイラス とは話が合うようである。プリシラ の裏切りにあった キャスリン を慰めて助言も与えており、バージョン 8 では主役とまではいかないが重要な役どころを担っている。

バージョン 8.2 では、ナサノス(Nathanoth) を追跡して クイーン アジャーラ(Queen Azshara) の罠にはまり、ナージャター(Nazjatar) に迷い込んでしまった際には、ローセマー(Lor'themar) と共闘してナーガの軍勢を掃討するのに協力した。しかし基本的にホードと共闘する事には非常に難色を示しており、ヴァリアンの時のように背中を預ければまた後ろから刺されるのではないかと常に警戒していた。

シルヴァナス が オーグリマー に籠城した際には、精鋭を引き連れて西門からの突入に備えていた。しかし ヴァロック の死と シルヴァナス 逃亡の報を聞くと、復讐のチャンスを逸した事を悟って撤収した。

バージョン 8.3 では引き続き ボラルス に駐留しており、ン=ゾス の侵略に乗じて不穏分子が跋扈しないように目を光らせていた。

バージョン 9 シャドウランズ の冒頭では、アンドゥイン と共に ヴァリアン の墓参りに訪れていた際に、目の前で ジェイラー(Jailer) の手下に アンドゥイン を拉致されてしまう。アンドゥイン や ジェイナ のような拉致被害者の奪還作戦が即座に計画され、アイスクラウン(Icecrown) で開かれた首脳会談に ゲン も出席している。プレイヤーキャラを含む救出班が組織され、シャドウランズへと通じるポータルが開くと、命懸けで危険なミッションに挑むプレイヤーキャラ一行を見送った。なお、出立の際に急遽 ティランダ がポータルの中に飛び込んでいくが、ゲン は ティランダ を制止している。ゲン の忠告を振り切ってシャドウランズに身を投じた ティランダ を慮り、ゲンは「ティランダの事をよろしく頼む」とプレイヤーキャラに言付けている。

バージョン 9.2 で シルヴァナス に対する裁判が行われた際には、アービター の面前に参列して裁判の行方を見届けた。シルヴァナス が自らに裁きを下す執行者として ティランダ を指名した際には、ゲン は裁判の行方に対して異議申し立てをしなかった。(判決の瞬間に ゲン の表情は見られなかったため、彼の心中にどのような葛藤があったかは定かではない。しかし バージョン 8 時代に バトル フォー ダークショア が勃発した際には、ゲン 自身の采配でプレイヤーキャラを ティランダ の援軍として派遣しているため、故国を喪う経験を共にした ティランダ の采配であれば彼にとっても少なくともある程度は腑に落ちるものであった可能性はある。)

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その後、ジェイラー の操り人形になっていた アンドゥイン が自責の念に駆られ、ストームウィンド にはしばらく戻れそうにないという弱音を吐くと、アンドゥイン の気持ちを汲んだ ゲン は彼の言葉を優しく受け止めて、「時間がかかっても構わない、自分の気持ちに折り合いがついたら戻ってきてくれ」と励ました。バージョン 8 時代に ジェイナ の母親 キャスリン を慰めていた頃の面影がここで見て取れる。

しかし同時期に ローセマー と会話した際には、「シルバームーン の警備隊長だった頃の シルヴァナス は本当に尊敬に値するリーダーだった。アーサス の凶刃に斃れてから、彼女は変わってしまった」という ローセマー の昔話に対して「そこまで分かっていたならば、常軌を逸していた頃の彼女の命令には従うべきではなかったのだ」と和解を拒絶するような回答をよこしている。この時の ゲン の態度から、彼の心中にはまだ煮え切らないものが幾分か残っているであろう事が窺える。しかし敵同士という立場ではありつつも一度は共闘した ローセマー に対して、彼なりにかなり「手加減」した物言いをしている事も見て取れる。猪突猛進なトラブルメーカーという自身の性格にかなり自制を利かせているようだ。

その後、アーサス の妹 である カリア メネシル(Calia Menethil) の救援要請に対して、ゲン は モーウォーカー たるプレイヤーキャラを派遣する采配をしている。

カリア は バージョン 8 の冒頭で疫病に没した ローデロン を再興し、フォーセイクン を再編する事を目指していた。シルヴァナス が ホード を去り シャドウランズ へ渡った際に、指導者を喪った フォーセイクン を慮った カリア は、バージョン 8.3 にて ジェイナ の兄である デレック を伴って カルストン邸 へと赴いている。しかし カリア が アライアンス 陣営であった事、そして何より カリア の実兄である アーサス が フォーセイクン にとっては「自分の仇」である リッチキング 本人であった事が災いし、フォーセイクン 内 での カリア の立場は非常に悪かった。

ゲン は状況を打開すべく、プレイヤーキャラを派遣する決断をした。しかし送り出す際には「カリア 本人は信用出来るが、フォーセイクンには気を許すな。今から行く場所が敵地である事を努々忘れないように」との警告を発している。ホード 陣営に変装して カルストン邸 へと赴いたプレイヤーキャラは、カリア と協力しつつ フォーセイクン のみならず シャドウランズ の面々も巻き込んで ローデロン に広がる疫病を除去する事になった。その過程で、事態解決に向けた カリア の真摯な態度が他の面々から評価され、カリア は ローデロン 回復の功績で フォーセイクン 内で一定の信頼と発言権を得る事となった。

事態収束の朗報と カリア からの手紙を携えて オリボス へ戻ってきたプレイヤーキャラを、ゲン は温かく迎えた。カリア から託された手紙には、自らが得た議会での発言権を活用して フォーセイクン の部隊を ギルニーアス から撤退させる事を議題に載せる旨が記されていた。長きにわたって繰り広げられてきた アライアンス 対 ホード の血で血を洗う争いが、ギルニーアス と フォーセイクン の間でもようやく決着がつく糸口が見えた。ゲン は「久しく見えていなかった希望がようやく見えた気がする」とプレイヤーキャラの活躍に対し大いに感謝した。

バージョン 10.2 では、フィラーク(Fyrakk) 率いる 炎のドルイド(Druids of the Flame) との戦いに 豊穣のセレスティン(Celestine of the Harvest) と共に参戦している。

そしてバージョン 10.2.5 では念願の故国奪還がついに実現した。

ギルニーアス 奪還のクエストラインには アライアンス と ホード 両陣営が参加できる。クエストの大部分は アライアンス 側、特に ウォーゲン のキャラクターが主役となるが、水面下で実は何が起きていたのかは ホード 側のプレイヤーだけが知る事が出来る。アライアンス 側のプレイヤーは ゲン とその妻の ミア と共にストームウィンド ハーバー からグリフォンで飛び立つところからスタートするが、実は テス が事前に パイアウッド ビレッジ(Pyrewood Village) まで赴き、カリア と リリアン ヴォス(Lilian Voss) と秘密裏に会談し、根回しを済ませていた。(この様子は ホード側 プレイヤーしか見る事ができない。)リアム の一件以来、ゲン が フォーセイクン や アンデッド に対して並ならぬ憎悪を抱いているため、本人と会う時にはくれぐれも注意するようにと三者間で既に了解が得られていた。そして ギルニーアス 郊外の キール ハーバー(Keel Harbor) で テス、カリア、リリアン と ゲン、ミア が出会う事になる。これは全て テス によってお膳立てされた舞台だった。

バージョン 9 の時点で既に カリア とは協力関係にあったはずだったが、キール ハーバー で実際に カリア と面会した ゲン は、まるで初対面であるかのように アンデッド である彼女に対して警戒心を露わにした。妻の ミア がいきり立つ ゲン をおさえ、「彼女は カリア メネシル よ。正気を失った スコージ とは違う」とわざわざ仲裁に入っている。「フォーセイクン の顔を見ると リアム の事を思い出してしまって自制できなくなる、申し訳ない」と本人は語っているが、それが果たして ウォーゲンの呪い がもたらす「怒りの暴走」によるものなのか、或いは何か他に理由があるのか、この時点での彼の態度には若干不可解な点があり、彼の心中を推察するのが難しい。カリア とは文通でしかやり取りした経験がなかったのか、或いは陥落前には同盟関係にあった在りし日の ローデロン時代のアライアンス(Alliance of Lordaeron) の カリア とは直接面識があったものの、彼女の変わり果てた姿にショックを受けたのか、または リアム の墓前で誓った祖国奪還に「直接の加害者」である フォーセイクン を関与させたくないという矜持があったのか。いずれにせよ ゲン の中であたかもバージョン9時代のやり取りが無かった事になっているかのような反応を見せた事は印象深い。

バージョン 9 までのいきさつから推察するに、ギルニーアス の返還は本来ならば比較的スムーズに行われるはずだったと推測される。ギルニーアス の民が去った後の ギルニーアスの廃墟(Ruins of Gilneas) には フォーセイクン を含め人っ子一人いなかった。シルヴァナス の毒ガス攻撃を警戒して疎開した大半の ギルニーアス国民 からは無論のこと、実効支配権を獲得した フォーセイクン からも何らかの理由で遺棄されたものと考えられる。バージョン 4 時代の フォーセイクン の 指導者だった シルヴァナス は、根城の アンダーシティ から外海に出られる大陸西部に面した港湾施設を欲して ギルニーアス に侵攻したとされている。しかし ギルニーアス の民が疎開した後も ダリアス 率いる ギルニーアス解放戦線(Gilneas Liberation Front) が抵抗を続けており、敵勢力のゲリラ攻撃を警戒してか当初の目的だった港湾施設の建造にまで至らなかった事が街並みの様相から見て取れる。戦火が最も広がった バージョン 8 時代には戦略的価値が見直され、アライアンス と ホード間で緊張が高まり小競り合いが勃発していたらしい。しかし バージョン 9 で アライアンス 対 ホード の戦争に決着がつき、ギルニーアス の領有権はうやむやなまま再び無人の状態となって放置されていた。ギルニーアス は地政学上かなり重要な位置に存在するが、ホード が アライアンス に対して友好的な姿勢をアピールするために手放せる領土としては最も適切な地域の一つだったとも考えられる。

そもそも カリア 率いる フォーセイクン は元々 アライアンス領ローデロン の市民であった者たちだ。対 リッチキング 戦役の際に、隣国とはいえ ホード領である クエルサラス(Quel'Thalas) のレンジャー部隊隊長 シルヴァナス が リッチキング のスキをついて ローデロン の地下を占拠し、対 リッチキング 戦線 アンデッド 部隊を組織したのが フォーセイクン の始まりである。考えてみれば指導者が ホード 出身で一般兵が アライアンス 出身というかなりイビツな組織であった。それが バージョン 8 の シルヴァナス の離反と カリア の復権により、ローデロン の「正当な後継者」に国権と国土が返還されたとも考えられる。元々 カリア が ジェイナ と親しい事もあり、アンデッド と化してしまった ジェイナ の実兄 デレック の身元も引き受けるなど、ベイン と並んで非常に親 アライアンス 的な姿勢を見せる人物が フォーセイクン の実権を握ったため、猪突猛進な ゲン が余計な火種を産みさえしなければ事は実にスムーズに運ぶ可能性さえあった。それを見越して テス が事前に カリア とコンタクトを取って父の不躾に目をつぶって欲しいと根回しを済ませていたと考えられる。しかし実際には居住者不在の状況に乗じて スカーレット クルセイド(Scarlet Crusade) が ギルニーアス の主要施設を不法占拠しており、彼らを撃退しなければ返還が果たされないという事態に陥っていた。聞くところによると スカーレット クルセイド は バージョン 9 の時点で都市の再建を果たした アンダーシティ(Undercity) をも攻撃していたとされ、攻略が失敗に終わったため ギルニーアス に落ち延びていたのだという。

元来は対 リッチキング 戦線として発足した スカーレット クルセイド だったが、組織がカルト化してしまい、今では ヒューマン 至上主義を謳って自分たちの思想に仇為す全ての者たちをバケモノと断じて攻撃する狂信者集団になり果ててしまったと リリアン が語った。リリアン はかつて スカーレット クルセイド に所属しており、任務中に命を落として アンデッド になってしまったという経歴を持つ。しかし最早 ヒューマン ではなくなってしまった リリアン は スカーレット クルセイド にとっては単なる討伐対象でしかなく、リッチキング の精神支配からも シルヴァナス の圧政からも完全に自由になったにもかかわらず不当な差別を受ける事になった。そればかりか スカーレット クルセイド は ウォーゲン の呪いに感染した ギルニーアス の民をも討伐すべきバケモノと見做しており、スカーレット クルセイド の打倒は アライアンス と ホード 両者にとっての共通目的となっていた。

テス のお膳立てと ミア の制止が功を奏し、ゲン の暴走を食い止めて アライアンス と ホード の混成部隊が実現した。これにより程なくして ギルニーアス の地から スカーレット クルセイド は一掃された。今回の一件の首謀者であった 異端審問官フェアベル(Inquisitor Fairbell) と相対した際には、共闘した カリア の事を ゲン は仲間と認めているような発言をしている。「汚らわしい異端者共め! 貴様らのようなバケモノは人類の世界に居てはならない!」という フェアベル の言葉に対して「この場にいるバケモノは貴様だけだ!」と反論している。ゲン も カリア も国籍は違えど元々同じ アライアンス に所属する ヒューマン だったが、紆余曲折の果てにお互い人ではなくなってしまい、所属する軍旗の違いにより互いに反目し合う事となってしまった。しかし人間性に執着し例外を認めず異端を排除しようとする頑なな相手に対して共に手を携えて対抗する姿勢は、かつて互いを憎み合い殺し合った仇敵同士という間柄とは最早真逆の関係となっていた。激闘の果てに フェアベル を打倒し、カリア から正式に ギルニーアス を返還された際には、戦闘の最中の勇猛さとは打って変わって ゲン は一気に老け込んでしまった様子だった。フェアベル の差別的かつ一方的な態度を見せつけられて自らにも反省すべき点があると悟ったのか、或いは カリア の協力的な態度から フォーセイクン がかつての面影を残さぬほど変貌しており、リアム の仇討ちのため必ず鉄槌を下すと誓った憎き相手が既にそこには存在しない事を理解したからか。いずれにせよ長きにわたって我武者羅に追い求めてきた ギルニーアス 国民全ての悲願の成就が ゲン に劇的な変化をもたらしていた。怒りのままに軍を率いて戦火をいたずらに拡大してしまった自らの失政に対する悔恨か、或いは自分がいかに努力しようと決して為し得なかった夢を娘が事実上自分をのけ者にして達成してしまった事に対する落胆か、いずれにせよ肩の力が抜けた途端に様々な感情が唐突に堰を切って押し寄せてきたであろう事が彼の口調から推察できる。戦いが終わった後、アライアンス も ホード も分け隔てなく共に苦難を乗り越えた仲間として談笑している様を見て、ホード や フォーセイクン に対する憎しみや復讐心が既に国民の総意ではなく ゲン のごく個人的な怨恨に過ぎなくなってしまった事、延いては憎しみと血に塗れた自らの爪牙がもうこの国には必要ない事を悟った ゲン は、正式に テス に王位を継承し王国の全権を テス の手に委ねた。祖国奪還を祝う祝宴を テス に勧められた ゲン だったが、その前に会うべき人物がいると言って ゲン は独りその場を去った。無論、その会うべき人物とは亡き息子 リアム であった。

スポイラームービー

リアム の墓前に ギルニーアス 奪還を報告する ゲン の口からは、今までの彼の態度からは考えられないほどの弱音ばかりが出てきた。もしも自分が グレイメイン ウォール を建造しなければ ローデロン は陥落しなかったのだろうか、或いは リアム も死ななかったのだろうかと、止め処のない後悔ばかりが次から次へと零れ落ちた。しかし今の王国は正しき者の手に委ねられ、テス ならば必ず ギルニーアス を正しく導いてくれるだろうと話を締めくくると、ゲン は リアム の墓前からも立ち去った。それはまるでこの世に生きる者全てに対して別れを告げるような口ぶりだった。(アライアンス側のプレイヤーのみこのシーンを見られる。)

余談だが、一連のクエストのクリア時には戦役に参加した プレイヤーキャラ に対して陣営を問わず ギルニーアス貴族 の服装のトランスモグと ギルニーアス 特産の狐のマウントが寄贈されている。ホード側プレイヤーもこの報酬を受け取れる事から察するに、戦役で活躍し貢献してくれた兵士全てに対して陣営を問わず貴族の称号を与える措置が図られたものとも推測できる。これは新たに ギルニーアス女王となった テス からのホードに対する友好姿勢をアピールするロビー活動とも受け取れる。父親から「自分の千倍も上手くやる」と賞された テス の外交手腕を早速垣間見る事ができる。

さらに余談だが、領土返還が無事に果たされ パイアウッド ビレッジ まで帰還した カリア と リリアン の口からは、後継者の テス に対して父親よりも「外交的」な今の姿勢を維持してくれると良いのだがという小言が聞こえた。テス と関わりの深い リリアン は テス を信用している様子であり、カリア は バージョン 9 時代に ローデロン 奪還(延いては自らの フォーセイクン 内での立場の確立)を手伝ってもらった事に対する恩義はこれでしっかり返したと語っている。彼女の口ぶりから ゲン の態度に対して幾分か思うところがある旨を推察する事が出来るが、カリア も リリアン も ギルニーアス の民の祝宴に水を差すような無粋な真似はするまいと アンダーシティ へ引き上げていった。ホード側 のプレイヤーのみが耳にする事ができ、アライアンス側 のプレイヤーは ゲン が カリア や リリアン からどのような印象を持たれているかは知る由もなかった。

さらに余談だが、壁の外側に放置されたままの パイアウッド ビレッジ には フォーセイクン がいまだ駐留している事から、返還された ギルニーアス の領土は グレイメインウォール の内側のみであると推察される。パイアウッド ビレッジ は大陸西海岸に面しており、かつて シルヴァナス が目指した港湾施設を建造するのにうってつけの立地である。しかも アルガル の遺した シャドウファング砦(Shadowfang Keep) が パイアウッド ビレッジ を見守るように高台に控えている。シャドウファング砦 さえ押さえてしまえば パイアウッド ビレッジ は防衛にも交易にも非常に適した理想的な地域であると言える。仮に カリア がそこまで見越して グレイメイン ウォール の内側のみをほぼ無条件で返還し、テス も武力衝突を避けるために パイアウッド ビレッジ までは返還要求に加えなかったとするのなら、二者間で非常に高度な政治的取引が事前に行われていたと推測する事が出来る。しかしこれはあくまでも憶測の域を出ない。

ダリアス クロウリー

ゲン の戦友であり、かつての宿敵。ローナ(Lorna) の父。元々貴族の生まれであったが、彼の領土と領民は「グレイメイン ウォール(Graymane Wall)」の外側に放置され、ギルニーアスの国政からの支援を満足に受けられなかった。そんな ゲン の不平等な政策に異を唱えたダリアスは、「ノースゲートの反乱(Northgate Rebellion)」を引き起こして投獄された。しかし ギルニーアス がウォーゲンの呪いに見舞われてからは釈放され、ゲンと共闘し国難に立ち向かった。

彼自身は貴族という生い立ちに見合わぬ叩き上げの戦士で、城に籠もって政務ばかりしている役人とは明らかに一線を画した性格をしている。立場の上下をまるで気にせず歯に衣着せぬ皮肉の利いた物言いを平気でする不遜な態度や、粗暴さばかりが目立つ外見のせいで、初対面の相手には無法者や無頼漢という印象をまず与える事だろう。しかし実際には領民の為に自ら前線で血を流す事を厭わない熱血漢であり、軽薄な言動とは裏腹に慈悲深く、頼りがいのある男である。ノースゲートの反乱の際にも、またギルニーアスがウォーゲンの災厄に見舞われた際にも、民の為に常に最前線で戦った真の英雄とも言うべき戦士。しかし彼の功績はあまり表舞台では語られておらず、ゲンの陰に隠れる形になってしまっている。

ウォーゲンのキャラクターはキャラメイク直後からしばらくすると、ダリアスと関わる機会が多くなる。種族固有のイントロクエストの序盤に、釈放された ダリアス を迎えに行くクエストがあり、ダリアス 救出後は ライツ ドーン カテドラル(Ligth's Dawn Cathedral) まで彼と行動を共にする。ゲン や ローナ や無辜の民を守るために自らを犠牲にしてでも囮となって市街地から脱出する時間稼ぎをすると決意した ダリアス は、市内を徘徊する多数の ウォーゲン の気を引いて寺院の正門に引き付けると、配置してあった大砲で一網打尽にした。しかし寺院に籠城した ダリアス と プレイヤーキャラ は、ウォーゲン の圧倒的な数に押されて自身も狼化の呪いにかかってしまう。(ゲーム内ではおそらく語られていないが、多くの市民と共に市街地から避難させた ローナ に対し、ゲン は ダリアス の安否について虚偽の申告を行っていたらしい。後に父が自らを犠牲にして ゲン や ローナ を逃がしたと知った ローナ は、激情に駆られて ゲン を殺そうとまでしたという。後に狼化した ダリアス と ローナ は再会し、ゲン は事なきを得た。)

狼化してしばらくした後、ダリアス は ベリスラ(Belysra) の協力で自我を取り戻したらしい。(このエピソードはWoWのゲーム内ではおそらく語られていない。寺院のクエストの後しばらくしてから、ブラックワルド(Blackwald) にて自我を取り戻した状態でプレイヤーキャラのもとに再び姿をあらわす。)

フォーセイクン に占領された ギルニーアス シティ を取り戻す戦いの際には、私兵を率いて参戦した。しかし リアム を守る事は叶わず、リアム の葬儀では弔辞を述べている。

その後 シルヴァナス の毒ガス攻撃を警戒して ギルニーアス の民が ダーナサス に疎開してからは、しばらく会う機会がない。ダリアス 本人は ダーナサス に疎開せず、本国に残って ギルニーアス解放戦線(Gilneas Liberation Front) を指揮し祖国奪還のために戦い続けていたらしい。その間に シルヴァナス と衝突したり、ローナ を誘拐され人質に取られて投降する羽目になる等のエピソードがあるようだが、おそらくホード側のプレイヤーしか経験する事ができないものと思われる。

バージョン 7 Legion では、ウォリア クラス のプレイヤーキャラの隣で一緒に戦ってくれるらしい。

バージョン 8 BfA では、シルヴァナスの反乱の際にオーグリマーの西門で ゲン の隣に控える ダリアス の姿を見られる。

バージョン 10 DF では、ギルニーアス 奪還のために戦いに参加しており、ライツ ドーン カテドラル の正面広場で スカーレット クルセイド と対峙している姿を見られる。戦闘が終結し ギルニーアス に市民が戻ってからは グウェン アームステッド(Gwen Armstead) が経営する宿で彼の姿を見つけることができる。故郷に戻れた事は喜ばしいが、ウォーゲン や フォーセイクン に襲われて命を落とした者たちが多く、彼らを悼んでいると語っている。傍らに控える ローナ からは「いつになく感傷的だ。こんな父は今まで見た事がない」と心配されていた。

ウォーゲン 以外の種族では彼の活躍をほぼ見る事がないため、あまり名の知れたキャラクターではない。しかし民の為に数々の戦場を駆け抜けてきた彼は、紛れもなく ギルニーアス の英雄である。

Horde[]

Orc[]

一般的なファンタジー世界の設定とは異なり、Warcraftにおけるオークは、名誉と勇気を重んじる種族として描かれている。
もとは現在のOutland・Draenorという異次元の世界で高度なシャーマニック文明を築いていたが、ピットロード
Mannorathマノラスによってbloodlust…渇血の呪いに囚われたBurning Legionの一部隊「Horde」として
Azerothの地に送り込まれた(この時Outlandにて共存していたDraeneiの大半がOrcに殺害されている)。


英雄Durotan デュロタンの息子・Thrall スロールの指揮の下、あらたに結成されたのが現在われわれがWoWの世界で知るところの
Horde勢であり、自らの未来そして誇りを取り戻す戦いを行っている。

Frostwolf Clan[]

WoWの世界でプレイヤーが操作することになるOrcの大半はこの氏族である。
Outland時代からオークを統率しバーニング・リージョンへの従属にもあらがったが
(Frostwolfは唯一Bloodlustの呪いをはねのけた一族である)
アゼロスの世界に転送された揚げ句、時の長・デュロタンはハーフ・オークのガロナ Garonaに暗殺されてしまう。

からくもガロナの魔の手から逃れた息子は剣奴として、またAlly陣営にコントロールされたOrc軍団の統率者として
Stormwind王国の将軍に売られたが、心ある人間の乳母夫妻によって我が子同然の教育と愛情を受け成長する。
やがて人間世界の知識とオークとしての誇りを胸に戦う決意を秘め、彼・スロールは新生Hordeへと帰還した…


  • Thrall

スロール

Orcの、そしてHolde陣営そのもののウォーチーフ。シャーマンかつ勇猛な戦士でもある。

人間としての教育も受けている為、ジェイナと共にHolde・Allyの共存と繁栄の未来を望んでいたが、WoWの世界では各勢力の暗躍と内部の頭痛の種に終始頭を悩ませている。

拡張第3弾では、デスウィングの復活で崩壊したアゼロス世界を見極め、生きとし生けるものすべての一致団結を唱えんがためガロッシュにウォーチーフの座を任せ「コーディネーター」として前線へと旅立つのだが…。


  • Orgrim Doomhammer

オーグリム・ドゥームハンマー

先代ウォーチーフ。現在スロールがまとっている漆黒塗りの甲冑は彼の遺品である。

成長したスロールの力量を見極めんがため、身分を隠して彼に近づき決闘を行い、その実力を認めると自らの後継者として副官に迎える。

第二次戦争において戦死。Orcの首都Orgrimmerはもちろん彼の名から取ったものである。


  • Durotan

デュロタン。スロールの父であり、異世界OutlandにおけるOrcの長であった。

Warcraftの時代、現在のOutlandにおいてバーニング・リージョンとの第二次戦争を指揮していたが、その統率力を恐れた敵の刺客に妻ともども殺害された。


  • Koiter

コイター。 

The Barrens/North Barrens のShrine of the Fallen Warrior山頂でスピリットヒーラーに守られながら眠るオーク 。

実はWoWコンセプトアート・グラフィックデザイン専門チーム「Sons of the Storm」初期メンバーのひとりMichel Koiter(享年19歳)を偲んで彼の双子の弟René Koiter(2010年現在「Sons of the Storm」リーダー)が「建てた」墓標である。

http://www.sonsofthestorm.com/images/photos/GroupSOTS_Thumb.jpg

(外部リンク・左から三人目がRené Koiter氏)

余談ではあるが、Koiter兄弟はStarcraftシリーズにも関わっていたため、Starcraft IIでもとある亡き骸のドッグタグに「M.KOITER」の名が刻まれている。


Warsong Clan[]

グロム・ヘルスクリーム 

Grom Hellscreamを長とする、好戦的な氏族。
Warcraft IIIの最終決戦キャンペーンムービーでKodoの背に乗り戦意高揚の太鼓を叩いているように、
戦場においてもっとも勇猛かつ誇り高い一族である。
  • Grom Hellscream

グロム・ヘルスクリーム。脳筋。Orcの中でも勇猛な(一方でBurning Regionの血の呪い…bloodlustから逃れられない)Hellscream族の長。Warcraft IIIではThrallとともにEastern Kingdomsからのエクソダスを成功させるが、戦いを好む根っからの気性とbloodlustの狭間で苦しむ。

狂気に駆られつつもピットロード・マノロス Mannorothと刺し違え、bloodlustからOrcを解放する「英雄」となった。

正気を取り戻した彼が最後にThrallへ託したものは部族の存続とHordeとしての誇りを胸に散った父から息子への遺言であったが…。

年に一度、シーズンクエストHervest FestをHorde側で受注し彼の墓標を訪ねると、わずかながらその魂に触れる事が出来る。


  • Garrosh Hellscream

ガロッシュ・ヘルスクリーム。

グロムなきあとHellsrceamの長としてスロールに仕えるが、内心ではAllianceとの融和とHordeの平和的発展を望むThrallの方針を軽蔑し不満を募らせていた。

拡張第3弾では新たな脅威に挑むThrallの代役としてHordeのWarchiefを任されるが、若さゆえの軽率さと暴走からHordeの均衡を崩す事になる(再設計されたオーグリマーの構造にも彼の攻撃的性格が現れている)。


  • Dranosh Saurfang, Saurfang the Younger

ドラノシュ・サウルファング 

インスタンス「怒りの門(Wrath Gate)の戦い」に登場するHorde軍の若き指揮官。父であるヴァロク・サウルファングがHorde軍の重要人物であるため「若きサウルファング」と呼ばれる。

Bolvar公爵率いるAllianceの援軍に雄々しく登場し漢を上げたたものの、リッチキングの長話を遮って突貫。一撃で倒されたその魂はあえなくリッチキングの糧となってしまい、Death KnightとしてIcecrown Citadelに再登場する事となる。


Bleeding Hollow Clan[]

OutlandでFel Orcと名乗る氏族。

Dragonmaw Clan[]

Warcraft IIにおいてドラゴンを駆り、Horde陣の航空兵ユニットとして活躍していた氏族。
しかしそのドラゴンは女王竜・アレクストラスザを捕らえその子を使役したものだったことが判明。
非倫理的な行動としてHorde陣営から除名された。

Twilight Hammer Clan[]

WoWではOld Godsを信奉する終末教団Twilight Cultを組織する氏族。
ネルズールの弟子であったウォーロック・グルダン指揮の下、チョガール Cho'gallに率いられ
活躍していたがサーゲラスの墓所攻防戦で絶滅した…はずだった。

なお、Cataclysmでは復活したDeathwing配下として(傀儡としてではなく)自らの意志で暗躍する事が予告されている。


Blackrock Clan[]

ブラックロック氏族。自我を取り戻して尚、バーニングレジオンへの忠誠心を保持している。
ゆえにAlly勢力だけでなくスロール率いる新生Hordeとも激しく敵対している。
  • Garona Halforcen (Half Orc/Draenei)

ガロナ・ハーフオークン

その名の通り、Outlandでオークとドラエナイの間に生まれたハーフ・オーク。

Wacraft の時代からフリーの暗殺者として暗躍しており、Ally・Horde問わずあまたの権力者を手にかけ世界を混乱に陥れている。 その行動原理が彼女の出自によるものか、自由意志かはまったく不明。

コミック版では剣奴時代のヴァリアン・リンとも接触している。

近年その生死は謎とされていたが、拡張第三弾にて表舞台への復活が発表された。


Tauren[]

Bloodhoof Tribe[]

Thunder Bluff[]

ブラッドフーフ族 毛並みはホルスタイン種からジャージー種まで様々。茶または青い眼を持つ。

Warcraft IIIより登場。ケウンタウル族との抗争に全滅寸前だったところをスロールの助太刀で救われた恩に報いんが為Hordeに参加。
World of WarcraftではMulgoreに天然の砦Thunder Bluffを構える。

Horde陣営のなかで唯一のカリムドール先住民族であり、最も穏健的な部族(そのかわり、怒らせるとHordeいち怖い)。
大地の象徴Earth Motherと生命の象徴であるKodo、そして赤いカラーリングのトーテムを信奉する。
  • Cairne Bloodhoof

ケアン・ブラッドフーフ

Warcraft IIIより登場。初代Thunder Bluff酋長。

クイルボア族・ケンタウロス族相手に劣勢を強いられていたThe Barrensへ助太刀に現れたスロールに感銘を受け、Hordeとして共にカリムドールの地を守ることを誓う。一時は現役を退いていたが息子Baineが一人前になるまではとWorld of Warcraftサービス開始時より酋長の座に復帰。

自然と大地とKodo、なにより平和を愛するHorde勢いちの穏健派。拡張第三弾Cataclysmでは、ThrallにかわりWarchiefとなって早々Vol'jinと仲違いを起こした問題児・Garrosh Hellscreamの未熟さを戒める目的で決闘を申し込むのだが…。


  • Baine Bloodhoof

ベイン・ブラッドフーフ 

Tauren初期エリアのBloodhoof Villageの長(当時Lv.10)→二代目Thunder Bluff酋長。

Warcraft IIIより登場、偉大なる父ケアンと共にトーテムを振り回していた。Bloodhoof Villageでは直槍を得物としている。

拡張第三弾Cataclysmにて父ケアンの死とグリムトーテム族のThunder Bluff襲撃という試練を乗り越えThunder Bluff二代目酋長となった(得物は八枚刃の片手斧)。

父親と同じ穏健派であるが、後見人となったガロッシュ・ヘルスクリームによるBloodhoof族のHorde軍強制招集に逆らうことが出来ず苦悩している。


  • Hamuul Runetotem

ハムール・ルーントーテム 

TaurenのDruidを統率するドルイド・マスター。

Night Elf側のドルイド・マスター Malfurion マルフュリオン・ストームレイジとは盟友。

独自のシャーマニズムを形成した事で絶えたTaurenのドルイド文化を蘇らせ、ドルイドの聖地・Cenarion CircleにTaurenとNight Elfの共存を実現させた人物でもある。

弟のTonga Runetotemもドルイドであり、今日までThe CrossroadでThe Barrensのオアシスが持つ力からThe Barrens,そしてカリムドールという大地そのものの再生力を研究している。

古来TaurenとNight Elfは共通の神話を持ち自然を愛する種族であったが、有限の生命を象徴する大地母神Earth Mother
不老不死の源である永遠の泉(各地に点在する鳥居を模した小さな泉)の象徴・女神エルーンという信奉の対象と
価値観(生命の有限・無限/魔力の否定・肯定)の相違から現在の敵対関係となってしまった。


Camp Narache[]

  • Chief Hawkwind

チーフ・ホークウインド

Tauren初期クエストの拠点となるCamp Naracheのリーダー。

冒険に旅立つ年齢となったトーレン(=プレイヤー)に最初の試練となるquilboar クイルボア族との戦いを命じる。

WoLKまでのTauren初期エリアで最初にクエストを提供するGrull Hawkwind(Lv.4)父親であるが、実はまだまだ若輩の身(Lv.36)であり、井戸へ水くみに出たまま戻ってこない母親の捜索を依頼するマザコンの気も。

クイルボア族長Squealer Thornmantleのキャンプ襲撃計画を冒険者から得た事で、対策をとると発言していたのだが…

Cataclysmで追加されるクエストでは、嘆き悲しむ村の仲間の前で気丈に振る舞う。


  • Unaya Hawkwind

ユナヤ・ホークウインド 

チーフ・ホークウインドの母親。

Camp Narache近くの井戸へ単身水くみに向かったまま戻ってこない、と心配する息子Cheafの依頼で探す事になる。

迎え役となったプレイヤーに「こんなおばあちゃんの心配をしてくれるの?」とジョークをとばしがら、汲んだ水をキャンプに届けるよう依頼する。年寄りの好意を得たければ、誠意を持って振る舞うことよと微笑みながら。

Cataclysmの混乱に乗じたクイルボア族の襲撃に巻き込まれる。魂は息子チーフの導きによりEarth Motherの元へと還っていった。

Camp Narache関係のNPCはAntur Fallow(Camp NaracheからBloodhoof Villageに続く峠でプレイヤーに毛皮の配達クエストA Task Unfinishedを依頼する女性トーレン)も他界している。


Bloodhoof Village[]

  • Ahab Wheathoof

エイハブ・ウィートフーフ

Bloodhoof Village近くの吊り橋で迷い犬(Kyle)の捜索を依頼する、デニムの繋ぎに麦わら帽子がトレードマークのトーレン。

悪性脳腫瘍を患っていたEzra Chatterton少年(当時十歳)の「WoWのGMになり、自分の考えたクエストを皆に遊んでほしい」という夢を叶えるべく、NPO団体 Make a wishの依頼で実現したWoW開発チームとの交流から生まれた(2007年初夏、恒久クエストとして実装)。ちなみにエイハブのたどたどしい声はEzra少年本人の吹き込みである。

関係者の祈りもむなしく、2008年他界。Ezra少年の夢を宿したエイハブは、今日もBloodhoof Villageの吊り橋であなたとの出会いを待ち望んでいる。

関連記事→http://gs.inside-games.jp/news/123/12398.html


  • Skorn Whitecloud

スコーン・ホワイトクラウド

Bloodhoof Villageの宿屋入り口に立つ、総白毛に黒角のトーレン。

現役時代にはモルゴルに名を轟かせたハンターであり、純白のWorg(本来はEastern Kingdomeに生息する狼)のGhost Howlと出会うまでは負け知らずであった。

バーニング・リージョンとの戦いの最中スコーンとGhost Howlは再会を果たすが、霊体であるGhost Howlの魂そのものにデーモンの爪がつけた傷は深く、災禍が過ぎた後も苦しみのたうつ彼にスコーンは情けの一撃を放つことが出来なかった…。

Thunder Bluff近辺を今もさまようレア・モンスターGhost Howlにまつわるクエスト・The Hunter's Wayが発生したら、是非彼に報告しよう。

※Cataclysm以降は現役復帰を果たし、Bloodhoof VillageからCamp Sungrazeへと移動している。


Notable NPC[]

  • Gamon

ガモン Orgrimmarの宿屋にいる飲んだくれ。Quest Mobである都合上攻撃可能になっており、そのせいで暇なプレイヤーから面白半分に殺されまくっていた。しかし拡張第4弾では何故かレベル85のElite NPCになり、うかつに攻撃できなくなってしまった。


Grimtotem Tribe[]

グリムトーテム族 和牛のような黒毛にルビーの瞳をもつ者が多い。

ブラッドフーフ族とは反対の青いトーテムを信奉する(よく見ると耳の部分も逆向きについている)。
Taurenのなかでもカリムドールに対する郷土愛が飛び抜けて高く、加えて武闘・急進派。
ケンタウロス族との戦いに介入した「よそもの」であるHorde・とくにOrcへの心証は悪く、ケアンのHorde陣営参加は
今も「同族への裏切り行為」と感じているようだ。

Stonetalon Mountain他で青いトーテムを掲げた集落は十中八九彼らのテリトリーであり、Ally・Horde問わず
カリムドールの大地に踏み入った「よそ者」や「裏切り者」に襲いかかってくる。

近年配信されたクエストの内容から、Forsaken急進派との関係が疑われている。
(Undercity Magic Gate地下のゴーレム実験へのグリムトーテム族の関与が確認できる)
  • Magatha Grimtotem

マガサ・グリムトーテム 

Taurenの首都Thunder Bluffの一区画・Elder RiseにてShamanの術を伝える女性Tauren。

上記の経緯を持つGrimtotem族の出身(同じグリムトーテム族の若い兄弟2人を護衛に従えている)だが、ShamanとしてあるいはThunder Bluffにおける己の役割は理解しており、わかい冒険者達に試練や助言を与えている。

ForsakenがHorde陣営と合流するきっかけを与えたのは誰あろう彼女。その外交力や協調性からCaineの信頼も厚く、最近は彼の主治医役としても重用されていたが…。

CataclysmではCaine Bloodhoofをガロッシュとの決闘に見せかける形で謀殺、のちScorgeに属するTwilight's Hammer clan(Warcraft II時代から存在するGul'dan一派のひとつ)の一員としてThousand Needleに潜伏している。


Troll[]

Darkspear Trolls[]

ダークスピア族 Warcraft IIIより登場。
強い排他主義と狡猾さをもつ他のトロール族と異なり、高い協調性と洞察力を持つ。
カリムドールへの逃避行中嵐に見舞われたスロール達が漂着したStranglethorn Valeの先住民。

Sea Witchとmurloc連合軍との抗争で滅亡寸前だった彼らに助太刀を申し出たスロールの漢気に
惚れ込んだ酋長・Sen'jinは共にStranglethorn Vale最終決戦へと赴くが捕らえられ儀式の贄にされてしまう。
死期を悟ったSen'jinは息子Vol'jinへの伝言と部族の行く末、そしてHordeへの永遠の忠誠をスロールに託し息を引き取った。

以後ダークスピア族はHordeと運命共同体となり、現在はSen'jinの息子Vol'jinが部族の長そしてスロールの相談役として
オーグリマーに赴くと同時に父の名を戴いたSen'jin Villageをベースキャンプとしている(冒険の始まりもValley of Trials)。

第三弾拡張Cataclysmでは、スロールの後任となったガロッシュ・ヘルスクリームと袂を分かったVol'jin指揮の下
Echo Islesを奪還し首都「Darkspear Isle」に改める事が予告されている。

-キャラクリエイト画面はDarkspear Isleの広場に変更される。
-またオーグリマーと共有していたRep(尊敬度)も、オーク・トロルと別々にあげなくてはならなくなった。
  • Sen'jin

セン・ジン 故人。ダークスピア族先代酋長、詳しくは上記部族概要を参照。

一族からの敬意は他界後も篤く、イースタンコートの岸辺に設けた集落は彼の名を取りSen'jin Villageと名付けられた。


  • Vol'jin

ヴォル・ジン 現ダークスピア族長。普段はHorde陣営の都・オーグリマーにてスロールの相談役を勤めている。

父同様スロールそしてHorde陣営に血の忠誠を誓っているがスロールの後任となるヘルスクリーム族長・ガロッシュとはソリが合わない。


第三弾拡張Cataclysmではガロッシュとの関係が修復困難な事態にまで陥り、スロールと交わした「血の忠誠」を守るべくHorde陣営にはとどまるものの、Orcの首都でもあるオーグリマーからは去ってしまう。


Undead(Forsaken)[]

Scorgeとなったアンデッドの中で、自我を取り戻したアンデッド達がシルヴァナス・ウインドランナーのもと
組織化したのがForsaken…生の輪廻から「見捨てられたものたち」である。

Horde陣営に属したのはあくまで種の存続の為であり、時にはスロールの意志・そして倫理に背くことも厭わない。
彼らにとってのリーダーは「見捨てられた者たち」を導く女王シルヴァナスただ1人であり、全ての行動はシルヴァ
ナスに捧げる勝利と栄光のため。

「既に死んでいる」ため子孫を残す事が出来ず、リッチキングなきあとの世界で勢力を維持する次世代の創造が
急務とされている。

Undercityガード等として運用されていた合成人間(フランケンシュタインのような継ぎはぎゴーレム)を第一
段階として「次のForsaken」をシルヴァナス勅命のもと生み出そうとしており、その非人道(倫理)的行為は
Hordeの結束を乱しつつある。
  • Sylvanas Windrunner

シルヴァナス・ウインドランナー もともとはハイエルフで、シルバームーン(Silvermoon)のレンジャー部隊の将校でした。 3次大戦の折デスナイト・アーサス(Arthas)率いるアンデッド部隊の侵攻を受け、 彼女も防衛に努めますがシルバームーンは陥落、~彼女自身も瀕死の重傷を負います。 アーサスは彼女に止めを刺さずに彼女に呪いをかけて彼女はバンシーへと変貌を遂げます。 その後リッチキング(Lich King)の力が弱まると彼女は自分の意思を取り戻しますが、呪いが解けることはありませんでした。 スコージ(Scourge)軍に対する反乱が起きると、彼女は兵士たちを率いて脱出します。 彼女とその軍勢はフォーセイクン(The Forsaken:見捨てらし者)と名乗っています。 彼女は今、アーサスに対する復讐を胸にアンダーシティ(Undercity)を統治しその機会をうかがっています。


  • Renee

宿屋の女主人 レニー。 ブリル(Brill)にあるギャロウズ・エンド・ターバン(Gallows' End Tavern)をきりもりしている。

Cataclysmでは要塞都市となったBrillに相応しい劇的ビフォー・アフター(木造二階建→石積み吹き抜け四階建)を実現した。


Blood Elf[]

元は「ハイ・エルフ」と名乗っていた、エルフ族の中でもとりわけプライドの高い一派。
女神エルーンを信奉するナイトエルフ(紫肌は女神エルーンの加護の証)と異なり自然の生命力より魔力を信奉しているため、
源泉の泉 Sun Wellへの郷愁と依存度が極度に高い。

Warcraftシリーズでは利害の一致からAlly陣営に属していた事もあったが、魔力の源・Sun Wellを狙うバーニング・リージョンの
侵略を食い止める為にQuel'Thalas ケルサラスの森に火をかけられた事でHumanと訣別。

追い討ちをかけるようにWarcraft IIIにてArthas アーサス率いるUndead Scourgeアンデッド・スコージがSun Wellを汚染
(Dead Scarはその時に出来たもの)。力の源を失ったハイエルフは多数の死者を出した。

王族最後の生き残りKael'thas カエルサスは苦渋の選択としてAllyに復帰を試みるものの、魔力供給の助力を得たナーガや
魔族との関与を疑われ逆に一種族皆殺しの宣告を受けてしまう(Warcraft IIIではStormwind王国への協力者として残って
いたハイエルフたちも、この宣告のもと全員殺害された)。

種族の存亡と救済をかけ行動に出たまま消息を絶った王子・ケイルサスの帰還を信じつつ、魔力への渇望といたずらに殺害
された同胞達の血に染まるAllyへの報復を忘れぬよう「ブラッド・エルフ」と改めた彼らは現在Horde陣営に協力している。
が、それもSun Well復活まで生きのびるための選択であり、Forsaken同様、Hordeは「利用するもの」としか考えていない。
(両者のHordeに対する忠誠心は極めて低く、同胞以外のRepはすべてNeutralから始まる)。

補足
Draenaiが瘴気に汚染されたアゼロスの大地に中毒症状を起こし先祖返りを起こすのに対し、ブラッドエルフは
Sun Wellを失ったことで魔力の恩恵と依存から慢性的な禁断症状を抱え、魔力に枯渇するあまり手段を選ばなく
なった「堕落者」を生み出している。生命の糧でもあった魔力の枯渇は急激な老化と肉体の部分的な結晶化を招き、
やせこけた肉体の背中や胸板から結晶柱が露出。正気を失うものも出てきている。
  • Kael'thas Sunstrider

ケイルサス・サンストライダー 

上記の通り、Sun Wellなきあとの同胞達を救う為魔力の極みを求めるイリダンと同盟を組んでいた王子カエルサスは、インスタンスTempest Keep でプレイヤーに倒された。しかし、決戦前に召喚していたデーモン・ロードKil'jaedenの力を取り込もうとしたはずが逆に取り込まれ、死した彼の肉体は生前の彼が望んだ「より強い力」…胸板を貫く緑のクリスタルによって、彼自身の王国Eversong Woodへ刃を向けてしまう。

冒険者達の活躍によりクリスタルはMagisters' Terrace決戦において破壊され、ケイルサスの魂はSun Wellへと帰還した。


  • Lor'themar Theron

ローゼマー・サーロン Warcraft II(当時はレンジャー)から登場。

カエルサス王子の帰還を信じ伝説の聖騎士として執政公を務めていたが、Magisters' Terraceの戦いの後正式にBlood Elfのリーダーとなる。

なお、Magisters' Terrace実装以降(ケイルサス死後)追加されたサーロンの台詞は以下の通り。

Be strong.
Kael'thas has betrayed us and what we know is in flux, but do not lose heart.
We will endure, as we always have.
Arthas did not crush our spirit when he swept through our land, and neither will Kael'thas.
Let it serve as a lesson to us all as we move forward to our prosperous future.

しっかりせねばなりません。
Kael'thasは我々を裏切りましたが、移り気な我らにどうか落胆しないでください。

我らは今までのように…そしてこれからも、耐え忍ぶことでしょう。
Arthasがこの地を蹂躙した日のように、Kael'shasの裏切りと死が我々の心を踏みにじることはありません。

我々は前を、先を見て進まねばならないのです…王子の件はそんな我らの試練として課せられたものなのです。

Famous NPC[]

  • Haris Pilton

ハリス・ピルトン Shattrath CityにあるWorld's End Tavernで金1200もする’"Gigantique" Bag(22slot)他チョーセレブグッズを専門に販売するBlood Elf。Blood ElfではあるがSilvermoon CityのRepが限界まで上がっていようとビタ一文も値引きしないボッタクリぶり(Repレベル関係なく強制2割引の種族スキルを持つゴブリンでも、彼女から購入する時は定価払いになってしまう)。

モデルは世界のお騒がせセレブ、パリス・ヒルトン(ティンカーベルというペット狼の名も彼女の愛犬から)。


Goblin[]

これまで我々が交流してきたRachetやBootyBayの中立勢力とは異なる、まったく新しい氏族のゴブリン。
ノーム同様王制勢力であり、そのテクノロジーも首都を奪還したノームに引けを取らぬ、ある意味で超越したもの。

プリンス・プリンセスの他に官僚組織The Trade Coalitionを持つ。

Cataclysmの影響で噴火・崩壊したKezan(火山、Kodo同様日本語からの引用か)島からthe Lost Isleへ移住した一団である。
  • Trade Prince Steamwheedle

トレード・プリンス スチームウィードル


Famous NPC[]

  • Scooty

スクーティ ゴブリンのチーフ・エンジニア。

Venture Co.絡みのクエストをこなしていくと、Booty BayからインスタンスGnomereganへ繋がるトランスポータの実験台、もとい使用許可コミュニケータを貸してくれる。

元ネタは「宇宙大作戦」ことスタートレックに登場する宇宙連邦軍U.S.S. エンタープライズ号技術主任・モンゴメリー=スコット(日本語吹き替えではスポックと発音が類似する為ミスター・チャーリーと改名された)。転送装置の扱いは「宇宙大作戦」ピカイチであった。Scootyの衣裳も劇場版3作目の衣裳をモチーフとしている(ただし赤のベストを着用していた)。

残念ながらCataclsmでノーム軍が首都を奪還したため転送クエストの配信は終了。


Scourge[]

ネルズールによって作り出されたアンデッドの軍隊。プレイヤーキャラとして選べるアンデッドとは別の存在である。 
  • Ner'zhul(Lich king)

ネルズール(リッチキング)  バーニングリージョンの僕であったオークウォーロック。   キルジェイデンによって見出された一人目のウォーロックであり、バーニングリージョンによるオーク奴隷化に大きく関係した人物。

しかしキルジェイデンに仕え続ければ、いずれ自分の全てをバーニングリージョンに捧げてしまうことに気付き、離反する。   裏切りはキルジェイデンの逆鱗に触れネルズールは殺されてしまう。裏切り者の肉体を八つ裂きにし、溜飲の下がったキルジェイダンは魂だけ残したかつての下僕に次のような選択肢を与えてきた。"魂のまま永遠の苦痛に苛むか、それとも今一度バーニングリージョンに従うか。"  

キルジェイデンに再び忠誠を誓い新たな力を授けられたネルズールは、魔剣Frostmourne(フロストモーン)をその依り代とし、リッチキングとしてアゼロスに送り出されたのである。


  • Arthas Menethil

アーサス・メネシル  滅びし王国ローデロンの正統王位継承者。現在はリッチキングとしてスコージを率いる。  

将来を約束された若きパラディン(19歳でウーサーに師事、24歳でパラディンの号を取得)であったが、調査を進めるにつれスコージの所業に抑えきれぬほどの怒りを募らせていく。その怒りは暴走の果て、スコージによって病に冒された国民がアンデッドとなる前に自ら殺害するという非人道的手段を取らせるにいたり、事情を知らぬまま調査に合流したジャイナとウーサーはアーサスを見限ってしまう。


自らの王国そして臣民を(己が手を下したとは言え)殺めたスコージへの復讐に燃えるアーサスであったが、正義を貫く為「より多くの力を」欲する事がリッチキングの策略である事に気づかぬまま、やがてその身と心を闇に落とすことになる。


現在彼の肉体はネルズール(リッチキング)の依り代であり、その魂も魔剣Frostmourne フロストモーンに吸収されている。 が、ジャイナによれば今なお聡明なパラディンだった頃の意識が残っているらしい。 


2010年3.3.3パッチでついにリッチキングからの呪縛から開放され、魔剣Frostmourne(フロストモーン)に吸収されていた父の魂に贖罪。「今はただ休め」という言葉に抱かれつつ、運命に翻弄された波瀾の生涯を閉じた。

トリビア
 Under City・旧ローデロン鐘楼から庭園(正面にUndercityへの通路、右手にBloodElf首都への転送ゲートがある)へ通じる
 回廊で立ち止まり耳を澄ますと、かすかに鐘の音と歓声が聞こえてくる。これはバグではなくWarcaft IIIのムービーでも再現
 されているデスナイトとなったアーサス帰還イベントへのリスペクト。

 また王座に向かって正面右の床にもアーサスの汚点とも言うべき父の血痕が残っている。

 アーサスの帰還・王国の崩壊(Warcraft III ヒューマンキャンペーン)
 →http://www.youtube.com/watch?v=O_tKKxu_IMI&feature=related

 

  • Val'kyr

ヴァルキール

モデルは北欧神話のヴァルキリー。アーサスの死・Lich King封印で空中分解したScorgeからシルヴァナスによって連れ出され、子孫を残せぬForsakenの新世代…「死体から新たなForsakenを生み出す」道具として使役されている。


  • Kel'Thuzad

ケルスザッド  かつてはキリン・トールに所属した魔術師であった。後にネクロマンサーとしてネルズールに仕える。  現在はアーサスの忠実な僕としてイースタンプレイグランドのストラトホルム上空に浮かぶネクロポリス、ナックスラマスに君臨しているといわれている。

  • Highlord Darion Mograine

ダリオン・モグレイン卿 Knights of the Ebon Bladeを率いるDeath Knight。

かつてはArgent Dawnに所属する騎士であったが、非業の死を遂げた父の魂を救うために自刃した後Death Knightとして蘇りScourgeの尖兵となった。しかし主であるLich Kingに裏切られたことが原因でScourgeから離反、現在は自らの率いる軍勢を「Knights of the Ebon Blade」と改めてScourgeと戦っている。Lich Kingの裏切りとKnights of the Ebon Bladeの結成についてはDeath Knight(プレイヤー)の初期クエストで描写されている。


Burning Legion[]

  • Sargeras

サーゲラス  破壊と殺戮を尽くすバーニングリージョンを率いる魔神。  かつては創造神であるタイタン族の一員であり、デーモン討伐を専門とする最も強い巨人であったが、デーモンの策略により世界を崩壊せんと企む魔神へと堕ちる。  現在はツウィスティング・ニーザーで未だアゼロスへの侵略、世界の破壊を目論んでいると言われている。


  • Archimonde(死亡)

アーキモンド


  • Kil'Jaeden

キルジェイデン


  • Mannoroth(死亡)マノロス

 強力な力を持つピットロード。 自らの血のでオークに呪いをかけるがスロールとその親友であるグロムにより斃された。 マノロスの死によってオークは長くに渡った呪いから解放された。


  • Gul'dan

グルダン  ネルズールの弟子であったウォーロック。  思うように操れなくなってきていたネルズールに代わる存在してキルジェイデンに見出され、忠誠と引き換えに力を授かり強力なウォーロックとなる。さらなる力を求めてサーゲラスの墓の封印を解くが、封印を解かれ激怒する悪魔によって引き裂かれ死亡。


  • Blackhand the Destroyer(Warlord)

Gul'danの部下でDraeneiを絶滅寸前まで追い詰める。



Deadlord[]

  • Tichondrius(the Darkener)

Kil'jaedenの部下

  • Anetheron
  • Mephistroth
  • Beltheris
  • Mal'Ganis
  • BalnazzarArchimondeの部下でDeadlord三兄弟の一人、現在Stratholme Scarlet側のボス
  • DetherocArchimondeの部下でDeadlord三兄弟の一人
  • VarimathrasArchimondeの部下でDeadlord三兄弟の一人、現在はSylvanasの側近としてUndercityにいる。

Dragon[]

赤竜の眷属/Red Dragonflight[]

赤竜アレクストラーザ。 竜族の女王、愛と生命の守護者。

2023.03.08追記:『命と希望を束ねし者 (the Life-Binder)』の称号を持つ五柱の ドラゴン アスペクト (Dragon Aspect) のリーダーにして 赤竜の眷属(Red Dragonflight) の代表者。旧神(Old Gods) を封印してアゼロスを今の様相に変えた「神」タイタン(Titan) (の中でも特にパンテオン(Pantheon)と呼ばれるグループ) が、「惑星アゼロスの守護者にして管理者」として アゼロス を去る前に残していった、アゼロス で最も長寿で強大な存在の一つ。旧神の狂気に侵された デスウィング (Deathwing) こと ネルサリオン (Neltharion) を倒した際に、パンテオン より授かった力を失ってしまったが、バージョン10ドラゴンフライトでもその強大な力の片鱗を窺う事が出来る。彼女の ヴィセージ フォーム(Visage Form) は ハイ エルフ(High Elf) である。

【歴史】

バージョン3WoLK 時代には ノースレンド (Northrend) の ワームレスト寺院 (Wyrmrest Temple) に逗留しており、ラースゲートの戦い (Battle of Angrathar the Wrathgate) では フォーセイクン(Forsaken) の疫病を焼き払っている。この結果、ブレスに巻き込まれた ボルヴァー フォードラゴン (Bolvar Fordragon) が「死ねない身体」になってしまった一因となった。

スポイラームービー】(※音量注意)

また、「誤った使い方」で魔法を使う定命の者共を駆逐するという目的で ダララン (Dalaran) の魔術結社 キリン トア (Kirin Tor) に対して マリゴス(Malygos) が宣戦布告した ネクサス ウォー (Nexus War) では、定命の者に味方して友たる マリゴス を倒した。

バージョン 4 カタクリズム 時代では暴走した デスウィング を倒すために アスペクト の力をほぼ使い果たしてしまった。

スポイラームービー

バージョン8 BfA 時代では、黄昏竜の眷属(Twilight Dragonflight) の攻撃を受けた。絶体絶命のピンチに陥ったところをプレイヤーキャラに助けられたため、アレクストラーザは礼として ハート オブ アゼロス(Heart of Azeroth) や ハート フォージ(Heart Forge) に力を注ぎ、旧神に対抗するプレイヤーキャラ一向に協力する旨を宣誓した。

バージョン10 DF では、一貫してプレイヤーキャラを導く存在となっている。

バージョン10 の冒頭にて、嵐喰のラザゴス(Raszageth the Storm Eater) の封印が解かれ、ドラゴン アイル(Dragon Isles) が長き眠りから目覚めた。アレクストラーザ はこれを機に故郷である ドラゴンアイル へと帰還した。赤竜の眷属の揺籃の地たる ルビー ライフシュライン(Ruby Lifeshrine) や、ドラゴンアイル の首都たる ヴァルドラッケン(Valdrakken) の頂にある シート オブ アスペクツ(Seat of the Aspects) でその姿を見る事ができる。

【バージョン 10 DF 詳細】

事の発端は「惑星アゼロス を タイタン が勝手にテラフォーミングする前の本来在るべき姿に戻す」という思想を持った プライマリスト(Primalists) たちが、プライマル インカ―ネイト(Primal Incarnates) の一柱である ラザゴス の封印を解いてしまった事から始まる。

何万年も前、ラザゴス を初めとする プロト ドラゴン(Proto-dragon) は タイタン が来る前から 惑星アゼロス に生息していた原生生物の代表格だった。(この時点では アレクストラーザ たち アスペクト も ラザゴス と同じく プロト ドラゴン だった。)しかし ガラクロンド(Galakrond) という超強力な個体が共食い(正確には同種からの生命力の奪取)を繰り返して異常な巨体と能力を獲得してしまった。(これは ガラクロンド が旧神 ヨグ=サロン(Yogg-Saron) の影響に晒されたためとされる。)生命力を摂取しすぎた彼の身体は突然変異を起こし、不死者と同じように腐って爛れ落ち始めた。彼は巨大化しすぎた自分の身体を維持するためにさらに共食いを繰り返し、喰らった同種を「ノット リビング(Not-living)」と呼ばれるアンデッドドラゴンとして吐き出しては意のままに操る手駒とし、手勢を増やしてさらに同種狩りをするという生態系そのものに大きな影響を与える脅威となってしまった。太古の リッチキング とも言える存在になってしまった ガラクロンド を倒すため、タイタンによって創られた(Titan-forged) 管理者(Keeper) である ティール(Tyr) は介入を決意し、当時まだ プロト ドラゴン だった アレクストラーザ たちと共に ガラクロンド と戦った。一度目の攻撃は失敗に終わったが、二度目は プロト ドラゴン たちを安全圏まで避難させ、ガラクロンド を極限まで飢えさせてから戦いを挑んだ。ガラクロンド は自らが吐き出した ノット リビング を喰らって飢えをしのいでいたが明らかに弱体化しており、アレクストラーザ たちは辛くも勝利を勝ち取った。そしてこの時の功績を讃えられ、アレクストラーザ、マリゴス(Malygos)、ノズドルム(Nozdormu)、イセラ(Ysera)、ネルサリオンの5匹は タイタン から力を授かり今の ドラゴン アスペクト の存在へと生まれ変わった。

スポイラームービー

しかし タイタン による「進化」を望まぬ者たちもいた。その代表者が ラザゴス たち プライマル インカーネイト である。ラザゴス は タイタン からの「贈り物」を拒み、代わりに タイタン が入植する前から既に アゼロス に存在していた エレメンタル(Elemental) の力を取り込んで嵐の精霊の化身となった。ラザゴス を含む プライマル インカーネイト たちは アゼロス を勝手に作り変えてしまった タイタン を侵略者として憎んでおり、タイタン からの生体改造を喜んで受けた アスペクト たちをも「タイタンの手先」と見做して敵対した。その関係で ラザゴス はかつて ネルサリオン と激しい戦いを繰り広げた事があり、ラザゴス を撃退するため ネルサリオン は旧神の力を使ったがために狂気に侵されて デスウィング となり果ててしまったという経緯がある。

少し話が逸れるが、ドラクシア(Dracthyr) はこの頃に ネルサリオン の私兵として創られたという。ラザゴス は恐らく当時 ネルサリオン が想定していた最も差し迫った脅威だったと考えられる。ドラクシア の軍団は将来的に十分訓練され組織化され、様々な脅威に対抗し得る最高の兵士たちに仕上げられる予定だったらしい。(また、彼らは今後 アゼロス に産まれてくるであろう若い種族と対話し共存する方法を模索するため、畏れの対象にすらなり得る アスペクト に代わって定命の者たちに寄り添う隣人としての活躍も期待されていたと ネルサリオン の遺したレコードに記録されていた。この事実はサイドクエストを通じて知る事ができる。)しかし訓練の最中に ラザゴス に急襲され、ドラクシア は壊滅的被害を被った。ネルサリオン は未来への希望を ドラクシア たちに託して封印し、彼らを守るために禁忌に手を染めてでも ラザゴス を封じた。しかし当時の ドラクシア たちには「産みの親」が何故自分たちを封印したのか理解できず、封印が解かれた ドラクシア たちは混乱する事となった。ドラクシア たちにとっては バージョン 10 DF のストーリーは自らの起源や産みの親の願いなどを紐解いていく「自分探しの旅」にもなっている。彼女らの物語は スケールコマンダー エンバーサール(Emberthal) の視点で語られている。

スポイラームービー

ラザゴス は 禁じられた島域(Forbidden Reach) の フロストストーン ヴァルト(Froststone Vault) に封じられていたが、数万年ごしに プライマリスト たちの手により解き放たれた。そして大いなる脅威の再来に呼応するかのように、ネルサリオン によって封印されていた ドラクシア たちも目覚めたのだった。プライマリスト の動きを察知した ラシオン(Wrathion) と エビシアン(Ebyssian) が ラザゴス の復活を阻止しようと駆け付け、ドラクシア たちに協力を呼び掛けた。

スポイラームービー

しかし彼らの努力の甲斐なく ラザゴス の封印は解かれてしまった。

スポイラームービー

ノズドルム の助けを借り、ラシオン は ストームウィンド へ、エビシアン は オーグリマー へ、それぞれ ドラクシア 引き連れて ラザゴス 復活の報を伝えにいった。

スポイラームービー

スポイラームービー

解放された ラザゴス は配下の プライマリスト や エレメンタル を伴って幾度となく アレクストラーザ を襲撃した。アレクストラーザ は辛くも ラザゴス の侵攻を食い止めていたが、ラザゴス は アスペクト の真の力を失い弱体化した アレクストラーザ を凌駕する強さを見せつけた。

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問題を根本解決するには デスウイング との戦闘の際に失われた アスペクト の真の力を取り戻す必要があると アレクストラーザ は考えた。そのためには オースストーン(OathStone) と呼ばれる遺跡を復活させなければならず、プレイヤーキャラは ドラゴンアイル の各所を回って問題解決に協力し、5つの オースストーン 全てを再起させる事に成功した。しかし アレクストラーザ の思惑は外れ、マザー オースストーン の起動に失敗し、タイタン から授かった力は戻らなかった。ラザゴス は仲間の プライマル インカーネイト たちが眠る ヴァルト オブ インカーネイト(Vault of the Incarnates) の扉を破壊して侵入し、兄妹の封印を解こうとした。遅れて突入したプレイヤーキャラ一行が ラザゴス を仕留める事には成功したが、ラザゴス が息絶える前に散々暴れ回ったため封印が破壊され、岩鱗のイリディクロン(Iridikron the Stonescaled)、氷心のヴィラノス(Vyranoth the Frozenheart)、劫火のフィラーク(Fyrakk the Blazing) の三柱が解き放たれてしまう。ラザゴス 一柱でさえ手に余るほど強力であったため、共に戦った カドガー(Khadgar) と カレクゴス(Kalecgos) は即座に撤退を決意。プレイヤーキャラを伴ってテレポート呪文で脱出した。

スポイラームービー

他の アスペクト たちと共に緊急対策会議を開いた アレクストラーザ だったが、脱獄した プライマル インカ―ネイト たちの行方を掴む事が出来ずにいた。

スポイラームービー

ここまでが バージョン 10 シーズン1 の出来事である。

アスペクト たちに先んずる形で プライマル インカ―ネイト の居場所を掴んだのは、禁じられた島域 に潜伏していた サカラス(Sarkareth) 率いる ドラクシア の軍団 サンダード フレイム(Sundered Flame) だった。サカラス ら サンダードフレイム は、ドラゴン に対して協力的な エンバーサール たちとは袂を分かち、独自の道を往く事を選んだ集団だった。プライマル インカ―ネイト たちが ネルサリオン 遺産である研究所 アバルス(Aberrus)、正確にはその動力源となっている シャドウフレイム(Shadowflame) を狙っている事を知った サカラス は、「産みの親の遺産」を手に入れるべく プライマル インカ―ネイト をつけ回すようになる。

スポイラームービー

ザラレク洞窟(Zaralek Cavern) に アバルス が隠されている事を知った プライマル インカ―ネイト たちは、フィラーク を単身で地下に突撃させた。

スポイラームービー

フィラーク が派手に暴れたため彼らの所在を突き止める事に成功した アスペクト たちは、ラシオン、エビシアン、セベリオン(Sabellian) ら 黒竜の眷属(Black Dragonflight) に フィラーク の件を一任する事にした。これは 禁じられた島域 にて サカラス と一戦交えた エンバーサール を通じ、プライマル インカーネイト が ネルサリオン の遺産を狙っているという情報を入手していたため、身内の不始末の尻拭いは身内で行いたいと 黒竜の眷属ら 一行が申し出たためだった。アレクストラーザ の許可を得た 黒竜の眷属 たちは フィラーク を追って ザラレク洞窟 に突入していったが、待ち構えていた フィラーク に不意打ちされ痛手を被る事となった。元々 黒のアスペクト の後継者争いで反目しあっていた ラシオン と セベリオン の連携が上手く取れておらず、しかも洞窟内に充満する シャドウフレイム の「囁き」に当てられて集中力を欠いていたため、フィラーク にスキを突かれる形となった。しかし ザラレク洞窟 内部の ローム(Loamm) に住むモグラの獣人 ニフェン(Niffen) の助けを得て危機を脱した一行は、ローム を拠点にしてザラレク洞窟の探索を進めた。そして サカラス 率いる サンダード フレイム と幾度か衝突しつつも、アバルス の所在を突き止めた。

先行していた フィラーク は、原住民である ザカーリ(Zaqali)氏族 のジョルダン(Djaradin) と密約を交わしており、長い眠りについていた彼らの長老を目覚めさせる見返りとして自分に協力するよう約束させていた。ジョルダン は元々 ドラゴン たちと敵対しており、フィラーク とは利害が一致していた。そのため フィラーク が アバルス の動力源である ザカーリ カルデラ(Zaqali Caldera) から シャドウフレイム を吸収している無防備な瞬間は ザカーリ氏族 が フィラーク の警護に当たっていた。フィラーク 本人や ザカーリ から度重なる攻撃を受け深手を負いながらも警戒網を突破した一行は、ザカーリ の武器を鹵獲して無防備な状態の フィラーク の暗殺を企てた。しかし セベリオン が放った攻撃は フィラーク には全く通用しなかった。シャドウフレイム を我が物とした フィラーク は約束通り ザカーリ の長老を目覚めさせ、撤退しようとした エビシアン を撃ち落とさせた。そして報復とばかりに ローム を焼き討ちにし、この襲撃により多くの住民が犠牲になった。甚大な被害が出た上に フィラーク がさらに強大な力を得て地上に舞い戻ってしまったため、一行は一度 アレクストラーザ に報告に戻っている。

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この後 フィラーク の興味は地上に移り、ザカーリ を引き連れて オナーラ平原(Ohn'ahran Plains) や アジュア スパン(Azure Span) を執拗に攻撃した。しかし脅威は フィラーク だけにとどまらず、ネルサリオン 亡き後も稼動中であった アバルス の研究成果を手に入れようと サカラス がまだ地下で暗躍していた。黒竜の眷属 が ネルサリオン と同様に狂気に飲まれてしまう事を心配した アレクストラーザ は、サカラス の一件を彼らに任せる事に難色を示した。しかし自らの招いた失態を自らの手で払拭し、ネルサリオン が遺した負の遺産を自らの手で片付けたいと頑なに懇願する彼らに根負けし、アレクストラーザ は今一度地下に潜る許可を出した。そして再び地下に戻った一行は サカラス を 止めるため手を尽くすが、元々反目し合っていた ラシオン と セベリオン の仲が前回の失態の責任の所在をめぐって一度決定的に悪化した。しかし中立に徹した エビシアン の働きかけで仲直りを果たした二人は、協力して サカラス に立ち向かい、アバルス の最奥部にて彼にとどめを刺した。

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地下の脅威を排して地上に戻った一行は、かねてから問題になっていた 黒のアスペクト の後継者問題にも決着をつける事にした。ウェイキング ショア(Waking Shores) の オブシディアン シタデル(Obsidian Citadel) 奪還作戦に端を発する長きにわたる反目を通して、自分たちに アスペクト になる資格がない事を痛感した ラシオン と セベリオン は、エビシアン を アスペクト に推薦した。エビシアン 本人は エボンホーン(Ebonhorn) という名で ハイマウンテン トーレン(Highmountain tauren) の里に長らく隠れ住んでいた経験があり、世界が危機に瀕している時であっても戦おうとしなかった事を後悔していた。禁じられた島域 では直接的にその件について エンバーサール から責められた事があり、エビシアン は自分には アスペクト など務まらないと考えていたと予想される。しかし ラシオン と セベリオン の両名からの推薦があり、謹んでその命を承ると挨拶して承諾した。しかし至らない自分の補佐として ラシオン と セベリオン の両名を自らの補佐官につける事を条件とした。アレクストラーザ はこれを快諾し、ネルサリオン の没後不在であった 黒のアスペクト がここに新生したと高らかに宣誓を行った。

ここまでが バージョン 10 シーズン 2 までの出来事である。

メジョドモ セリストラ

アレクストラーザ に仕える竜。「メジョドモ」とは アレクストラーザ 直属の執行官の役職名である。セリストラ は厳密には ドレイク であり、定命の者と話す際には ヴァルペラ(Vulpera) の姿を取る。ドラゴンアイル に到着したプレイヤーキャラを アレクストラーザ に代わって案内する役を負っていたが、ラザゴス や プライマリスト(Primalists) の攻撃が始まると ルビー ライフシュライン の防衛にかかりきりになってしまい、それ以降はプレイヤーキャラと関わる機会が激減する。物腰が柔らかく気さくな話し方をするため、ヴィセージ(Visage) ともあいまって ドレイク でありつつもどことなく狐っぽいイメージのキャラクターである。余談だが、本人の中性的な口調と、他者から一貫して中性的な代名詞で呼ばれている事から察するに、本人の性自認は中性なのではないかと言われているようだ。

士官候補生 センドラックス

ドラコニッド(Drakonid) の新兵。赤竜の守備隊に入りたてのようで、隊の規則がまだあまり分かっていないのか、時折おどおどした言動や態度を見せるのが可愛らしい。しかし使命感が人一倍強く、弱き者を助けるために懸命に働く心優しい人物。命じられた事を命懸けでやり遂げるとの意気込みも見せるが、遺憾な事に彼女の姿勢はベテランの兵士からは「やる気がありすぎて空回りしている」と思われている。

センドラックス は ドラゴンアイル に到着したプレイヤーキャラをまず真っ先に案内する役目を担い、序盤はプレイヤーキャラの道案内をしてくれる他、戦闘でもサポートしてくれる。しかし プライマリスト たちがドラゴンの卵を鹵獲して精霊のエネルギーを無理矢理注入しようとしている様を見て激情に駆られた彼女は、若き竜の将来を守るために身を挺してでも卵を庇ってプレイヤーキャラに未来を託した。彼女の真面目さと優しさが災いし、命に代えてでも使命を全うすると言った自分の言葉を有言実行してしまったため、残念ながら バージョン10 DF の序盤で命を落とす事となってしまう。

青銅竜の眷属/Bronze Dragonflight[]

青銅竜ノズドルム タイムレスワン、時の守護者

『時無き者 (the Timeless One)』の称号を持つ青銅竜のアスペクト。時を司る強大な魔術を行使できるが、力の多くをバージョン4カタクリズム時代に失ったとされている。遥か未来の時の最果てでは闇堕ちして 暗黒竜ムロゾンド (Murozond) となってしまうらしい。時空が捻じ曲げられた際、ムロゾンドはプレイアブルキャラらに一度倒されている。

バージョン10DF では、ラザゴスと戦闘になった ラシオン(Wrathion)、エビシアン(Ebyssian) や プレイヤーキャラを含むドラクシア(Dracthyr) らを救出している。ノズドルムの力を借りてドラクシアたちはストームウィンドやオーグリマーへ飛翔し、ドラゴンアイルで起きた事変をそれぞれの陣営のリーダーに報告する事となる。

ドラゴンアイルに再び戻ってきたドラクシアを導くため、ノズドルムは幾度となく力を貸して彼らの霞がかった記憶を呼び覚まそうとする。長い眠りから醒めたばかりのドラクシアたちの記憶には不鮮明なところが多く、ノズドルムは時を操る力を用いて過去に実際に何があったかを思い出させる手助けをした。

緑竜の眷属/Green Dragonflight[]

緑竜イセラ。アレクストラーザの妹、エメラルドドリームで眠りについていた。 彼女がアゼロスに現れる時は緑のフードを被った人間の女性の姿を採る。

『目覚めし者 (the Awakened)』の称号を持つ緑竜のアスペクト。自然と創造の力を持つ。かつてはドルイドの長として慕われていたが、バージョン7レギオン 時代に ザヴィウス(Xavius) から悪夢に染まった エルーンの涙(Tears of Elune) を撃ち込まれて凶暴化してしまった。悪夢に操られてエルーンの寺院に襲い掛かろうとしたため、プレイヤーキャラと ティランダ ウィスパーウィンド(Tyrande Whisperwind) によって泣く泣く倒される事となる。しかしバージョン 9 SL では アーデンウィルド(Ardenweald) という「あの世の一角」で復活しており、現在では元気に「あの世で生きて」いる。

イセラの娘メリスラ。母親よりアスペクトの責を継承し、緑竜の眷属を率いている。イセラ亡き後に緑竜を束ねる立場になったメリスラは、バージョン 8 BfA 時代にはプレイヤーキャラに力添えしている。バージョン10 DF では エメラルド ガーデン (Emerald Gardens) に移動し、緑竜の前線指揮を執っている。

ドラゴンアイル中部に位置する オナーラ平原(Ohn'ahran Plains) では、約1万年前に緑竜とケンタウロスの武力衝突があった。しかし和平条約と共に安保条約を結んだ緑竜とケンタウロスは、それぞれの領域で長きにわたり平和に暮らしていた。時が経ち、プライマリストにそそのかされたケンタウロスの一味が安保条約を悪用して親善大使を殺害したりメリスラの暗殺を計画したりという強行に出たため、メリスラは ティラーイ (Clan Teerai)、シカール (Clan Shikaar)、オニール (Clan Ohn'ir) の三氏族のケンタウロスと共闘し、裏切者である ノクード (Clan Nokhud) 氏族との戦闘に入りこれを殲滅した。そしてティラーイ、シカール、オニールの三氏族との和平条約を新たに締結しなおした事で緑の誓いの碑石を再起させる事に成功した。

青竜の眷属/Blue Dragonflight[]

青竜マリゴス。隠されし秘術と魔法の守護者 様々な強力な魔力を持つアーティファクトが定命の者達に渡らない様に保護している

『呪文織り成す者 (Spellweaver)』の称号を持つ青竜のアスペクト。しかし ネクサス ウォー を引き起こしたためプレイヤーキャラとアレクストラーザにより誅殺されている。アスペクトの任は後継者のカレクゴスが引き継いでいる。

青竜カレクゴス。愛称はカレク。青竜の眷属の現当主。マリゴスが ネクサス ウォー を引き起こす直前、カレクはマリゴスから派遣され キリン トア の魔術の現状を調査していた。そして「魔法を間違った使い方で行使する者共は滅ぼさねばならない」というマリゴスの意見に真っ向から反対する立場となった。現在では キリン トア の代表魔術師の一人にも選ばれ、カドガー(Khadgar) やジェイナの良き友として共に戦う仲になっている。

バージョン 10 DF では、青の誓いの碑石を復活させるためにああでもないこうでもないと死力を尽くして調査していた。ミラーイメージの分身を使ってあらゆる文献を漁り様々な調査をし、最終的に地脈が原因ではないかと推測した。地脈を正常化させるためにプレイヤーキャラを派遣したカレクは、この地に詳しい タスカー(Tuskarr) にアドバイスを求めるよう進言し、自分は文献の調査を継続した。タスカーに会いにいったプレイヤーキャラは、タスカーの隊商が ノール(Gnoll) に襲われている事態に遭遇する。拉致されたタスカーを救出し、ノールの不浄の儀式を妨害したプレイヤーキャラとカレクはタスカーの里 イスカラ(Iskaara) に賓客として招かれた。そこで老衰で死去した老兵の葬儀に立ち会ったカレクは、家族の大切さを思い知った。誓いの碑石のもとに戻ったカレクはラザゴスから襲撃を受けるが、セネゴスらの助力によりこれを跳ね除けて魔術よりも家族を思いやる気持ちに重きを置く事を改めて決心する。これが青の誓いの碑石を蘇らせる契機となった。

黒竜の眷属/Black Dragonflight[]

  • Neltharion

黒翼竜ネルサリオン 大地の保護者、偉大なる鍛治工、裏切りの竜。 別名デスウィング。オニックシアとネファリアンの父。 タイタン達により封印された古代神の位置を知る事が出来た唯一の竜と言う噂もあり、 古代神達に唆されてドラゴンソウル(後のデーモンソウル)と言う円盤をゴブリンの力を借りて作り上げた。 バーニングリージョンとの戦いの際、突然狂気に包まれたネルサリオンは仲間であった竜族を襲い、いずこへと去っていったという。 人間世界に入り込んでいた時はLord Prestorを名乗っていた。バージョン4カタクリズムにて誅殺される。


  • Nefarian

黒翼竜ネファリアン デスウィングの息子、ブラックウィングレアの最深部で 父と同じくアゼロスの破壊を企てている。 人間の姿を採る時にはLord Victor Nefariusを名乗る。


  • Onyxia

黒翼竜オニックシア デスウィングの娘、普段は人間の姿を採り人間世界の崩壊を目論む。本来のねぐらはダストワロウマーシュにあるオニックシアズレアの最深部。 現在、意外な所にまで潜り込んでいる。どこかに見覚えのある苗字を持つ女性が・・・・


Old God[]

  • C'Thun

クトゥーン アゼロス土着の古代の神々の一柱。

タイタンによって斃され、完全に死んだかに見えたが長い時を経て力を蓄えていた。 アーンクィラジの最深部でその姿を見る事が出来る。


Elemental Lord[]

  • Ragnaros

ラグナロス ファイアロードの名が示す通り、炎の化身にしてOld Godsの配下。 古き神々と同じくタイタンによって自らの精霊界へと追いやられていたが、ダークアイアン族によって召喚され再びアゼロスに姿を表す。 その力は絶大で、ブラックロックマウンテンはラグナロスが召喚された影響によって突然生まれた火山である。 ブラックロックマウンテンの深奥たるモルテンコアで自らの眷族とダークアイアン族を支配している。

  • Therazane

セラゼイン ストーンマザーの名を持つ、大地の化身にしてOld Godsの配下。

  • Al'Akir

アルアキール ウィンドロードの名を持つ、風の化身にしてOld Godsの配下。

  • Neptulon

ネプチュロン タイドハンターの名を持つ、水の化身にしてOld Godsの配下。

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